FF7リメイク | FFを愛するファンの感想/レビュー
ひとことで言うなら「最高」、そして「作ってくれて、ありがとう」でした。
ファイナルファンタジー(Final Fantasy、以下FF)シリーズのファンなら絶対にプレイするべきだし、もう十年近くゲームを触っていないよという大人も(私もそういう世代です)、PS4を買って童心に帰って遊んでみてほしい。そして、FFシリーズを手にとったことがない、またオリジナルのFF7をやったことはないという若い方にも、ぜひ手にとってほしい。心からそう思える、FF愛がいっぱいに詰まった作品でした。
このnoteは、そんなファイナルファンタジーシリーズを愛してやまないファンの一人である私が、どうしても伝えたい思いを感想/レビュー記事としてまとめたものです。FFシリーズを愛する人に届き、少しでも共感してもらえたら嬉しいです。
(以下、少しだけ、このnoteを書く経緯の紹介です。感想/レビューのメインパートを読みたい人は次のセクションまですっ飛ばしてください…)
「FFシリーズを心から愛する人の感想が読みたい」
そう思って、ググってみたのがこのnoteを書くきっかけでした。(そもそも、この記事を書くためにnoteのアカウントを作りました笑)発売から約1週間かけてクリア。昔と違い、仕事の合間の時間を使いながらの大冒険でしたが、寄り道もたくさんしながら約30時間でエンディングへ。「あー、終わってしまった…」という喪失感が収まると、「きっと同世代、みんなプレイしているはず!みんなの感想はどうだったかな…?」と思い、気づけば「FF7リメイク 感想」とか「FF7リメイク レビュー」でググっていました。
そうすると、良くも悪くも、ゲームサイトのレビューや掲示板ばかりが目についたわけです。たしかに、ゲーム評論家やゲーム攻略サイトを運営する方達が書く記事は、きっと今からFF7リメイクをこれから買うかどうかを悩んでいる方には参考になるでしょう。中にはレビュー記事として中立的な立場で悪い点もまとめており、私自身「たしかにそこは残念だったよなー」と同意するところも多くありました。でも、何かちょっと違う。
そう、私が探していたのはもっと「FF愛に満ちた場所」だったのです。この気持ちを誰かに共有したい、そして読んでもらいたい。そして、そう思っているのは私だけではないかもしれない。「よし、そしたら自分みたいな人に読んでもらえるような感想/レビューを書こう」と思い立ったわけです。(つまり、これは完全に自己満足のための記事です、自覚しています笑)
FFシリーズを愛する私の感想/レビュー(ネタバレなし)
以下、いくつかのポイントに分けて感想/レビューをお届けします。オリジナルをプレイされたことがない方も想定しつつ、オリジナルとの比較も交えてまとめています。
良い点:
これこそFFと思わせる重厚なストーリー
魅力的なキャラクターとその表情
臨場感と没入感を生む、グラフィックとサウンドスケープ
進化したバトルシステム
悪い点:
ストーリーが冗長に感じる
満足度が高いゆえに、物足りない
*ここではネタバレない範囲での感想/レビューを取り上げています。プレイをすでにされている方は末尾の「【ネタバレ注意】感想/レビューの続き」もご覧ください。
良い点:
良い点:これこそFFと思わせる重厚なストーリー
私にとって、FFシリーズの醍醐味はなんと言っても濃厚なストーリーです。映画を観ているような、長編小説を読んでいるような。そんな冒険とファンタジーの世界に引き込んでくれるのがFFシリーズです。FF7も当然そこから漏れません。
魔晄という星のエネルギーを消費しながら生きる人類という、オリジナル版のリリース時である90年代の現実世界の環境意識の高まりともシンクロする設定。星を守る、市民を守る、家族を守る、仲間を守る、という異なる正義同士の戦いと葛藤。自分は一旦何者なのか、という自己探求。
オリジナルから10年以上が経つため、ストーリーの細部はかなり忘れた状態でリメイクをプレイしていたので、童心に帰りグイグイとストーリーに引き込まれていきました。そして、FF7リメイクはミッドガル脱出までという、オリジナルの1/5程度のストーリー進捗でしかないにも関わらず、一つの作品としてその重厚さを実現仕切ったことに、脱帽でした。
良い点:魅力的なキャラクターとその表情
FFシリーズの中で、FF7をFF7足らしめているものの一つは魅力的なキャラクターだと思います。主人公のクラウドはもちろん、それぞれのキャラクターに葛藤と成長のストーリーがあり、感情移入ができてしまいます。今回はミッドガル脱出までという限られた展開でありながらも、サブイベントや追加エピソードを通じて各キャラクターとより多くの時間を過ごすことができるため、物語の終盤に至るころには「仲間と旅している感」をとても強く感じました。
また、FF7では荒い3Dポリゴンでしかなかったキャラクターですが、最新のCG技術を駆使して作られた、キャラクターの表情の豊かさに終始驚かされました。クラウドの照れてちょっとはにかんだ表情や、ティファのエアリスに嫉妬するときの横顔など。昔は想像力を掻き立てながら、今きっとみんなこういう顔をしているんだろうなと思いながらプレイをしていましたが、その姿を最新のCGで観られるのはそれだけで楽しかったです。
そして、男性プレイヤーなら、ティファ、エアリス(そしてジェシー)の可愛さに悶絶するでしょう。後半の【ネタバレ注意】の感想/レビューでいくつか取り上げたいと思います笑
良い点:臨場感と没入感を生む、グラフィックとサウンドスケープ
オリジナルにはなく、今回のリメイクで一番進化した(もはや新生FF7といってもよい)部分は、やはりグラフィックとサウンドスケープです。グラフィックは画像や紹介動画を観ていただければと思いますが、とにかく細部までキレイ。ゲームってここまで進化しているんだーとストーリーとは別のところで感動します。
そして、ゲームを実際にプレイしてから驚いたのがサウンドスケープ。ゲーム冒頭(体験版の終わったあたり)で魔晄路が爆発したあとの街を歩くところから始まりますが、歩く毎に街中から様々な人の会話が聞こえきて、そこに街を生きる人のリアルが垣間見えます。過去のFFシリーズでは宝箱を探すためにマップの隅々まで歩くということをしていましたが、FF7リメイクではNPCの会話を聞くためにマップをフラフラするということを繰り返していました。
この壮大なグラフィックとサウンドスケープが「数百万人(?)が住むミッドガルという世界」をリアルにしています。開発チームがインタビューで「ミッドガルを感じてほしい」といっていたのはまさにここに集約されていると思いました。過去のFFシリーズでは、王国や大都市と言っておきながら、NPCや建物のグラフィックの数は限られ、大部分はユーザーの想像力に任されます。しかしFF7リメイクでは現実世界の大都市東京に匹敵するだけの都市と人口がそこに生きている、という感覚を植え付けてくれます。
良い点:進化したバトルシステム
最後に、進化したバトルシステムについて。FFシリーズでは毎回野心的なバトルシステムの変更の挑戦が行われますが、個人的には今回の新しいバトルシステムはすごくよかったです。きれいなグラフィックの街やダンジョンを歩きながら、シームレスにバトルに移行。キングダムハーツシリーズをプレイするような手軽さでかっこいい技をたくさん決めれて戦闘だけでストレス解消になります。
一方で、ただボタン連打していればいいかというとそんなことがないのが今回のバトルシステムのいいところです。相手の弱点に合わせて魔法やクラウド以外のキャラクターを選択しないと苦戦を強いられることが多いこと(特に中盤以降はそれができていないと結構難しい)。また、ザコ的からボスに至るまで、敵のアクションも豊富で、避けたりターゲットを絶えず変えながら戦わないといけないことなど。かなり忙しく、手と頭を使う必要があるのが逆に楽しいです。
序盤で「オートケアル」のマテリアルが手に入るので、それをメインキャラクター以外に装備するだけでだいぶストレスが変わるかと思います。また、他のFF X以外の作品ではあまり使っていませんでしたが、ヘイストやバリアーなどの補助魔法も積極的に使っていました。
悪い点:
感想/レビュー記事ということで、以下少しだけ悪い点もまとめておきます;
悪い点:ストーリーが冗長に感じる
私はミッドガル脱出までに絞る、という今回のリリース時の開発チームの決定は「英断」だったと思っています。ミッドガル脱出までという限られた体験時間の中で、上記の通り満足の行くゲームとして完成されています。
しかし、ミッドガル脱出までのストーリーはオリジナルであれば10時間程度で到達してしまうところです。そして、1つのゲーム作品としてユーザーの期待値を超えられるボリュームに増やそうとした結果、どうしてもパッチワーク的に付き足されたストーリーが浮いてしまい、一部が冗長に感じてしまうということは今回まったくないといえば嘘になります。
悪い点:満足度が高いゆえに、物足りない
何よりも、終わったあとに「物足りない」という感覚になってしまうのは素晴らしい反面、やはり残念な点かと思います。ストーリーとしては当然このあとまだ壮大な冒険が続くところで終わるので、早く続きをやりたいという焦燥感がピークになったところで生殺しのようになってしまいます。この仲間達と、世界観と、バトルシステムで、ミッドガルの外を早く旅したい!というところで終わってしまうのです。
また、随所にクエスト的なサブエピソードが散りばめられていますが、そのボリュームはそこまで多くはありません。あくまでメインストーリーの箸休め程度といったところです。いわゆるクリア後のやりこみ要素というものもそこまで多くありません。
私としては、今回のFF7リメイクはあくまで「FF7リメイクシリーズ」の序章だと信じています。新しいグラフィック、キャラクター、バトルシステムのお披露目の場。多少の自由度を削っても、まずはそのお披露目をしっかり観てほしいという位置づけの作品。そういった期待値で見る序章としては、オリジナルを損なうことなく、オリジナルを愛するファンの期待も超えてきた、素晴らしい作品であることは間違いありません。そして、続くミッドガルの外でのシリーズではたくさんのサブイベントやクエストが散りばめられた自由度の高いワールドが続くと期待しています。
最後に:FF7リメイクは開発者のFF愛に満ちた素晴らしい作品
最後に、この感想/レビューをスクエア・エニックスのゲーム開発チームの皆さんへの感謝で締めくくれればと思います。(お前は何様か笑、と思いましたがどうしても書きたかった…)
FF7という偉大な作品をリメイクすることのプレッシャーは半端なものではなかったと思います。私自身、本業の仕事では一般ユーザーさん向けのサービス開発提供を行っていますが、同じような立場だったら怖くて手を出せないと思います。世界中のファンに愛され、FFシリーズの中でも特に人気のFF7。失敗したら、ユーザーの期待に応えられなかったらどうしようという恐怖を乗り越えずに、この作品とシリーズが世に出ることはなかったと思います。本当にすごいことだと思います。
あらためて、感想を。ひとことで言うなら「最高」、そして「作ってくれて、ありがとう」でした。
一人のFFシリーズを愛するファンとして、応援しています。そして、願わくば、次のシリーズが早く出てくれること、そして最後までちゃんと出続けることを期待しています。私は5部作で1作8000円でも書い続けます!笑
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【ネタバレ注意】感想/レビューの続き
以下は、ネタバレありで、ゲームをクリアされた方、ある程度やりこまれた方と、「ここ、共感してほしい!」というポイントをまとめました。共感してもらえると嬉しいです。(随時、追加予定)
ミッドガル崩壊のリアルさに脱帽
各キャラクターへの感情移入、グラフィックとサウンドスケープ、これらが相まってミッドガルという世界観への没入感は半端なかったと思います。だからこそ、七番街がプレートの下敷きになる下りのリアルさが特に極まっているように感じました。
ミッドガルの外の世界を早くプレイしたい
神羅ビルでみれる神羅社紹介ムービーの中で古代種の生活を取り上げるシーンがありますが、おそらくそこが本当に初めてミッドガルの外にクラウド達がいる場面を想像させるところだったと記憶しています。そこを見た時、「あー、早くミッドガルの外でプレイしてみたい!」と思いました。
レノの再現度の高さと声優 藤原啓治さんの名演技
タークスのレノは好きなキャラクターの一人で、今回の藤原啓治さんのボイスもとてもあっていてまた好きになりました。そんな中、本作のリリース週にあたる、4/16に藤原啓治さんの訃報を聞きました。「お仕事の時間だぞ、と」、忘れません。ご冥福をお祈りいたします。
ティファ or エアリス、どちらを選ぶか10秒迷った
以下のシーンですね。
エアリス生存ルートは作られるのか
パラレルワールド説がネットで話題になっているようです。「フィーラーって原作にあったけ?」と思ったり、シナリオ最後の方「ザックスってここで生き残るんだっけ?」などと疑問に思っていましたが、ネットで丁寧な解説&考察記事が色々上がっていて楽しく読みました。「フィーラーは運命の番人」であり、プレイヤー自身、なるほど。
メインストーリーは下手に弄らないでほしいという気持ちも当然ありつつ、それでも、スクエニ開発チームにはぜひ挑戦してほしい!エアリスと一緒に旅したい!
*掲載写真は公式HPプレスキットの写真と一部ゲーム動画スクショ写真を使用しています。
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