FPSで集団戦を行うにあたっての注意点
これはFPSで集団戦を行うにあたって教練方法を考えている最中に出たメモとなっている。個々を見ていけば捨てるほど悪いものでもないが、全体として目的に沿わなかったのでボツとなったものを公開する。参考になれば幸いだ
目標地点への移動、射撃、命令待機状態を滞りなく循環させる事を第一に、敵との交戦における基本的な動きを学ぶ。
1突入
戦場において最も危険なのは、状況の境目になる。待ち伏せやトラップを仕掛けるのに最適で、相手の作戦が成功した場合、これを跳ね返すのが最も困難だからだ。
まず初めにこれら危険な個所についてレクチャーしていく事とする。
一・門を通した突入
ア・クリアリング
FPSをやっていれば飽きるほど聞くであろう基本的な技術。もちろん集団戦をする上であっても基本となる。違う点は、味方の見る方向を見ない点だ。1人で行うクリアリングは、どうしても部屋の殆どを自分で見なければならない、それに対して味方と連携を取っている時のクリアリングは、自分が向かなかった方向を味方にクリアしてもらう事で、クリアリングに掛かる時間を短縮し、敵に対処する時間的猶予を作り出す事が可能になる。どんな状況でも淀み無くクリア出来る集団は、当たり前にこなすべき各々の役割を把握している事から、優秀な集団と言えるだろう。と考えている。
イ・カッティングパイ
扉や物陰を警戒する基本的な方法。先に進むための手早く済ませるものから、時間を掛け行い、中にいる対象と撃ち合いをするものまで幅がある。
この技術は後述するエントリーと合わせて行うか、または1人2人で中の敵と接敵する場合に用いる物と想定し、普段は余り用いない、あるいは丁寧に行うべきでは無い技術と考えている。
理由としては、カットしている間、相手に身体を晒す上、集団で有利な銃口の数、突入に掛かる時間の短さを捨てる事になるからだ。
集団でのエントリーの利点は、突入がうまくいくのであれば、1人で入るより早くクリアを行い、その後の処理も早い点にある。カッティングパイを丁寧に行う場合、一時的に1人が扉の正面に立つことになり、その間集団での利点を殺す。それを行うのであれば、カットを2人程度で左右から分割して行い、死角を速やかに潰し、その後に残りの人数で突入を仕掛けるのが効果的と考える。
ウ・エントリー
日本語で参加、加入、入場、入ること。とされている。ここでは突入、と言う訳を用い語る事が多い。集団でのクリアリングの方法を学び、室内や物陰に突入する。集団での大きな障害と共に、強さを量る1つの指標と言えよう。
はじめの方に学んで貰う基本的な動作だが、その理由は明確だ。エントリーは集団で動くことの難しい閉所を短時間で通り抜けるテクニックの事だからだ。
なぜ閉所を集団で通り抜けるのが難しいのか、大きな理由は4つほどあり。
①誤射の危険が大きい
②連携が乱れた際取り戻すことが難しい
③連携が取れていないと容易に味方を見失う
④トラップや待ち伏せなどによる殲滅が容易
だからだ。1つずつ説明していこう。
①は簡単だ、銃口を向ける角度が狭い、その上味方が直ぐ側に居る。手元が少し狂うだけで簡単に誤射してしまう。
②これは意識して観察しないと中々実感が難しいが、閉所では敵の位置を見失う事が多いが、選択肢の数が少ない。各々が少ないが有力な選択肢を選ぶことで敵をあぶり出すこともあるが、基本的に互いが同じ場所を見た時に大きな隙が生まれる。熟練者はそこをついて更に混乱を呼び込んでくる。
③ゲームのシステムにもよるのだが、味方の位置が画面に常時表示されていたり、向きさえ会えば見つかるゲームであれば良いのだが、そうでない時。壁を何枚か挟んでしまった、壁しか無いと思ったら障害物があり味方の位置がおもったより遠い。屋内にいると思ったら屋外に居た。等のケースが非常に多い。
④これはわかりやすいと思う、室内にグレネードを投げ込んで一網打尽、誰しも見たことやったことは一度はあると思う。閉所では範囲を持った武器の脅威が格段に上がる。また、待ち伏せ等も、的が纏まっている為、掃射しやすく、多くのキルを獲得し易い。
以上の理由から、閉所を突破する事は集団で動く上で避けてはならない課題であり、その中でも閉所に居る時間を味方の動き1つで確実に短縮できるエントリーの訓練を第一に行う方針を我が会は取っている。
二・曲がり角への突入
ア・突入隊列
角での突入、こちらは閉所への突入に比べて簡単だ。曲がった先に敵が待ち伏せていた時に下がるスペースが取れる上に、クリアすべき角度が狭いからだ。
逆に閉所への突入に比べて困難な部分は、全員で一致した突入か、先頭に居る人の確実なクリアリング無くして突入が安定しないことだ。
もちろん一度に飛び出しても、待ち伏せされていた場合一網打尽にされる事は多いのだが、それでも全員がバラバラに飛び込んで各個撃破されるより良いケースが多い。
ここでの目的は曲がりでの突入そのものよりも、集団で動く事を一通り行った後の仕上げとして、常に取るべき連携を取る為の型を身に付ける事だ。困難な閉所でのクリアリングをこなし、各々が何を見てどう判断するのか、最もわかりやすい形で示した後に、それを常に行う為の型を身に付ける。そういった意図がある。
イ・突入後陣形
突入への備えをして、次に必要なのがその後の火力投射能力。ここで求められる能力は簡単だ、一斉に構えて撃つ。これだけだ。
戦列歩兵での訓練でも良いのだが、それでは実際に使う機会が少ない。それならば突入の訓練と共に行うことで意義を見出して貰おうといった算段だ。
ここまでの流れを纏めておくと。まず初めに想定しやすく脅威のわかりやすい状況で、個人技としても通用するクリアリングを習得する。そこから少し発展し、集団で動く必要があり、個人でも用いるケースのある扉を潜る突入を練習する。これにより、個人としての動きを洗練させつつ、集団で動くメリットを感じてもらう。
そして最後に、集団で動くメリットを理解した状態で、集団で動く練習をしてもらう。角への突入は今後習得していく集団に合わせる動きの基本となり、今後はこの動きを常に行っていく訓練に移行していく事となる。
2進軍
諸君らは状況を見て味方の動きを意識する事を初めに学んだ。次は状況の変化が無くとも自主的に味方の動きを意識する訓練だ。これが出来ると現代戦の基本である散兵での連携への良い足がかりになり、相手の行動を予測することにも繋がるだろう。励んでくれたまえ。
一・狭い通路での進軍
ア・隊列を組んでの行進
先の訓練を経て閉所の困難さは多少理解してもらったと思う。そこで次は閉所を進んでもらう。前回との違いは、状況の切り替えが無い点だ。ひたすら閉所を進んでもらう。今回注意する点は、前回通り過ぎた門を長くする事とそう大差はない。状況の切り替え地点にたどり着くまで陣形を維持したまま行進するだけだ。
イ・前進と停止
前進する事をしたら停止しなければ接敵したときや扉の前に立った時に困る。ここでは途中にある扉や接敵した時、どの様に停止することで効果的に止まることが出来るか、どうしたら部隊の持つ火力を効果的に運用することが出来るか、具体的な方法を習得してもらう。
二・広い場所での進軍
ア・隊列を組んでの行進
通路で行ったことを広い場所で行ってもらう、閉所では曲がり角や扉、窓など状況の変化によって判断が迫られる事が多かったが、今回は判断をする事が少ない、ひたすら同じことを続けることを訓練してもらう。周囲に障害物が少なく、視界が開けている。味方の位置を認識する事に多少の困難が伴う事になるだろうが、今回の問題はそれだけだ。味方と声を掛け合い、つつがない連携を取ることを期待している。
イ・前進と停止
前回の発展になる。前進したら停止する。どこでいつ停止するか、いつまでに進行を開始するのか、その連絡を聞いて適切に動く、その訓練をしてもらう。
ウ・目標に対する掃射
自分たちの部隊から見てどの位置に敵がいるのか、どの位置に何があるのか、それら伝達を受け取るのが諸君らの仕事だ、部隊長が出す指示を聞き、その通りに行動してもらう。
三・障害物を用いた進軍
ア・遮蔽の使い方
行軍とその連携はある程度習得した頃だと思う。次は遮蔽物を用いた行軍だ。遮蔽があることで変わることは、隊列が乱れる、カバーしながら行動できる、死角が増える、と言うところだ。君たちはこれから味方をカバーしながら行動する事を意識して行動してもらう。味方のカバーをしながら行動出来る様になることで、相手に大して被害少なくプレッシャーを与えられる様になる。この工程を終えることによって君たちはようやく前線を維持する兵士として活躍が期待される事となるのだ。
イ・行進間射撃
制圧射撃と言うものになる。遮蔽に身を隠しながら味方が移動している間相手の頭を引っ込めさせる目的に撃つ射撃になる。ゲームにおいて行進間射撃はシステムに合わないと言う意見もあるが。これは前に居る人を囮に安全に相手を撃つ技術と捉えるととたんに頻繁に使用するテクニックと言える。これはよく用いられているだけあり、息を合わせて行えれば様々なシーンで効果を発揮する技術となる。我が会ではこれが相手を倒す際に最も頻度が高く用いられる方法と捉えている。
3散兵
現代戦の基本形、少数に分割した兵を用い相手の懐深く潜り大打撃を与える戦術だ。これを適切に運用する事でそれまでの人を並べて作る前線から、概念的に発生する前線へと戦争はステージを進めた。ゲームシステムとしてもこれらの傾向は強く、自らが判断することを強く求めてくる。これら把握の困難な戦場を潜り抜ける為の基本的な訓練をここでは行うこととする。
一・地点目標への移動、そこからの支援
ア・地点目標へのルート選択
基本は前回の行進間射撃と同じ考えで進んでいく、遮蔽を使いながら相手のいそうな地点を警戒し移動する。ここに来て必要になるのは個人技であり、FPSの上手さになってくる。
しかし我が会では銃口の量を重視する、個人技にたよるこの方法を採用するには高いハードルがある。
①味方の支援が受けれるルート
②要所要所で味方を支援できるルート
③生きて帰るルート
の確保が出来ない者に任せた場合成功率が大きく下がってしまう。効果の高い作戦なだけに、よくよく訓練してもらいたい。
イ・移動中の突発戦
個人技を鍛える事になる。これが強くて悪いことは無いが、我が会では他に重要な物が多数あるため、不足を感じた物が取り組む程度で良い。
ウ・地点目標からの支援射撃
兵を散らす目的となる。多方面から一斉に、あるいは間断なく掃射する。これは他の部隊との連携にも繋がるので、かなり重要な立ち位置となる。
二・包囲
ア・敵対目標に対する位置取り
個人として目標に対して移動する前回に比べ、こちらは集団で目標へ向かう訓練となる。これが意識できると相手からしたら何もさせて貰えなくなるので、かなり重要と言える。
イ・敵対目標への掃射
ここまで来れば後は今まで培った技術を元にどの様な状況が想定されるか検討し、規則性を見出すなり訓練に費やすなり。励んで貰いたい。
コレより下には何もないよ。良ければ投げ銭していってね。
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