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No.6 訳アリ再投稿  ウメちゃんとハナちゃん その3 親にとっての子育ての記憶

ウメちゃんの母親の言葉
”もう3人も子供がいたんだよ。これ以上子供を生むなんて無理に決まってるじゃないか。だからさ仕方なく ホント仕方なくだよ
 ”月の水の早流し”をしたんだよ。
それなのにさあ そのすぐ後にだよ あんたがお腹に入っちまったんだよ。困ったねえ あの時は でもさ これはあんたがよっぽどこの世に生まれてきたがっているんだろうからって そう思ったからさ 無理してまでも生んでやることにしたんだよ。”

『なんて言いぐさだろうね。あんたの為に無理して生んでやったんだとさ。生まれてきた事がまるであたしの責任みたいじゃないか。大体物事には原因があるからこそ その結果があるわけで この件に関しちゃ その原因を作ったのはあたしじゃないよ。』
『そりゃ大層な言いがかりだわな。でもさそのおかげであたしゃ あんたと出会えたわけだから 悪い事ばかりじゃ無いと思うけどな。』
『まあな そりゃそうやけどな 親にとってうちの兄弟5人がどういう存在だったのか 昔母親に聞いたことがあるんや。びっくりを通り越して もう口がアングリ開いたまま ふさがらん、二の句が継げんかったわ。』

ウメちゃんの母親の言葉
長男:可愛い。大きくなるにつれて力仕事も任せられる頼りになる存在
長女:目の中に入れても痛くないほど可愛い 下の子の面倒をよく見る。炊事洗濯掃除も手伝える頼れる存在
末っ子(5番目):年老いてからの子供は何をおいても可愛い。親とは一番早くに別れなくてはならない不憫な子
そして 三番目と四番目という中途半端な立ち位置次男次女
この二人についちゃあ はて一体どうやって育てたんだか 忙しすぎて な~んにも覚えちゃいないね!

『そうやろ そうやろ。親の目が行き届きすぎてあれこれ指図されっぱなしじゃ 子供なんて萎縮しちまって ろくなもんにゃならんさ いい子になんか育つもんかね。放っておかれたからこそだよ ホラあたしを見てごらんな  こんなにいい子に育ったじゃないか。ねえハナちゃんそう思わんか?』
『ハッハッハ そう思うわ それでええ それでこそウメちゃんや!
けどな あんたにこの世界への道を譲ってくれた その水子さんにも感謝せなあ あかんと思うよ。』
『いつも心のどこかにそんな気持ちがあってな あたしゃその子の分まで 二人分頑張らんといかんと思うわけや。二人分長生きせなあかんと思っとる.。』
『えっ ウメちゃん何歳まで生きるつもりなん?』
                      ・・・おしまい・・・


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