「文脈メシ」で妄想が止まらない
6年前。夜分にバイトから帰ると、彼氏(現夫)がカニ鍋の準備をして待っていてくれた。
あの鍋は世界一美味しかった。まごうことなき文脈メシだった。
*
文脈メシ。
その、ことの始まりは、こちら。
カエデさんの、カリフォルニアで食べたベーグルのお話。それに私が、「食べ物って、文脈で食べ物ですよね」とかいう呪文のようなコメントを残してしまい、カエデさんに、どういうこと?と聞かれて
と、答えたわけです。
でそこから、そういう「文脈メシ」大喜利みたいなのがこっそり始まり…
これは個人的な思い出が入ってますね。大学時代、近くにあったんです。びっくりドンキー、略してビクドが。肉も米も野菜も、スルッと食べられる。それがビクド。スポーツ後が、断然美味い。
はい来た。いきなり優勝候補残して去っていくサエさん。
「ゲレンデで食べるカレー」はもうこれ、完全に文脈メシでしょ。
「やっぱカレーはどこのゲレンデにもあるな…うわっ、出たよゲレンデ価格…カレーに1000円て…ほんまごっついわ…」とか思いながら、暑くなったスノーウエアを脱いで、カレーにありつく。一口目で、ゲレンデでいかに自分が体力を消耗し、腹をすかせていたかを思い知る。「ハア?!うまっ!?カレーってうま!?飲み物なんかな?!」とか言いながら、ウエアにカレーをちょっとこぼしたりしてブルーになりながら、あっという間に完食する。
同じものを、何もない休日の昼ごはんに食べてもそうはならない。これぞ文脈メシ。
部活の帰りにね!道中にあるコンビニでの、買い食い!
あるあるすぎますね?
そして、そこでカエデさんは、冬のチョイス。冬にあったかい豚まん。(ちなみに私はおでんの白滝。ずっと白滝。)夏ならアイス。学生であんまりお金がないから、ガリガリ君かな。
さらにもう一つ教えてくれた、「ちょっと憧れていた先輩からのおすすめで飲んだスタバの抹茶クリームフラペチーノ」。これはもうねえ。
甘いの!?!?
苦いの!?!?
それとも、もはや先輩のせいで味がしないの?!
そこからずっと、スタバでは抹茶クリームフラペチーノ頼むことになっちゃうの!?!?
ねえ、どうなの!?!?
と、妄想が膨らむ案件ですよね…。
なんてことを言っていたら、妄想の第一人者(エイコさん)がきてくれました。推しとの妄想が止まらない、彼女の文脈メシがこちら。
遠山エイコ:
納期ギリギリに史上最高の作品を上げた徹夜明けの推しと、それを手伝うポジションにいた私が、喫煙所で一緒に飲む明け方の缶コーヒー。推しが買って手渡してくれたやつ。めちゃめちゃ疲れてるけど満ち足りてる推しを真横で見ながら飲むコーヒー。至高。
ンンン!!!!!
ながぁい!!!
設定がこまかぁぁい!!
それもうさ、そのシチュエーションなら、コーヒーでなくて番茶でも白湯でも至高になるやつちゃいますの?!?!
次。
別の「推し人」を想像した彼女の文脈メシ、第二弾。
遠山エイコ:
社運をかけたプロジェクトのために、休日出勤してオフィスに集まったチーム一同、お腹が空いて後輩(推し)とお昼を買い出しに出る私。お店で「揚げたてでーす」の誘惑に負けて購入したコロッケ、「アツっ」「ウマっ」って言い合いながら食べ歩く道中(設定が渋滞
もうね、140字に収まってないね。
収まってないし、もうそれはコロッケでも串カツでもイカの姿焼でも小籠包でもスイートポテトでも、何でもいいのでは!?!?!?
ねえどうなの?!
もうちょっと分かりやすいのちょうだい!?!?
叫びそうになる私。
「いやちょっと意味分からんから、『憧れていた先輩からのおすすめで飲んだスタバの抹茶クリームフラペチーノ』で説明して?」と、前述のカエデさんのネタをもとに再演を要求。
しかしエイコさんは、「え、どういうこと?」と飲み込めない様子。
仕方ない。私が模範演技を見せましょう。
坂るいす:
「スタバやったら俺は絶対、抹茶クリームフラペチーノやなぁ。え?エイコ飲んだことないん?飲むべきやで。ぜーったい飲むべき。分かった?行ったら抹茶クリームフラペチーノください、言うんやで?な?」
こういうこと。わかる?
画面の向こうで、猛烈に頷くエイコさん。頷きすぎて残像。
遠山エイコ:
「抹茶クリームフラペチーノ、トールで」
「先輩も飲みます?」
「おう」
「あ、じゃあもう一つ」
「あ、いや、一つで」
「え?」
(出されたら受け取って飲む
「半分こな」
ハイ!せ、き、め、ん~~~!!
あー、ニヤニヤしてるね。完全に画面の向こうでニヤけちゃってるね、これは。
ならば続きは、こう。
坂るいす:
「ど?」
「え」
「うまい?抹茶クリームフラペチーノ」
「美味しいです」
「ほんま?!そやろ?そやろ?エイコは分かってくれると思っとったわー!チームのやつら、全然分かってくれへんねん、甘すぎるとかいって」
「ふふ」
「また一緒に飲もうな!絶対やで!約束な?」
うーーーん、これはもう、かんっぜんに、抹茶クリームフラペチーノ。抹茶クリームフラペチーノを飲むたびに思い出される先輩。思いを告げられず、抹茶クリームフラペチーノばっかり飲むエイコ。
いやー、抹茶クリームフラペチーノだわぁ。
と、満足したところで気がついた(正気に戻った)。
文脈メシは???
文脈メシどこいった????
え???なにしてんの???
模範演技って????なにが????
このフラペチーノ実演の意味とは???
は???
あまりの脱線に一人で(もしくは二人で)頭を抱えていたところに、「文脈メシで一つ記事を書きました」との驚きのメッセージが舞い込んできた。
それがこちら。
ウソやろ…
私(ら)がフラペチーノで踊り狂ってる間に、オシャレな小説出来てしもてるやん…
ゆいさんありがとう…
文脈メシを取り返すことが出来ました…
*
以上が、ことの顛末です。
文脈メシ。
今のところ、やはり個人的には、サエさんの「ゲレンデで食べるカレー」が、普遍性の高さとメシの魅力アップ度から最強かなと思っていますが、他にいいのが思いついたら教えてくださいね。私が画面の向こうでニヤニヤします。あと、いないと思うけど、もし万が一ツッコまれたい人がいたら、分かりやすくボケてくださいね。
*
【Special Thanks…岩代ゆいさん、サトウ カエデさん、遠山エイコさん、ハネサエ.さん】
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ありがとうございました〜!
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ちなみに続きはこちら。