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純正律…音律②
こんにちは!ももんがです。
前回はピタゴラス音律のしくみについて
お話ししましたね♪
↓前回の記事です。
よろしければご覧ください♪
有名な古代ギリシャの数学学者である
ピタゴラスが考案したピタゴラス音律ですが、
なぜ現在は使われなくなってしまったのでしょうか?
前回までのブログでお話ししましたように、
ピタゴラス音律は
5度の周波数比を計12回積み重ねた音を
並べ替えたものです。
そのため5度と4度はとても美しく響きますが、
12回積み重ねた中で4番目となる3度の響きはあまり良いものではありませんでした。
紀元前5世紀頃に作られたピタゴラス音律は
8度・5度・4度を協和音程と扱っていた
15世紀頃まで主流で使われておりましたが、
15世紀初めに
ジョン・ダンスタブルという作曲家が
イングランド独自の美しい
3度・6度の響きを用いた和声法「フォーブルドン」をヨーロッパに伝たことにより、
音楽理論そのものも3度・6度を協和音程として肯定的にとらえようとする方向へ進んため
3度・6度が美しく響かないピタゴラス音律は敬遠され、
新しい音律が模索されたのです。
そこで登場するのが
バルトロメオ・ラモス・デ・パレーハです♪
スペインの作曲家・音楽理論家・オルガン奏者であるラモスは、
より快い3度・6度の響きを作り出すため
1482年に「実践音楽」という本を著し
その中で純正3度を含んだ音律、
純正律を発表しました。
純正律とは、単純な整数比である周波数の
純正音程のみを用いて規定される音律です。
ピタゴラス音律でも用いられた
5度の周波数比2:3と、
3度の周波数比を4:5という単純な整数比にし
これらを組み合わせて作られた音律です♪
例えば、C音(ドの音)から始めると
(矢印の向きに注意しながら読んでいきましょう!)
C音から5度ずつ積み上げて
F音(ファの音) ← 「 C音 」 →G音(ソの音)→D音(レの音)→A音(ラの音)
そして、C音から3度ずつ積み上げて
F音←A音← 「 C音 」 →E音(ミの音)→(G音)→H音(シの音)
(矢印の向きが違うのは、5度の中でも「完全5度」という種類の5度を積み上げるためです。臨時記号のつかないドレミファソラシを作るには、このようにC音の上にも下にも音を積み上げる必要があります)
これで、ドレミファソラシすべて
作れましたね♪
これが、純正律のしくみです。
豆知識ですが…🫘
この純正律で作られた3度と
ピタゴラス音律で作られた3度では
当然、音程差が生まれてしまいます。
これをシントニック・コンマと言います。
ここまで説明した純正律ですが、
メリットとデメリットがあります。
純正律のメリットは
調が一定(基準となる音が同じ)の場合に
単純な整数比で音律が作られているため、
うなりのない美しい響きを得ることができます♪
ピタゴラスの発見した
8度・5度・4度の周波数比も、
同じく単純な整数比でしたね♪
そして純正律のデメリットは
調が一定でない場合に、純正でない響きなってしまうことです。
この純正律には、全音(2度)が2種類存在します。
5度から4度を引いた大全音と
3度から大全音を引いた小全音です。
大全音の周波数比は8:9、
小全音の周波数比は9:10となります。
この差はシントニック・コンマ分になり、
転調(基準となる音を変えた調)した時に
音程関係が変化し、響きが違うものになってしまうのです。
弦楽器などの
微妙な音程変化を自由に行る楽器では転調することが可能ですが、
鍵盤楽器のような
音程を簡単に変えられない楽器では
一定の調でしか演奏できなくなってしまうのです。
そこでまた、
新たな音律が登場したのです♪
次回はまた、新たな音律について書いていこうと思います♪
また読んでくださると嬉しいです😊
最後までお読みいただき、
ありがとうございました💕
2023.04.09. ももんがの気まま