オンラインゲームと廃墟

 昔FF14をやっていた。そしてグループに所属し皆と楽しく遊んだ。やがてこのゲームに飽きて次のゲームに移る為、グループにお別れを告げFF14から離れた。
 次に始めたのはグラセフ5、ここでも又グループに所属しフレンドたちと楽しく遊んだ。それから2年くらいたった時、FF14が無料で遊べる日が有り、久しぶりに所属していたグループの拠点へ行ってみた。しかし、もう誰も所属しておらず、無人の拠点が廃墟の様に感じ異常に寂しくなった。
 それからしばらくして突然グラセフ5のグループが崩壊した。
 そしてそれからはグループ所属には嫌気がさして一人プレイに専念した。
 しかし一人プレイは気楽な反面、協力が必要な時には不便で孤独だった。
 そして、また同じように数年後に拠点というか、所属しているグループのメンバー表を確認してみた、30名近くいたほとんどのメンバーは脱退していて、名前が残っているメンバーもプレイをしている気配は無かった。
 所詮オンラインのアバターだけでの付き合いだったけれど、一番リラックス出来る家で大好きなゲームで知り合った気の合うフレンドと、一緒に何百時間も費やしたという現実、素性の知れない相手だけれども一瞬飲みに誘って直ぐに合流できるリア友かと勘違いするほどに楽しく遊んだ日々、ゲームをしていない人から見れば馬鹿みたいに思えるかもしれないけれど、日常を離れて非日常を追体験するゲームでの戯れは、ある意味リアルよりも仲間意識を強く感じた日々だった。
 今でもたまに、もぬけの殻の夢の跡を追跡すると楽しい想い出と強烈な寂しさが去来する。

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