日本保守党と参政党、違いと期待
2023年10月17日に結党宣言した日本保守党。
かつて虎ノ門ニュースで気焔を上げた、作家百田尚樹氏とジャーナリストの有本香女史が立ち上げた党は、短期間に党員が5万人に届くなど新進気鋭の新しい政党です。
2020年に設立され、2022年には早くも国政政党となった参政党に続き、これまで投票先の無かった保守層の新たな受け皿として期待される存在です。
そんな保守層の方々が最も気になる点の一つに、結党記者会見で報道からも質問のあった、
”日本保守党と参政党、維新の会との違いは何か?”
という事ではないでしょうか。
今回は、間もなく始まる衆議院選に向け、18歳からの学生有権者を念頭に、この質問にズバリ回答したいと思います。
保守政党イデオロギー相関図
日本保守党、参政党、維新の会の政治上の相違点は、以下のイデオロギー相関図をご覧いただければ一目瞭然です。
日本保守党と参政党
多くの方が日本保守党と一番近いと感じる政党の一つが、参政党ではないでしょうか。
この二つの政党は、保守的な日本の価値観を維持するという点において非常に近しいように感じる一方、グローバリズムに対峙する姿勢において、かなり異なるイデオロギーを持った政党と感じます。
具体的には、参政党は国連やアメリカの傘の下といった戦後の価値観(いわゆる戦後レジーム)への依存を前提とせず、あくまで本来あるべき世界の状態を理想とし、将来的に国の主権の完全な独立を求める政党だと思います。
これに対して日本保守党は、日米安保や国連などとの協調を前提に、従来の日本的価値観を破壊する急速な左傾化にストップをかけるという政党のように感じます。
ですので日本保守党は参政党よりも、どちらかというと生前の安倍晋三氏や高市早苗、小野田紀美の自民党に近い立場のように思います。
かつて百田、有本両氏の言論の最前線として機能していた虎ノ門ニュースの頃から、上記の印象は強く感じていました。
グレートリセットや世界経済フォーラムという存在には触れず、中国、北朝鮮との対峙という従来の自由主義と共産主義との対立軸を全面に押し出す政治体系の中での日本の主権を守る世界観です。
要約すると、参政党は若く本来人間が享受すべき理想的な世界を求める保守政党、日本保守党は現実的で大人の対応を理解する保守政党と言うことができるのではないかと思います。
このため参政党が陰謀論やカルト集団というレッテルによる攻撃を受けやすい政治団体である一方、日本保守党はそうした印象操作からは距離を置きながら、先ずは直近の左傾化の抑止という目標の実現に向かって進む現実的な政治団体という事ができるのではないかと思います。
減税日本のスパイス的存在
日本保守党結党記者会見での最大のサプライズは、河村たかし現名古屋市長率いる減税日本が、日本保守党と特別友党契約を結び、共同代表として活動する点ではないでしょうか。
この対応には従来の百田、有本支持者からは賛否両論あるようですが、私自身はこの決断は、多くのマイナス点に目を瞑っても尚、政治経験を獲得するという両氏の想いとは異なることろで、思いがけずのクリーンヒットになるように感じています。
何故ならば、河村氏と手を組むことで、良くも悪くも先の参政党的な評価や立ち位置を得ることができるように思うからです。
結党記者会見で河村氏が、「マイナンバーカードは全体主義の入り口だから反対」と突然表明した際に、有本女史が慌てて火消しに回った通り、特に世界統一政府のような全体主義やグローバリズムに対する考え方に対しては、相容れない政治信条があることが明らかとなりました。
そうした多くの常識的な支持者には訝しがられながらも、それでも参政党にもつながるような存在を党内に抱き込むことで、カルト的なレッテル貼りを受けやすくなる半面、話題性やより広い支持層を集める多様性を獲得できる点は、日本保守党にとっても、保守系有権者全体にとっても前向きな取組のように思います。
日本保守党と参政党のはっきりした味付の違いを、マイルドかつシームレスにつなぐスパイス的な役割、それが減税日本の妙味ではないかと思います。
維新の会は保守なのか?
今回の記者会見を見て学んだ点は、大手マスコミが維新の会を保守政党として認識していることが理解できた点です。
維新の会は保守政党ではないどころか、むしろ日本的価値観を解体する極左寄りの政党のように個人的には思うのですが、マスコミが本当に維新を保守政党と考えているのか、あるいは維新の会が保守政党であるということを視聴者に刷り込む手段としてそのような表現を使うようにしているのかは分かりません。
もし維新の会が保守というのであれば、それは”選挙対策用保守”という位置づけが妥当なのだと思います。保守的な顔やキャッチフレーズを見せることで、世の中の圧倒的多数の真面目で従順な保守層の投票を集めるための選挙戦略です。
これをご覧の方の中で、維新の会を保守政党だと考え、古き良き自民党の代替案として期待して投票する方がいらっしゃれば、失礼ながら自分自身の健康や財産を守るために、新聞やテレビなどマスコミから流れる情報への接し方を考え直すべき時期に来ていると認識した方がよいのではないかと感じます。
2023年衆議院選挙
次の衆議院選挙に向けた動きが慌ただしくなっていると感じます。
国政都政に関わらず、選挙前になると何故だか必ずかかってくる世論調査の自動音声電話アンケートが、今週2回もかかってきました。
もし近いうちに選挙があるならば、今回の選挙は、若い有権者にとっては、過去30年来最も選択肢の広い、未来を変える機会となる選挙になると思います。
その心は以下のイデオロギーMAPに示した通り、大切にすべき日本の文化や価値観を破壊し、守るべき日本国民をないがしろにする政策を憚ることさえしない現在の政府に対し、社会を正常化するための活きた一票となり得る可能性のある保守政党が、令和に入り複数台頭してきたからです。
2020年に参政党が登場するまでは、保守層の願いを実現するための投票すべき政党が存在せず、多くの方が本当に困っていたものと思います。
高市早苗女史や小野田紀美女史への期待を込めた投票は、保守ホイホイとでも言うべき機能をもって結局は左派与党政権への支持となり、期待とは真逆の社会を築き上げる原動力として機能することが、特に安倍元首相暗殺後は明確となりました。
白票含めて、そのような自分騙しの一票を投票するのではない、前向きな投票先が現れるのは、たとえそれが大きな力によって意図をもって準備された新たなホイホイ的政治ショーだったとしても、更にそれを乗り越えるきっかけとしては、希望のある状態だと思います。
10代、20代が選挙に行く社会
2023年10月の岸田内閣の年齢別支持率は以下の通りです。
私自身は特定の支持政党はなく、日本語と日本的価値観を守ろうとする保守的な信条に基づき、選挙毎に投票先を検討し投票するのですが、そうした立場から見ると、現政権の横暴に対して若い世代ほど支持率が低い状況には少し安堵の気持ちを感じます。
現在の岸田内閣は、保守とは対極の政策を推し進めているからです。
そしてその事実と、直近2022年の参院選における政党支持率および年齢別投票率を鑑みた場合、若い世代の有権者の手によって、日本社会は適正化に向けて是正することができると思うのです。
参院選年代別投票率の推移(総務省)
直近の国政選挙で34%程度の30歳未満の国政選挙の投票率が、せめて6割を超えるならば、現在の若者が望まない国の方向性を変えることができるのは、数字の客観的事実として明らかです。
10代の有権者にとっては、大切な大学受験直前期に行われる可能性の高い次の衆議院選挙に対し、それでも望むべき未来の実現のために、令和に生まれた新しい保守政党に一票を託してみる事をお勧めします。
投票する先はどの政党でもよいのです。
考える時間がなければあみだくじでもよい。
まずは実際に投票所に行き、有効票を投じることが、自らが社会人として歩むこれからのあるべき日本社会の実現に向けた行動につながるのですから。
ではまた次回。