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和訳:SixTONES with Bandwagon (1)

シンガポール/インドネシア/フィリピンを拠点にアジアの音楽を紹介しているメディア Bandwagon AsiaがSixTONESを取材してインタビューを掲載してくれた、ということで勝手に翻訳させていただきます。

大元のページのPVにも貢献したいので、こちらの記事を読む際には元記事も必ず一度は開いて頂けると幸いです。

SixTONESが語る「音楽」「J-POPアイドルであるということ」「国内そして海外に声を届かせるということ」

アイドル業界において、自分たちの声に「居場所」を確立するというのはどういうことだろうか? SixTONESにとってのそれは、アーティストとして見据える自分たちの姿と、ファンに与える影響のバランスを取ることのようだ。

SixTONESは、大きな期待を背負って2020年1月にジャニーズ事務所からデビューした6人組ボーイズグループだ。友好的なライバル関係にあるSnow Manというグループの『D.D.』と盤を分け合う形でリリースされたシングル『Imitation Rain』は発売初週に100万枚以上を売り上げた。この楽曲を手掛けた X JAPANYoshiki は、SixTONESには「海外におけるJ-POPのイメージを刷新するポテンシャルがある」と語っている。また、日本のポップカルチャーに根を下ろしていながら、新鮮でモダンなサウンドをJ-POPにもたらす彼らの能力を称賛する声も多く聞かれる。彼らのデビューは、公式にユニットを組んでから5年後に訪れた。経営陣や先輩アーティストから指名される形でグループが形成されることが通例となっているジャニーズ事務所にあって、自分たち自身の選択によるユニット形成は異例のことだった。そして、その後のSixTONESを定義することになる自己主張能力とセルフプロデュース能力の極めて端的な発露でもあった。

デビュー以来、ジェシー、京本大我、松村北斗、髙地優吾、森本慎太郎、田中樹の6人は、同世代のアイドルの中では極めて大胆な、積極的なアプローチでアイドルとしての音楽を開拓し、常に商業的にも音楽批評的にも好評を得てきた。絶妙にも『1ST』と名付けられたファーストアルバムは、聴くものを SixTONES の世界観に一気に引き込む一枚であり、彼らにJ-Popを背負って世界というステージに立つだけのポテンシャルを見出した業界人の確信を強めるものだった。一方、その1年後にリリースされた『CITY』は前回のアルバムからシームレスな広がりを見せ、6人による音楽へのコミットメントを強調する独特なフォーマットで構成されており、彼らが日本の注目アーティストの一翼を担っていることをさらに保証するものとなった。

彼らの最新アルバム『声』は、さらに攻めた内容となっている。声を届かせようとする努力は時として重く苦しい経験だが、最終的にメッセージが届いた時のカタルシスがもたらす喜びは何物にも代えがたい。このアルバムには、そんな事象が象徴されているかのようだ。もしかすると、居心地の悪さや未知の分野の開拓こそ、SixTONESにとって心地好いものなのかもしれない。

作品がカバーする領域を広げるために彼らが重ねる努力は、間違いなくSixTONESを魅力的な存在へと押し上げているが、さらに称賛すべきは彼らが持つアイドルとしての矜持と、立場を受容する懐の広さだ。SixTONESのロングインタビューでは、必ずと言っていいほど、アーティストとしての自分たちとファンのために新しいエキサイティングなことをしたい、という言及がなされている。彼らがこれだけのことを着実になし得るのは、たとえ型破りなアプローチをとっているとしても、彼らには普通の生活を送る人々が人生の折々に希望やインスピレーション、そして安心感の象徴として頼る存在であることへのリスペクトを持っているからにほかならない。彼らはよく、自分たちはアイドルらしくない、と口にする。しかし、たとえ彼らがまだ気づいていなかったとしても、業界内の他のアイドル達が自分たちの声の可能性を探り、見つけるための扉を開く助けとなっているはずだ。

今回 Bandwagon は、SixTONES に『声』について制作プロセスや作品との関わり、そしてライブツアーで再びファンの歓声に迎えられての想いを伺う機会を得ることができた。

*本インタビューは、2023年1月22日にジャニーズ事務所の代表者を通じてメールで行われたものです。


皆さんは、アルバム制作に常に深く関わっていますね。そのプロセスがどのようなものか、また、1枚目から最新アルバムまで、アプローチに何か変化があったかお聞かせいただけますか? また、最初の2枚のアルバムでは英語のタイトルがついていましたが、今回日本語のタイトルを選択した理由もお伺いしたいと思います。

田中樹:僕たちはすごく人に恵まれているんです。常に僕たちがやりたいこと、いちばんしっくりくることをやらせてくれるレコード会社(SME)のスタッフをはじめ、多くの人がアルバム制作を手伝ってくれています。でも、楽曲はほとんど僕たち自身で選んでいます。各自が全部の候補曲を聴いて、それから集まってお互いやレーベルの人たちと最終的なトラックリストの選定をします。もちろん、時には適切な数に収めるために何回かのミーティングが必要なこともありますが、全部を出し切らずに残しておくことで、将来的なシングルや他の取り組みに向けてのインスピレーションを得られます。

髙地優吾:今回なぜ日本語のタイトルをチョイスしたか、という話ですが、あまり言語に関しては意識していなかったというか、コロナ禍の様々な制限が解除されて、観客のみなさんがライブで歓声を上げたり叫んだりできるようになる喜びを感じられるタイミングでコンサートができるということへの反応を大事にしました。声が持つ意味が書き換えられて、またファンの声を聞くことができるというのは、僕たちにとってもファンの皆さんにとっても大きなことで、今回のツアーだけでなく2023年を始めるにあたって「声」という言葉がしっくりきたんです。それに、今回のアルバムトラックには動物の鳴き声も含めてさまざまな声が散りばめられていて、僕らの音楽スタイルの中での「声」が持つ意味も拡大されています。

京本大我:アルバム『声』へのアプローチですが、音楽アーティストとして成長を続ける中で徐々に進化していくものと考えています。1枚目(『1ST』)では、自分たちが個人的に好きな歌をたくさん詰め込んで、それがかっこいいと思っていたし、2枚目(『CITY』)では真逆のアプローチを取って、コンセプトありきでマッチする楽曲を決めていきました。今回の3枚目のアルバムは、デビュー3周年を迎える直前にリリースされるということもあって、僕たちとしても過去の自分達と競うというか、全く新しい別のことをしたいという思いがありました。テーマ、と言っていいのかわからないですけど、テーマは「ジャンルレス」です。今いるファンにも、これから僕たちを知ってくれようとしている人たちにも、自分たちができることのサンプルをできるだけ多く提示したかったし、直感的に僕たちが何者なのかを感じてもらいたかったんです。簡単に言えば、今現在の僕たちを切り取った一枚ですね。

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