さようなら、を告げる練習。
お世話になった山内さん(仮名)が、退職する。しかも、会社都合による左遷を断った、という理由だ。山内さんとの思い出を振り返っていたら、なんだかとても心が苦しくなってきたので、本人にさようならを告げる前に、その練習をしようと思う。
私が入社したのは、およそ3年前。期待と不安を胸にいっぱい詰め込みながら、会社のドアを開けた日のことを今でも覚えている。「今日からお世話になります」と挨拶をして、鞄から真新しいペンケースとまっさらなノートを取り出す。これから沢山の知識や技術を頭と身体に