ここが変です日本の糖尿病治療:その8「果物を野菜と区別するのは日本ぐらいです」

欧米では「野菜と果物を合わせて1日〜g摂取して下さい」という記載になっています。なぜか日本では「果物」を「悪者扱い」します。しかし、日本の研究でも糖尿病の人が1日2個リンゴを食べ続けても半年後の「血糖値」も上昇しないし「中性脂肪」も上昇しません。「コレステロール」は少し低下する様です。日本では栄養士さんの教科書に「リンゴは半分」みたいな記載があったのを覚えています。根拠はなさそうです。日本では栄養士の皆さんはその「教科書」を全員が使用しているため、どこの病院へ言っても同じことを言われます。これは「教育段階」から変更しないと無理でしょう。栄養士さんには罪はありません。

果物が甘いのは主が「果糖」です。血糖値及び中性脂肪やコレステロールに変換し易い糖は「ブドウ糖」です。「果糖」の体内での代謝はすべては解明されていませんが、わかっている範囲では簡単には(おそらくほとんど)「ブドウ糖」にはならないと考えます。上の研究とは別に私の患者さんでインスリン治療+自己血糖測定を行なっている患者さん10人にある時点に血糖値を測定し、リンゴ2個を食べて1時間後2時間後3時間後に再び血糖値を測定してもらいましたが血糖値の上昇は1人も認められませんでした。

日本の糖尿病ガイドラインが遅れていたり、栄養学が日本独自になっていたりということに、日本だけでずっと仕事をしていると「当たり前」なので誰も不思議にならないのです。これを機会に意識を変えて「果物」をもう少し摂取しても良いかも知れません。

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