和訳:SixTONES with Bandwagon (2)
シンガポール/インドネシア/フィリピンを拠点にアジアの音楽を紹介しているメディア Bandwagon AsiaがSixTONESを取材してインタビューを掲載してくれた、ということで勝手に翻訳させていただいています。
大元のページのPVにも貢献したいので、こちらの記事を読む際には元記事も必ず一度は開いて頂けると幸いです。
本記事は(1)からの続きになります。
まだお読みでない方は先にこちらを御覧ください。
『1ST』は、SixTONESが何者なのかを表現したアルバムであり、自分たちのために作られたアルバムだと発言されていましたが、『CITY』はどちらかと言えば聴く人のためのアルバムで、生活に溶け込むものになって欲しいとのことでした。『声』はいかがですか? どのように受け止められることを望んでいますか?
松村北斗:僕が『声』にこめたメッセージは、京本が言った通りです。1枚目のアルバムは自分たちのためで、デビューしたグループとして、自分たちのために望む舞台を用意するものでした。2枚目は聴く人のため。1枚目のアルバムへのフィードバックとして感じたり見聞きしたことをベースに、シンプルにその時点までにやってきたことの集大成でした。だから、この3枚目はSixTONESの両方に対する答えなんじゃないか、と思います。これまでの2枚のアルバムの強みを合わせたハイブリッドというか、バランスを取ったというか。そして、だからこそ4枚目が楽しみになるというか。また自分たちがやりたいこと、全く新しいことをやるんじゃないかな。
具体的な「声」というコンセプトについては、色んな解釈が可能だし、それは僕たち6人の中でも統一されていません。手話だって声だし、音だって声だし。どの曲が気になったとしても、何かユニークなものを受け取ってもらえたらと思うし、アルバム全体が音楽とはなにか、僕たちの音楽とはなにか、ファンが共有したいと思う音楽はなにか、という会話を広げるものになることを願っています。基本的には、みんなが好きなように曲を聞いて楽しんでくれたらそれでいいんです。
髙地優吾:このアルバムの準備期間やレコーディング期間に、暇があれば家に帰って、コーラスパートだけを再生していたんですけど、その時気づいたのが、このアルバムはもちろんグループとしての取り組みなんですけれど、たぶん無意識のうちに、トラックリストを通じて個人個人の色が強く出ているということです。ハーモニーは保たれているけれど、誰がどのパートを歌っているかすぐに聞き分けられるし、それぞれのユニットソングにも個性がたっぷりと反映されています。聴いてくれる人たちが、僕たちのことを音楽を通じて新しく知ってくれるいい機会になるのがいいな、と思っています。
『声』を作る上で、ライブでの観客の歓声が聞かれなくなったこと、再び彼らと声を合わせたいという想いが大きなモチベーションになったそうですね。日本のライブパフォーマンスに関する制限が緩和され、ファンが声出し可能になった中、ツアーでステージに戻ってみて、どのように感じていらっしゃいますか?
森本慎太郎:さっき誰かも言っていましたけれど、コロナ関連の制限が解除されてからの期間は、僕たちにとって新章の始まりという感じがします。この3年間、今まで当たり前だったことが僕たちもファンのみんなも奪われてしまっていたので、単に元通りになるだけじゃ満足できないんですよね。失われた時間を取り戻すためには、もっと色々しなきゃだと思うんです。目指したいのは、本来の居場所からもう一歩踏み込んで「新しいteamSixTONES」と新しいライブを作ることです。アメリカとかの既に声出しが解禁されていたコンサートを目にしてきたこともあって、個人的に今回のライブはすごく楽しみでした。だから、日本でも制限が撤廃されてコンサートの雰囲気がどう変わるのか、体験するのが待ちきれません。
ジェシー:お客さんが声を出せるライブっていうのがデビュー以来初めてなんですけど、影響の大きさはすごく感じますね。本当にジャニーズJr.だった頃と同じような、これこそライブだっていう感じで、お客さんの歓声を聞くと俺らのテンションも上がるんですよ。(インタビュー時点では)まだ横浜アリーナで何公演かやっただけなんですけど、これまでよりずっとやれてるし、正直もっともっとやれます。ファンの声の大きさや数が力をくれるし、ステージ上でのパフォーマンスもレベルアップできるはず。ステージ上でみんなの視線を感じてはいたけど、今まではみんなも制限されて不自由さを感じていたと思うんです。今回学んだのが、ステージ上と客席の両方の声を大切にすること、もう二度と失わずにすむように一緒にいられる時間に全力で取り組むことです。
田中樹:自粛期間中、ジャニーズ事務所のスタッフたちと一緒に、これまでと違う形になっても楽しくて安全なライブを届けるために何ができるか、ずっと模索してきたんですが、久しぶりにファンの声を聞くことができて、やっぱり何か足りないと感じていたことに気づきました。実際は逆なんですけど、自分が客席からパフォーマンスを観ている側のような気がするんですよね。みんなが歌ったり、客席で俺らに合わせて踊ったりしてくれて、早くコロナが収まってみんなのエネルギーを元通り感じられるようになって、もっともっとライブの質を上げられる日が待ちきれないです。次の公演をもっと価値あるものにしたい、という思いに火がつきました。
皆さんは自分たちの音楽や芸術性に真剣に取り組んでいらっしゃいますが、一方でふざけたり、カオスで面白い面も知られています。今回のアルバムツアーでは、プロモーションやグッズで独創的かつ予想外の選択をしていましたね。特にデッサン人形やボックスティッシュ、虹のポップアップカードなどが真っ先に頭に浮かびますが、開発時の思考プロセスを開示していただけますか?
京本大我:アイドルとして、僕たちはパフォーマンスに関して常に良いものをお届けしようとしているんですけど、同じように細かいディテールからも世界中の teamSixTONES に僕たちの気持ちを受け取って貰えるように努めています。前回のコンサート同様、今回も直接会場には来られない人たちにも(ジャニーズ事務所と国際転送サービスの Neokyo.com の提携により)楽しんでもらえるようなグッズをプロデュースしました。舞台裏の撮影も楽しんで行ったので、どこかのタイミングで公開できたらと思っています。グッズに関して言うと、日常生活の中で使ってもらえるようなティッシュもあれば、とっておきの宝物みたいなポップアップカードや、ファンの人たちが僕たちと一緒に過ごした時間を思い出せるようなちょっとしたプレゼントも採り入れてあります。アルバムのタイトルは『声』というんですけれど、コンサートツアーのタイトルも声に因んだものになっているので、ツアーグッズもファンの声を聞いて作ったら面白いんじゃないかと思ったんです。まずファンを対象にオンラインアンケートをとって、どんなものを作れば喜ばれるのか、できる限りのフィードバックを集めました。特に虹のポップアップカードは細部までこだわりまくった自信作です。たとえば「Happy Birthday」の代わりに「Congratulations」と言わせることで、より柔軟に多くの場面で使えるようにしました。僕たちは、いつだって自分たちが持っているものをみんなと共有したいし、できる限り自由にファンからの気持ちやサポートを取り入れていきたいと考えています。
森本慎太郎:あのアンケートはすごく良かったと思ってるんですよね。ファンのみんなの言葉や提案が、僕たちの目の前に書き出されているのを見ることができて、まるで一緒にミーティングをしているみたいでした。SixTONESのファンは僕たちの仲間だと思ってるし、次に何をすべきかに関しては同じ価値観や興味を持っていると思いたいんです。僕らはみんな欲張りなんですよね。いい意味で!次の面白いことを求めているし、どんな小さなことでも色々仕掛けたいんです。それがSixTONESの強みでもあるし、世界中に広がるteamSixTONES のコミュニティのカギでもあるから、みんなを集めてコンサートの記念グッズを作りたかったんですよね。
SixTONES は、個人としてもグループとしても個性を特に重視し、ジャニーズ事務所の中でも独自の路線を貫いていることで知られていますよね。エンターテインメント業界にどのような「声」を発信していきたいですか? また、世界中の人たちにどんな SixTONES を見せたいと思っていますか?
松村北斗:近頃は、世界中のアーティストがソーシャルメディアで何でも簡単にリリースできるようになったし、これまでになくトレンドを注視したり、人類の経験を寄せ集めたものからインスピレーションをもらったり、ということが簡単になりました。でも、僕たちは既に見たことがあるものを意識的に追いかけないようにしてるんですよ。可能かどうかは置いておいて、僕たちが目指しているのは、ファンが望むものや僕たちが尊敬する他のアーティストに影響されずに何か新しいものを作ることなんです。たとえば、うちの音楽レーベルから「こういう楽曲っていいよね」みたいなコメント付きで共有されるものであったり、ダンスのコーチや振付師さんが「今はこういうのが流行りだよ」って見せてくれるものがあるんですけれど、最終的に僕たちが望んでいるのは、みんなが SixTONES を見て「ああ、〇〇っぽいね」で終わらせるんじゃなくて、僕ら自身の色を感じてくれることなんです。ファンになってくれるかどうか、とか、僕らのクールな面と可愛い面のどちらに惹かれるか、とかにかかわらず、みんながシンプルに「SixTONES」を見てくれたらと思うんですよね。
ジェシー:もっと欲しい、と思うのが人間の性質だから「どうしてこれができないんだろう」とか「あれをどうしてもやりたい」とか思うこともあるけれど、結局のところSixTONESって、ありがたいことにジャニーズの中でもかなり自由にさせてもらっていて、やりたいことが通らないことって滅多にないんですよ。たとえば、去年はラッキーなことに個人での仕事がたくさんあったけれど、今年はSixTONESというグループでの仕事に重点を置きたいと考えています。むしろ、それぞれの個性を生かしてどうすればグループとしてより深く理解してもらえるかを試してみたいんです。ダンスにしたって、僕たちはそんなに揃わない。でも、だからこそ、同じことを全員がやっていても一人ひとりを見てもらえるんですよ。誰かが「この人が好きだから、もっとグループのことを知りたい」と言ってくれるのって、とても特別な瞬間なんです。なぜかっていうと、それが僕たちが一緒にいる意味というか、それぞれの個性をかけ合わせて生まれるのが僕たちSixTONESだから。僕はライブやパフォーマンスだけじゃなくて、バラエティ番組に出るのが好きなんですけど、それってみんなにSixTONESが持つギャップを見てもらえるからなんです。可愛いところあるじゃん、みたいなね。特に日本語がわからない人や海外に住んでいる人には、理解しづらいこともあるかもしれないけれど、でもそこにはもっと奥行きがあるんだってことがわかるから。半分冗談ですけど、いつか the Rolling Stones と同じくらい、もしかしたらそれ以上に有名になれたらいいな、って思ってますよ!
田中樹:ジェシーが言ってましたけど、僕たちには個性があるし、自分たちの進みたい方向を決める自由もあります。全員が完全に同じ考えでなかったとしてもね。僕たちを通じて、みんながライブ公演やYouTube、それ以外のメディアを通じて僕たちが発信するエンタメに触れて、自分を自由に表現することでしか得られないものを感じてくれたらいいな、と思います。
SixTONES には、Yoshikiさんや常田大希さんといった著名なアーティストとのコラボ経験がありますね。ほかにも将来的に一緒に楽曲を作りたいアーティストはいますか? 海外アーティストも念頭にありますか?
田中樹:選べないな! ジャニーズ事務所の先輩や後輩を含め、コラボしたい素晴らしいアーティストはたくさんいるし、世界にはもっと多くの尊敬するアーティストがいるから。もちろん、僕たちは自分たちの音楽に自信があるから、逆に世界のどんな人からでも一緒にやろう、って声を掛けてもらえたらいいな、と思いますね。コラボレーションの化学反応を経て、凄い楽曲ができるんだろう、って。
それに、僕らって、ただただシンプルに音楽が好きなんですよ。だから、できるだけ長く、できるだけ多くの作品を作り続けたいんです。その価値観を共有できる人なら、だれでもリスペクトするし、大切に思えるから、コラボレーション相手のウィッシュリストは、挙げたらキリがないです!
髙地優吾:何よりもまず、僕たち自身が楽曲を提供したいと思ってもらえるようなアーティストになりたいんですよね。樹も言ってたけど、声をかけてくれる人が誰であっても嬉しいです。僕が尊敬する人たちがコラボしたいと思ってくれるようなアーティストになりたい。それ以上のことを考えるのは、少なくとも僕には難しいです。
ジェシー:たとえば(嵐の)二宮和也くんみたいに、すごく有名な人達に曲を書いてもらったり、プロデュースしてもらったアルバムをリリースした先輩もいますよね。僕もいつかはそういうことをしたいと思ってますよ!
既に将来についての話も出ましたが、最後に、これからの SixTONES に期待すべきことを伺えますか?
森本慎太郎:コロナ禍で特に悔しい思いをしたことの一つが、YouTube FanFestでインドネシアに行ってライブする予定がキャンセルになったことなんです。僕はもちろん自分じゃ読めないんですけれど、自分たちのチャンネルに寄せられるインドネシア語や他のさまざまな言語で書かれたコメントを見ると、近い将来あのチャンスをやり直せたらな、と思いますし、できれば似たような機会があれば、と考えています。さらに、ちょうどこのインタビューが始まる直前に、フィリピンにいる視聴者について耳にしたんです。だから、今のツアーは日本国内に限られているけれど、いつかフィリピンや他の国に行って、一緒に音楽を楽しみたいな、と思います。
ジェシー:SixTONESは、グループ全体として、自分たちに多くを望みすぎないようにしています。だから、今回のアルバムが「ハーフミリオン」という節目をあっという間に超えたことや、日本でも海外でもこんなにも多くの人が気に入ってくれていることを知って誰よりも驚いたのは僕たちですよ。あと、大阪と東京でドーム規模の追加公演ができることにワクワクしてますけど、自分たちだけでやる怖さもあります。ベストを尽くしますし、その結果みなさんが目にするものについてはハイレベルなものを期待してもらいたいんですけれど、一方でファンにはあまり期待しすぎないで欲しい気持ちもあるんですよね。そうすれば、より「感動する要素」を感じられるから。要するに、あまり期待しないでほしいんですよ……いい意味で!
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