東京名物百人一首(1) 序文/三越/白木屋/東京電車銕道株式会社
東京の有名どころ(商店・料理屋・名産品・有名人など)の商標や印刷物に、百人一首の替え歌を添えた作品です。明治四十年(1907年)出版。
序文
※ 「京極黄門 藤原定家卿」は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての公家・歌人、藤原定家。『小倉百人一首』の撰者。京極殿、京極中納言と呼ばれました。
※ 「黄門」は、中納言のこと。
※ 「近藤助五郎清春がものせし道化百人一首の如き」は、江戸時代中期の浮世絵師、近藤清春(通称 助五郎)が書いた狂歌集『江戸名所百人一首』のこと。国立国会図書館デジタルコレクションで読むことができます。『江戸名所百人一首』📖
※ 「清水晴風」は、明治時代から大正時代にかけての玩具研究家、清水晴風。
三越
【元歌】
秋の田の 仮庵の庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
※ 「泰斗」は、泰山北斗の略。ある分野で最も高く評価され、尊敬される人のたとえ。
※ 「時好」は、明治36年(1903年)から発行された三越のカタログ誌『時好』のこと。
白木屋
【元歌】
春過ぎて 夏きたるらし 白妙の
衣ほしてふ 天の香具山
東京電車銕道株式會社
【元歌】
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかも寝む
※ 「東京電車」の「車」は「東」という字に見えますが、「車」のことと思われます。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖