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番外編)心に残るナース①

一番初めに思い出すナースは、看護学生の時の臨床指導者さん。
Sさんと言いましょう。

病棟ごとに秘密の申し送りノートがあるのですが、実習前には必ず読んで対策を練り準備をしました。どんな学習準備をしていったら良いのか、どんなことを聞かれるのか、スタッフの特徴や臨床指導者に求められることなど詳細に書いてあります。

Sさんは、綺麗で行動もテキパキとしていて、一言で言うとできるナース。医師からも信頼されていることが初日でわかりました。
申し送りノートには、「恐い」「ダメ出しをされる」「宿題をたくさん出される」とあったのをいまだに覚えています。

私は、実際にSさんと話して、申し送りノートとの違いばかり感じました。

受け持ち患者さんに関わるためには、その患者さんの病態生理を詳細に調べること。わからないことは、学生であっても、医師に質問しても良いこと。そのために、質問できる知識をつけること。
患者さんに看護援助をするためには、教科書の基本の看護手順を正確に知識として得ているのは最低限必要で、何を聞かれても答えられるようにしておくと、患者さんから聞かれても自信を持って答えられる。不完全な知識では実習に来る意味がない。

あー、これは厳しいと思いましたが、患者さんとの信頼関係を築くため、学生であっても安心安全を提供するためには必要なことと思い、当然のことと受け入れられました。

一人で患者さんを受け持つ一番最初だったので、そんなものなんだと必死で勉強して完璧に準備をしました。

Sさんは、少しぶっきらぼうな言葉で話すことが多く、学生の前では笑顔を見せることも少なかったのですが、全ては患者さんのためという温かい気持ちを持っている方でした。この実習が始まりだったので、Sさんのようになりたいと憧れを持つようになったのです。

少し厳しいくらいが良かった思えるSさん。Sさんのおかげで私の看護人生が始まったと言っても過言ではありません。

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