基本書レビューのレビュー【2023-10-7微更新】
基本書レビューを一覧化し、レビューしました。
〈Disclaimer〉
リンク先のウェブページにおいて記載されている意見・感想等に、筆者が賛同しているとは限りません。
本記事を信頼したことによって読者に不利益が生じても、筆者は責任を負いかねます。
本記事の内容は、予告なく変更される可能性がございます。
なお、リンク切れの際はお知らせいただけると助かります。
第1 個人のウェブサイト
Φ 「基本書等と使用法」——Life is Beautiful(Haruwas)
執筆者は、当時ロー生でした(!)。
事情は不明ですが、現在非公開です。
とても気に入っていたので、欠番として冒頭に掲げておきます。
2 「私の本棚」シリーズ――note(2023年・ともしび)
執筆者は弁護士です。
受験生が気に留めそうな本は概ね紹介されており、かつ比較的コンパクトにまとめられているため、最近よく参照します。選択科目(環境法)に加え、予備試験の実務基礎科目や法学一般などの記事もあるほか、予備校本や問題集まで紹介する記事もあります。また、情報も常に最新に保たれているようです。
いかんせん、誤記(それも、実に単純な)が目立つのが難点です。
3 「○○法の基本書・判例集・演習書リスト」——だいたい正しそうな司法試験の勉強法(2019年・たすまる)
執筆者は、純粋未修から二桁合格を達成したそうです。
「初学者レベル(苦手な人向き)」「基礎レベル(司法試験対応)」「応用レベル(上位合格を狙う方)」という区分が特徴で、各レベルにおいてそれぞれの基本書・判例集・演習書(・副読本)が紹介されています。網羅性は十分に高く、執筆者自身がどのように使ったかなどの情報も書き込まれているため、大いに参考になるでしょう。
また、1冊にフォーカスした書評記事も充実しており、もはや出版社の回し者かと思うレベルで魅力がアピールされています。購入を迷っていて、背中を押されると買ってしまいそうな方は、ご注意ください。
4 「【まとめ記事】2023年最新版おすすめの基本書・演習書・判例集(基本7法、選択科目、予備試験の実務基礎科目)」——司法試験・予備試験・ロー入試に役立つブログ(2023年・コポロー)
オリジナルのコメントが控えめで、内容の大部分はAmazonレビューからの「抜粋」で構成されている斬新な記事です。基本7法に加えて選択8科目と実務基礎科目の記事もあり、参照価値は高そうです。
5 「各科目の基本書・演習書まとめ」——おいでよ ほうりつがくのもり(基本書レビューblog)(2015〜2018年・C)
執筆者は弁護士です。
情報が旧いという難点はありますが、適度な網羅性と選択科目のレビューが4科目(知財・倒産・労働・環境)もある点で、なお参照価値のある記事だと考えています。
6 「おすすめ法律書籍」――法書ログ(2023年・合同会社Leapal)
法律書籍専門の会員制口コミサイトです。
リンク先に集められているページは、非会員でも閲覧できるようです。肯定的なレビューだけでなく否定的なレビューも掲載されており、信頼できそうです。(皆さん、結構明け透けに書かれていますね……。)
7 「受験時代使ってた基本書」シリーズ――note(2018年・タロイモタロー)
執筆者は弁護士です。
「オススメ度」が10刻みのパーセンテージで表示されています。
やはり情報は旧いのですが(特に民法)、2023年現在でも通用するラインナップではあります。網羅性も、受験生一般にとり申し分ないでしょう(ただし、選択科目の経済法は微妙かも?)。
リンクがなく、書影が表示されていないため視認性でやや劣るのは難点です。
8 「最速で司法試験・予備試験に合格するための基本書等」——法律解釈の手筋(2023年・高木亨)
執筆者はBEXAの講師です。
記事は2021年に執筆されたものですが、2023年6月に更新されています。
よく使われる本がコンパクトに紹介されている、手堅い記事です。網羅性の高い記事で迷った方は、この記事に従うとよいでしょう。
8-2 「司法試験・予備試験のための有益な基本書等」――法律解釈の手筋(2023年・高木亨)
執筆者は前項と同じです。
こちらでは科目ごとに10~15冊紹介されており(厳選とは?/民法はなし)、受験生の視界に入る本にはだいたい触れられています。
9 「法科大学院生が持っておくべき定番おすすめ基本書・参考書・問題集等まとめ」――弁護士Aの法律学習ゼミ(2019年・弁護士A)
2023年9月に更新されているようですが、一部の情報は旧いままです。また、目次が機能しておらず、正直、使いづらさを感じます。
7科目のメジャーどころを、「初学者」「中級者」「上級者」ごとに分けて紹介しています。各科目を掘り下げた記事もご参照ください。選択科目は知財・労働です。
10 「基本書」――非エリートのための司法試験情報ブログ(2017年・baristaice)
情報はそこまで旧さを感じません。
「メイン」「副読本」「論点総ざらい」「演習」「あんちょこ」の5ジャンルそれぞれに「使用したもの」と「他の候補」があり、表でまとめられています。
11 「司法試験に独学で合格するためにおすすめの基本書」シリーズ――note(2021年・あらん/弁護士ライター)
メジャーどころを押さえており、説明も読みきりやすい文量です。Amazonレビューのうち、肯定的なものだけでなく否定的なものまで引用するため、本文の説得力は強いです。
12 「使った教材まとめ【予備試験、司法試験】」――note(2023年・U)
あくまで「使った教材」の紹介なので、アガルートの教材も含まれます。租税法、実務基礎科目も紹介があります。
リンクや埋め込みのない、端的かつ淡々とした説明です。やや読みにくさはありますが、目次があるほか、「おすすめ度」を表す記号が目印になるため、そこまで不便ではないかもしれません。
13 「予備試験おすすめの基本書・演習書〜ミニマムスペック〜」――note(2023年・おおき)
7科目+労働法+民刑実務の基本書・演習書を1冊ずつ紹介しています。メジャーどころからの選定で説明も簡潔なので、初学者向きといえそうです。
14 「基本書のまとめ」――note(2023年・游)
執筆者はロー既修2年生です。
紹介文は、別の書籍と比較しながらも簡潔にまとめられており、冊数のわりに手軽に読めそうです(今後ブラッシュアップされるようです。)(2023年10月)。
選択は労働・租税です。
15 「法律書を各科目1冊オススメする」――note(2021年・○ナヲ)
タイトルどおりです。伊藤塾(後掲)とは異なり、投げやりな印象は受けません。
16 「まとめノート作成について」――note(2022年・Muller)
下部に「使用した基本書等」の一覧があります。紹介文はありません。レビューではありませんが、一応掲載します。
17 「使用教材(おすすめ教材ではありません)」——note(2019年望月楓太郎)
執筆者はBEXAの講師です。
自身の使用教材を並べ、たまにコメントが付されただけの簡素な記事です。これもレビューではありませんが、一応掲載します。
第2 予備校のウェブサイト、動画
1 「司法試験・予備試験におすすめの基本書32冊【7科目・目的別】」——司法試験・予備試験コラム(2020年・アガルートアカデミー)
おそらく主流の予備校です。
メジャー本・有名どころからピックアップし、端的に紹介しています。科目によって教材の難度がバラついているような気もしますが、個人の感覚次第という範疇にも思え、何ともいえません。
(どうでもいいですが、本のチョイスに選定者の世代を感じます。)
2 「最も信頼できる基本書は?【○○法編】」——司法試験チャンネル(2021年〜2022年・久保田康介)
投稿者は、ご自身で司法試験対策講座を開かれている弁護士です。
あくまで自身が信頼しているかという基準のようで、旧い本が普通に推され、難度のバラつきも感じます(ややクセがある)。しかし、決してトンデモ説ではありません。独修ではなく、誰かに教わりながら学修できる方であれば、信じて大丈夫だと思います。
3 「司法試験対策におすすめの基本書・参考書とは?基本書学習で合格は可能?」——司法試験コラム(2023年・伊藤塾)
老舗の予備校です。
各科目で1, 2冊しか紹介されておらず、コメントも簡素に過ぎます。記事の最後では基本書を使用した独修のデメリットを挙げ、予備校での受講を奨めています。
筆者個人の見解ですが、本コラムの基本書批判は、もう当たらないのではないでしょうか。近年公刊されている基本書・演習書は独修や司法試験にコミットしているものも多く、〈予備校本化〉が愁えられるほどです。科目ごとの基本書の数も豊富で、法改正のたびに書店の平台が賑わいます。
講義の提供形態もそうですが、伊藤塾は時流に乗り遅れているような気がします。本コラムも、塾長が受験生を想って長年言い続けてきたことなのでしょうが、今となってはポジショントークの感さえ否めません。伊藤塾は好きなので、あまりこういうことを書きたくはないんですけどね。
4 「【2023最新】司法試験のおすすめ基本書ランキング|法律別に人気11冊を紹介!」——(2023年・資格Times)
「日本最大級の資格総合サイト」……って、何なんでしょうね。
全体的に文法がいい加減で、中身もまぁまぁ薄いです(途中まで「わかりやすい」ばっかり。)。また、読者の語彙力を見誤っていそうなほど難解な単語が頻出する体系書を、「とても読み進めやすい基本書」として紹介するなど(註・「最新の重要判例や学説をしっかりフォロー」していることと、読み進めやすさは関係ない。)、万人向けとは思えない記述もあります。他にも、各科目1冊ずつの紹介なのにマイナー本が挙げられていたり、行政法の紹介がなかったりと、粗末な点が目立ちます。
第3 その他
基本書まとめWiki@司法試験版
ブログ等に頼らず自力で探したい、という方には、なんといってもこのサイトです。司法試験関係の教材はほとんど網羅されており、常に誰かしらが更新するため、情報も“概ね”鮮度が高いです。
もっとも、難点も多いのです。
まず、Wikipediaと同様、不特定多数の匿名執筆者が銘々に執筆しているため、〈難しい〉〈易しい〉等の評価の基準が統一されていないという、レビューとしては致命的な欠点があります。
そして、上述のとおり情報の鮮度は“概ね”高いものの、すべての基本書等にレビューが付されているわけではなく、掲示冊数に比して情報量は少ないように思えます。付されているレビューも、執筆者によって粒度に大きな差があります。
また、読みながら疑問が浮かんでも、執筆者とコンタクトを取ることはできません。性的で鬱陶しい広告が表示されるのも、人によっては大きなマイナスポイントだと思います。そもそも文量が膨大で、読む時間ももったいないでしょう。
このように、情報が日々集約される貴重な存在である一方、使い勝手の悪いのが基本書まとめWikiです。書籍の存在を知る足がかりとして利用するのが、無難でしょう。
以上
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