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寅年新年の風景            ~仙台伝統門松とお雑煮~

新年あけましておめでとうございます。

昨年の10月5日の投稿以来、ほぼ三ヶ月、取り込みがあって中断してしまいましたが、投稿する習慣が薄れて書き出すタイミングを失ってしまっていたことも事実です。

新しい年の元旦を期してまた少しずつ書き始めようと思います。たしか、何時も二十四節気か七十二侯から書き始めていたはずでした。定期的に書いてこそ意味があることでしたが、3月9日から書いていたので、一回りするまでは続けようと思います。この時期はあまり天気予報などでも話題にはならないような気がします。二十四節気では『冬至』、冬至は年をまたいでいたのです。

第六十六侯 『雪下出麦 ゆきわたりてむぎいずる』1月1日~5日                                              Wheat sprouts under snow 

ちょうど新年の時期と重なっています。これから立春までは一番寒い時期ではありますが、それでも雪の下では麦の芽が伸び始めている、かすかに春への兆しを表わしています。麦は越年草の代表で秋に発芽して年を越し、翌年実を結ぶと言うわけで、『年越草』とも呼ばれるようです。

´【年末の風景】                           仙台の繁華街の様子。昨年末とは雲泥の差で人出は増えているものの夕方でこの程度でした。ただ食品売り場のみが例外的に混み合っていました。アーケードの垂れ幕には、仙台伝統の初売りの案内がちらりと出ています。正月2日が当地では昔から初売りとしてにぎわいます。

一番町師走の

仙台伝統の門松】                          私が子供の頃は一般の家でも門の前に門松を立てていましたが、今ではデパートや会社などの入り口に限られるようになり、今ではほとんどの家では、玄関のドアに松飾りをかけるのが普通になってきています。その他に輪飾りと言って松の枝に御幣を付けたものを家のあちこちや、神棚に飾ります。松飾りは歳神様が降りてくる「依り代」となるものと言われています。

門松は普通に見られるものは太い竹の先を斜めに切り落としたものを3本まとめ、それに松や梅をあしらい松竹梅としたものが一般的で、一番目立つのは「竹」です。仙台でも以前はそうでしたが、                仙台では伝統的な松を中心にした鳥居のような大きな門松が飾られていたことが江戸時代の古文書や版画などで見られ、10年ほど前から仙台市博物館の学芸員さんたちが中心となりその復元に努めて成功し、博物館の他、藩祖伊達政宗公の霊廟である瑞鳳殿等に年末から飾られていたのですが、ここ2,3年で街中にも飾る活動が行なわれてきていると言う事で14か所ほどに飾られているようです。タイトルの写真が、ショッピングアーケードにある老舗の呉服屋さんに飾られた仙台伝統門松です(友人撮影)。このような門松が仙台城下のあらゆる入口に設置してあったことが分かったようです。

寅年正月】                                                                                                 何を隠そう、今年は年女と言うことで、ささやかに玄関にもお花と共に寅の飾りを設えました。折に触れて求めていたものです。五黄の寅年は次は36年後と言う事ですから、もう生きてはいないので今年は気合いを入れて過ごしたいと思っています(笑)右下が張子の虎、真中が虎の香合、左端は昨年の赤ベこ君見送りの図。敷いているのは虎模様の手拭い。

正月花と虎

【寅の事】虎は日本には生息していない動物ですが、化石は出るようで、かなり以前(一万年位)には棲んでいたようです。その勇猛さは武士の好むところだったようで、龍と共に絵画にもよくよく描かれています。(二条城や南禅寺、報恩寺などなど)

虎の張子

【仙台雑煮】関東や関西の方には珍しいと思うのでご紹介します。                            だいぶおせちは手抜きになりましたが、このお雑煮だけは心を込めて作ります。一般に東北のお雑煮はこの種のものが多いと思いますが、地域によって様々です。

①まずはお引き菜と言って野菜を千切りにします。我が家では、大根,人参、牛蒡、凍み豆腐など。これに糸こんを加える家庭もあるようです。

②千切りにしたらたっぷりのお湯で茹でます。火のとおりが違うので、それぞれ別々にお湯も変えた方がすっきりします。さっと水につけてざるに上げ,水気を絞り、大きなボールに一緒にしてさっくりとまんべんなく混ぜ合わせておきます。

、茹でところ仙台雑煮、プロセス

③ジッパー付き袋に入れて平らにして空気を抜き、冷凍します。人数に合わせて入れる量は調整しないと凍ったまま調理するので分けることが出来ませんので要注意です。昔は軒下などで凍らせたのですが今は冷凍しておきます。早めに準備して料理の効率化もあるかもしれませんし、冷凍して使うとしゃきしゃきして美味しいのです。

お雑煮の具の冷凍

④元旦の朝、鶏と鰹節で取ったお出しにお酒、好みでみりんを少し、塩、醤油で味付けします、お吸い物より若干濃いめに。煮立ったら冷凍の引き菜を投入、一度茹でてあるので、さっと煮れば充分です。野菜が入ると少し味が薄まりちょうど良い感じになります。

⑤盛り付けは焼いたお餅、カステラ蒲鉾、なると蒲鉾の薄切り、いくら、そしてたっぷりのセリを天盛りにします。我家では鶏を醤油とお酒、みりん少々で煮ておき、その煮汁を味付けに使い、鶏も入れます。でも生の鶏で出汁を取る家庭、鶏ガラでスープを取る家庭など色々です。

★伝統的な仙台雑煮は松島湾で捕れた焼きハゼで出汁を取ったものですが、今、特に震災以降焼きハゼが値上がりして、又量も減ってきました。

仙台雑煮

、上から仙台雑煮

と言うわけで、今年から少し簡潔にと思っていましたが、長くなってしまいました、お読みくださりありがとうございました。本年もよろしくお付き合いくださいませ。では今日はこれで。

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