世界最古の楽譜
こんにちは!ももんがです。
前回の記事では
音部記号の起源についてお話ししました。
前回の記事です。
よろしければご覧ください♪
G、F、Cのアルファベットが、
徐々に形を変えて
現在のト音記号、ヘ音記号、ハ音記号になったというお話しでした。
しかし、さらに昔の楽譜には
音部記号は存在しなかったのです!
一体どのような楽譜だったのでしょうか?
遡ること紀元前1世紀ごろ。
世界最古の楽譜である
「セイキロスの墓碑銘」は
トラッレス遺跡の近く、
トルコ共和国にあったアイドゥンという都市で
発掘されました。
今、私たちが使っている楽譜と
全く違いますね!
他にも、紀元前200年ごろの
パピルスという世界最古の紙に記された
エウリピデス作(三大悲劇詩人の1人)
「オレステース」の合唱曲の断片や、
「アウリスのイピゲネイア」の断片なども
楽譜として残されていますが
完全な形で残されているのは
セイキロスの墓碑銘が世界最古だそうです。
では、書かれている内容を見てみましょう。
楽譜には全く見えませんが…
上方に記された古典的なギリシャ語の
アルファベットが音の高さを示し、
そのアルファベットの上に記された
記号がリズムを示し、
下方に書かれたギリシャ語が歌詞を示します。
この歌詞を日本語訳すると、
生きているかぎり、快活であってほしい。
決して思い煩ってはならない。
人生は束の間で、
時は終わりを求めるからだ。
(グラウト/パリスカ 新西洋音楽史上より)
となります。
さらに
アルファベットが示す音の高さは、
Cはイ音(ラの音)
Oはロ音(シの音)
Kは嬰ハ音(♯ドの音)
Iはニ音(レの音)
Zはホ音(ミの音)
です。
そして、各アルファベットの上の
リズムを示す記号は、それぞれ
無印 が 八分音符、
ー が 四分音符、
_| が 付点四分音符
を示します。
以上のことから、
セイキロスの墓碑銘を
メロディとして読むことができます!
現在使われている五線譜に表記すると、
となります。
楽譜は現在とかけ離れておりますが、
メロディは2000年以上前のものとは思えない
とても美しいメロディですね♪
この墓碑銘には、歌詞のほかに
Seikilos Euter(ラテン語翻訳)という
献辞が記されています。
これは「セイキロスよりエウテルペに」
という意味であり、
セイキロスが彼の妻であるエウテルペへ
この楽曲を献呈したと考えられております。
このように、
ギリシャの楽譜および記譜法は
世界最古の楽譜として有名ですが、
ギリシャ音楽は多くが即興的なものだった為か
残念ながら後世にあまり大きな影響与えませんでした。
しかし、ギリシャの音楽思想や音楽理論は
後の中世キリスト教音楽に取り入れられ、
西洋音楽の発展に大きく貢献しました。
例えば、
ギリシャ人にとって音楽という言葉は
今よりはるかに広い意味を持っており、
音楽は
数字や天文学と密接な関係がある
と考えられていました。
とても興味深いですね!
次回はこの音楽と数、宇宙の調和について
書いていこうと思います♪
また読んでくださると嬉しいです😊
最後までお読みいただき、
ありがとうございました💕
2023.03.19 ももんがの気まま