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おでかけ日記(東京・神楽坂)
「nyaruco 東京ねこさんぽ」という本がある。そこで猫をテーマにした散歩コースがいくつか紹介されているので、今回はその中から神楽坂周辺のコースをたどってみることにする。
まずは赤城神社で御朱印を貰い、続いて善國寺を訪れる。善國寺の住職が御首題を書くのを寒空の中で待っていると、道路の向かい側にある黄色い看板が目に留まる。そこには「FAST OYSTERS」と書かれていた。
「FAST OYS
おでかけ日記(東京・吉祥寺)
「きゃりこ 武蔵野店」に行く。猫カフェである。店内には沢山の猫がいるが、みな人間とは別次元の時間を生きており、7割が寝ていて、2割が小屋の奥の暗闇におり、1割は高所にいる。
店員さんが「寝ている子も撫でてあげると喜びますよ」と言うのだが、いざ撫でてみると尻尾で手を払おうとしたり、180度回転してこちらに尻を向け、再び寝る体勢に入ろうとする。人間如きより睡眠の方が大事に決まっているのだ。
仕方がない
おでかけ日記(東京・六本木)
サントリー美術館の「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」展で飾られていた根付。安珍・清姫伝説の、清姫が鐘に隠れるバージョンだそうだが、清姫が隠れてどうするのだろうか。山姥が三枚のお札を投げつけてくるようなものではないのか。
21_21 DESIGN SIGHTで「クリストとジャンヌ=クロード "包まれた凱旋門"」展を見る。この二人は自分にとって現代美術のつまらなさを象徴するような存在なの
おでかけ日記(大阪・梅田)
訪れた場所の中で、東京人がイメージする大阪に最も近かったのは大阪駅前第二ビルである。天井の低い、狭い通路に古くて小さな店がひしめき合っている。これを「大阪らしい」とするのも失礼な話だが、「人情の街」などと言われたときにイメージするのはこのような空間である。人情とは低くて狭くて古く、感染対策のしづらい場所にあるものだ。
「ジャマイカ」という喫茶店に入ってみる。薄暗い店内でホール担当の老婆(八十代く
おでかけ日記(大阪・中崎町)
中崎町に行くと、雑貨屋の八割が臨時休業している。定休日ではない。行くつもりだった店も、行くつもりのなかった店も全て臨時休業している。
この手の雑貨屋はたいてい長細い古民家で営まれている。壁は古びた暗色の木材で、玄関口も不自然に小さく、窓もない。「店」であることをひた隠しにしていて、GoogleMapを頼りに歩く訪問者を素通りさせることに全力を注いでいる。小道を何度も行ったり来たりさせて訪問者の体力
おでかけ日記(大阪・鶴橋)
「流れる千年」でパッピンスを食べる。後ろの座敷にいた中年女性が手元に来たパッピンスを見て「白くまや」と言っているのが聞こえる。パッピンスに人格があれば侮辱罪で訴えられるだろう。パッピンスの名誉のために言っておけば白くまの7倍くらい旨い。木いちごとか乗ってるしな。
六席ある座敷の全てが中年女性のグループで埋まっている。壁や仕切りの配置が絶妙で、どこからでも店内を見渡せるが、他のグループと視線がぶつか
おでかけ日記(大阪・万博記念公園)
何度もネットで調べて民族博物館まで自転車で行けると確認したのに、万博記念公園の入口で警備員らしき老人が制止してくる。「自転車は入れないことになってるんだわーw」という文言が青い服を着た老人の口から、当然の権利の如く放たれる。
民族博物館についた頃には上半身の全ての凝りが爆発していて、展示物を目で追うことが出来なくなっていたので、観覧の助けになればと思い電子ガイドを借りる。それは端末とネックスピー
おでかけ日記(大阪・心斎橋)
堺筋線のシート、この世で一番滑る。摩擦係数が限りなくゼロに近い。背筋を伸ばさないと体が滑り落ちていく。
「鮮てっちり 浜藤」でフグのコースを食べる。客が自分一人で緊張感があった。高級店なのにB'zのインストが流れているのが悲しい。てっちりはフグは確かにおいしいのだが、それ以外の全てがいらない。野菜をすくうたびに手が激熱になるし、机がビチャビチャになるし、器に入れてもなかなか冷めないし、冷めたらつ