最小単位 #未来のためにできること

「先生、単語は言葉の最小単位なんですよね?」
私は個別指導塾で国語の講師をしている。
今日は中1の文法の授業、言葉の単位についての学習だ。
文章、段落、文、文節、単語・・・。
単語はこれ以上切ることができない言葉の最小単位。

最小単位とはいったい何か?
最小の反対語は最大。大きなテーマを思い浮かべる。
溢れるごみ、フードロス、CO2の増加、エネルギーの大量消費。
聞き慣れた多くの言葉たちが私の脳裏をかすめ、無造作に通り過ぎていく。
いよいよ、ミニマリズムの時代が本格到来する。

余分な贅肉を削ぎ落とし、極限までスリム化する。
必要最低限のモノに囲まれ、心地よい暮らしを送る。
ライフスタイル、アート、建築、音楽・・・。
さまざまな場面での表現方法は数知れず。
ミニマムは何を映し出すのか?

宇宙船地球号。
誰もが1度は聞いたことがある言葉のはず。
その乗組員の私たち。
この世に生まれ出て気が付けば
その船の1人1人が最小単位。

船長はいないけれど
民主主義の多数決の原理だけで
自由自在に
好き勝手な方向に
都合のいい海原を目指して進んでいく。

ロシアとウクライナ間の戦争
イラク・シリア・トルコの紛争
ミャンマーやイエメンの内戦
アフガニスタンの情勢
人の命を侵食する激しい戦いが日々続く。

今年5月生まれて初めての入院。
44年も付き合ってきた
子宮に別れを告げる。
子宮腺筋症、子宮筋腫との長年の戦い。
苦しいのは自分だけではないのを思い知る。

嫌いな採血や点滴と注射、
術後の経過触診の不安な日々。
決して美味いとは言えない、病院食とのにらめっこ。
見舞いに来た家族や親戚と
医師、看護師、自分に関わる全ての病院スタッフに
頭が下がる想いの中。

知ったのは、子宮ガン患者の多さ。
当然のように、頭にタオルをターバンのように巻き、
ほとんどの患者が抗がん剤を投与されていた。
入退院を繰り返し、病院が職場か学校のようだった。
「また来週待ってるね。」看護師が優しく手を振る。

女性の約8割が子宮内膜症にかかっており、
そのうちの約2割が、将来ガンになるという現実。
子宮を一部、もしくは全摘出する人。
取れば解決する問題ではない。
転移の怖さは背後から忍び寄る。

入院、手術はもちろん、
女性ではなくなるかもという不安。
誰にも相談できなくて
言葉にできない悩みと悲しみが聞こえる。

子宮全摘出した私だから
誰にもできる体験じゃないから。
伝えていくこと
発信し続けること
これが私流、社会貢献の最小単位。




















いいなと思ったら応援しよう!