サビになったら拳を上げることが難しい
ライブハウスでは、サビになったら拳を上げることが定番だ。
ぼくはそんな行為がちょっとだけ苦手だ。
(これはあくまで自分が苦手だという話で、あの一体感はとてもすきです。)
「みんながやっている」ことを理由になにかをすることが嫌なんだと思う。
熱いメッセージを受け取って、「そうだよな!明日も頑張ろう!」みたいな、そんな感情になったときは拳を上げたくなる。
その動機はあくまでも自分の内側から湧き出る衝動というか、「届いたことをなんとかして伝えたいんだ」と思ったタイミングだ。
だからサビだとか、盛り上がる曲だとかはあまり関係ない。
自分が好きな歌詞の場面やバラードでも関係なく拳を上げたくなる。
音楽の楽しみ方は自由だろ、と思っていたりする。
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でも、演者から見たら嬉しくない客かもしれない。
ステージに立ったことはないけれど、もしぼくがステージにいたら、「サビになっても盛り上がる気配がないし、変なタイミングで拳を上げるし、なんか気になるなあ」と思うかもしれないし、そんなことはどうでも良いのかもしれない。
ライブ会場にいる観客は名脇役であるべきだ、と好きなバンドのボーカルが言っている。
なるほど、名脇役か。
観客の1人として名脇役でいるためには、サビで拳を上げて会場の熱量と一体感を表現することが正しいように思える。
ライブは演者と観客のコミュニケーションというか、感情のキャッチボールというか、そんなやり取りの中で出来上がるものだと思う。
そういう意味では、やはり、拳を上げて協調した方が良いのかもしれない。
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拳を上げることを通して、自由と協調のバランスって難しい、と考えたりする休日です。
ライブ行きたい。