もも

こんにちは。 大好きなBLや小説やアニメなどの感想を書いていきます。 好きな作品が1人でも多くの人の元に届きますように。

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最近の記事

正しく清く健常な愛情では満足できない。傷のなめ合いだと言われても。【書評】

正しく清く健常な愛情では満足できない。 病的で依存的で危うくても、自分だけを見てくれる人がいてくれたら──。 人は、正しい相手と正しい恋に落ちることができたら、幸せになれるのだろうか。 『匿名者のためのスピカ』は、どこか満たされない人々のための恋愛サスペンスだ。 親からの真っすぐな愛情が子供を真っすぐに育てる。 だとしたら、親から充分な愛情をもらえなかった人間は、歪むことで自分を守ろうとするしかないのかもしれない。 心の空洞を埋めようと身体を捻じることで、心そのものが歪んで

    • 子供には、『百瀬、こっちを向いて。』の良さはわからない。

      読書について、感動したことがあったので共有したいんです。 『百瀬、こっちを向いて。』と私のちょっぴり不思議な縁。 高校生の頃に、『百瀬、こっちを向いて。』を読んだことがありました。 なぜ読んだかというと、「青春 恋愛 小説」で検索したときに見つけた記事でおすすめされていたから。 その頃、私は恋愛に憧れていて、キュンキュンできる青春恋愛小説を求めていたんです。 そしてこの、誰がどう見ても、主人公が百瀬さんに語りかけている題名が印象的なこの本を選んだんです。 そして読んだ後で

      • 人生とは残酷な対比なのか?

        大好きな音楽に打ち込むほど、その才能を妬まれ嫌われてきた少年。 大好きな写真にのめりこみ、そこも含めて好かれている少年。 才能があり、優しい両親のもと裕福な環境で育った少年。 才能に敗れ、親にはいつも責められる、居場所のない少年。 世界には78億人もの人間がいて、78億通りの人生がある。 人間は、人生は、全てが残酷な対比ともいえるだろう。 思春期は、この対比がもっとも残酷な色として目に映る時期である。 いくら努力しても勝てない相手、努力なんて何の意味もなさないよう

        • 君と僕との絶対安全地帯

          「もしどこにでも住めるとしたら?」 そう問われて真っ先に思いついたのは、甲村記念図書館だった。 甲村記念図書館とは、香川県高松市の郊外にひっそりと佇む 由緒ある私立図書館のことだ。 話によれば、江戸時代から続く旧家のお金持ちが、自宅の書庫を改造して作ったものだそう。 古い大きな日本家屋で、応接室のような優雅な閲覧室がある。 他のどんな図書館とも違った特別な図書館。 そしてなにより、その図書館には大島さんという素敵な司書さんがいる。 彼が汗をかいたりしゃっくりをした

        • 正しく清く健常な愛情では満足できない。傷のなめ合いだと言われても。【書評】

        • 子供には、『百瀬、こっちを向いて。』の良さはわからない。

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        • 君と僕との絶対安全地帯

          なぜ私がはこんなにも兄弟BLが大好きなのか。

          なぜ私がこんなにも兄弟BLが大好きなのか。 「近親相姦への背徳感とかうしろめたさ」がいいんでしょ。 とひとことで言われると、うーーーーーむ、となってしまいます。 確かに、「背徳感」「うしろめたさ」は私が兄弟BLを好きな理由の一つです。 でも私は、それが故に兄弟BLが好きなわけじゃないんです。 別の理由の方がとっても大きいんです!!! それはですね、何かと言いますと、 ずっと一緒に育ってきて、可愛がってきた・慕ってきた相手と恋仲になることへの戸惑いです!!! 戸惑

          なぜ私がはこんなにも兄弟BLが大好きなのか。

          読まないと損です!最高のコメディBL『有給オメガ』の全力感想

          今、私は 「オメガバーズは濃厚シーンばかりでしょ?苦手…」 という理由で『有給オメガ』を読んでいない人に、 「それが理由で読まないのはもったいなすぎるから読んで!!!!」 と伝えたくて、魂を込めて感想を書いています。 私も以前は、 「どうせαとΩが有給とってエロエロするんだろう」 と思って敬遠していました。 ばかだった!!!! 本当にもったいないことをしていました。 DMMブックスのセールで「安く買えるから有名だし買っとくか」 という軽い気持ちで買って読んで 隕石衝

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          BL小説から、この世の本質を学んだ話。「美しさってなんだろな」

          『鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰?』ディズニーに興味がない人でも知っている、有名なフレーズです。 「それは王妃、あなたです」 白雪姫の継母である王妃は、 その答えを聞くために、毎日のように鏡に向かって問いかけ続ける。 しかし白雪姫が美しく育った7歳の時、 ついに 「この世で一番美しいのは白雪姫です」 と鏡は告げる。 嫉妬に狂った王妃は、白雪姫を亡き者にしようとする。 子供の頃、この物語を読んだときは、 「やっぱり白雪姫が一番かわいいよね!」 となんだか自分が褒められ

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          『ロッカバイディア』は、なぜこんなに泣けるのか

          はじめまして。 私はBLが大好きで、毎日BLを読んでは楽しく暮らしています。 でも日々は楽しいだけではもちろんなくて、 なんとなく辛かったり憂鬱だったり、 なんかモヤモヤする!ってときありますよね。 「泣いてスッキリしたいな~~~」 という日です。 そんな日に私が必ず読むのが、暮田マキネ先生の 『ロッカバイディア』です。 ネタバレを含みつつ、なぜこんなにも泣けるのか 語り尽くしたいと思います。 あらすじ虐待で傷ついた累(受け)が隣の家に養子として迎え入れられ、 出会

          『ロッカバイディア』は、なぜこんなに泣けるのか