「文脈メシ」で妄想が止まらない3
この記事に始まった、文脈メシ。
まさかの第3弾。
皆さんからいただいた文脈メシで、今日も美味しい妄想がはかどる。
…のですが、今日も先に謝っておきます。
途中、変な感じになります。すみません。
*
本日のトップバッターは、はるさん。
はるさん:
・部活の合宿で先輩がくれたポッキンアイスの半分
(好きな人だったわけじゃないのに、何故か幸福だった…
ポッキンアイス。関西でいうところのチューペットですね。他にも色々呼び名はあるみたいですが。
パピコなんかもそうですが、あれらはもう「半分ずつに分けて食べる」という、文脈ごと販売してますよね。文脈販売。
先輩が好きな人ではない、というところが更にポイントが高い。
「おー、おつかれ。食う?はんぶん。…ほい。どう?もう慣れた?合宿。キツいやろ?でもそれが楽しかったりするねんなあ〜」
とか、なんとか言う先輩の横で食べるアイス。なんだかちょっと心細くて、疲れていて、暑くて。そんな中で、「気にかけてくれている」と分かる、言葉とアイス。ポテンシャル以上に美味い。ありがとう先輩。これは文脈アイスです。
お次は…
千鶴さん:
雪のちらつく学校からの帰り道、想いを寄せている男の子が自販機で買っておごってくれたバンホーテンのホットミルクココア。
(その自販機にはもう一種別のココアもあったんですが、「バンホーテンのほうがおいしいよ」って教えてくれた)
えーっそれは!それはどうなったの?どうなるのこの二人は!??!
もう既に、一緒に帰っている…!!
「俺、飲みもん買うわ」
「うん」
チャリ…ピッ、ガタッ…チャリ。
「…選んでええで」
「え?」
「好きなん、選び」
「えー、いいの?…えっと。じゃあ、ココア…」
「それやったらバンホーテンにしとき。こっちのが美味いから」
ガタン。
「はい」
「ありがと。…あったかい」
アツゥゥイ!!!
アツイわココアが!!!雪が二人の周りで溶けるとるわ!!!
ありがとうな若者!!つぎ!!!
実家放送局さん:
・友達の家で食べるカレーライス
・プールサイドで食べる焼きそば
・ちなみに『文脈たばこ』は「学生時代にナカムラにもらったマルメラ」
・ラブホテルで女性と食べるピザーラのピザ
オッ!ここにきて、初めてじゃないですか?男性の参戦。
お待ちしておりました、男性の文脈メシ。
わくわく。
「友達の家で食べるカレーライス」
「実家くん、今日うちで夕飯食べてったら?カレーしかないけど」
友だちのお母さんに言われて、夕飯にお呼ばれする。なんだかいつもの光景と違って、楽しくて、そわそわする。へえ、あいつ、家族とこんなふうにご飯食べてんだ。
「うま」
うちで食べるカレーとは全然違った。カレーって、家によってこんなに味が違うものなのか。特別な日の、特別なシチュエーションでのカレーは、僕の記憶に色濃く焼き付いた。
「プールサイドで食べる焼きそば」
「実家くん、なに食べる?あたし買うてくるわ」
「ありがとう。うーん、なんでもええで。めっちゃお腹すいたわ、俺」
水着姿の彼女が、財布を持ってプールサイドを歩いていく。
…ええな。
彼女に誘われたのでしぶしぶ来たけれど、正直、こんな人だらけのお遊戯プールに来て、何すんねんと思っていた。無駄に疲れるだけやろ、と。でも、お遊戯プールではしゃぐヒラヒラの水着を着た彼女を見て、俺は考えを改めた。
ええな、お遊戯プール。
「ただいまー。実家くんお腹すいた言うてたから、焼きそばにしたぁ」
「ありがとう」
プールサイドで食べる焼きそば。なんもしてへんのに、プールってなぜこうも腹が減るのだろう。ただの焼きそばが異常に美味い。隣のヒラヒラ人魚を見やりながら、今夜はもっとお腹のすくことをしよう、と俺は心に誓った。
…えっ??!!
ちょっとォォ!!!
さっきまでの!!!ピュアは???
ピュアはどこにいったの!?!?!?
ねえ?!私の中のオスが活き活きしちゃって!!!
もう止まらないんですが!?!?
「ちなみに『文脈たばこ』は『学生時代にナカムラにもらったマルメラ』」
いやどなた!!?ナカムラさんどなた!?!?
私喫煙者じゃないのでマルメラが分かりませんが、それはたんに、「ナカムラに貰ったマルメラ」が言いたいだけなのでは?「ナカムラに貰ったマルメラ吸ってチャルメラとカメラで俺キメラ, YO」みたいなことなのでは?
え?なに?違うって?すいませんYO。
「ラブホテルで女性と食べるピザーラのピザ」
あれっ??これは先程の??
プール帰りの実家さん、じゃないですか??
ヒラヒラ人魚と、ラブホテルで海中水泳してたんですか??それでまたお腹がすいたから、今度はピザを頼んだんですか??
「うまっ。やっぱ、腹が減ってる時のメシってうまいわ」
「それ、昼の焼きそばのときも同じこと言ってたぁ」
「いや、やっぱ空腹は最高の調味料やで」
「どっちのが、美味しい?」
「ん?」
「昼の焼きそばと、このピザ」
「えーっ、どっちも美味くて甲乙つけがた」
「そういうことじゃなくてさぁ」
「ん?」
「どっちの調味料の方が美味しい?って、聞いてんのー」
そう言いながら、彼女が俺の顔めがけて、例のヒラヒラ水着を投げつけてきた。塩素の匂いに混じって、彼女の匂いがふわっと漂う。
「どっちもーーーっ!!!」
そう言って俺は、顔面に水着をくっつけたまま彼女にダイブした。
オィィィィぃ!!!!!
オスな文脈メシが捗るなァァァ!?!?!
これはこれで楽しいなァァァ!!
…いやでもいい加減、ピュアな文脈メシ取り返そう、わたし…
ちょっと落ち着こう。
今回、次でラストだから。
Micaさん:
・夏の日の放課後、制服で食べる「ガツンとみかん」
来ました。みんな大好き青春。青い春の詰め合わせ。
「夏」「放課後」「制服」「アイス」「みかん色」
あります?ここまでの青春フルコース。
「あっつ。あっついわ!何で教室にクーラーないん?職員室だけクーラーあるとか、おかしいやろホンマ腹たつな」
不満そうにそう言ってアイスを食べながら、下敷きをバタバタ扇ぐ、女子高生グループ。中には、ブラウスの中に風を送り込む子もいる。なんなら、スカートのなかに風を送り込む猛者もいる。女子校なら、その割合がぐっとあがる。
「大人になったらクーラーの効いた部屋で、ゴディバ食べるんだ」なんて思いながら、かけがえのない青春はあっという間に過ぎる。そして大人になって、クーラーの効いた部屋でゴディバを食べながら、あの時のガツンとみかんを恋しく思ったりする。
*
と、いうわけで、今日もたくさん、ごちそうさまでした。
今回で終わるかと思ったんですが、実はまだ、つわものが後ろに控えていらっしゃるのです。ワーオ。というわけで、次回に続く予定です。
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【Special Thanks…実家放送局さん、千鶴さん、はるさん、Micaさん】
あなたが今、読みたいのは…
1.失恋の落ち込みの乗り越え方について
2.育児と女性のアイデンティティについて
3.「当たり前だと思うな」という親のセリフについて
4.いやむしろラジオを聴きたい
1.
2.
3.
3.
みなさま、ありがとうございました〜!!
ちなみに続きはこちら(最終回)