正宗十哲展に行ったはなし。
京極正宗と言えば去年Togetterで最も人気を博したまとめで有名ですよね。去年の石川には行けなかったんですぐに目にする機会があって嬉しいです。
――ってこれ光悦展・金色堂展と同じ日に行ったんですけどね!!
私と刀剣博物館
過去記事を舐めるようにチェックしてくださった奇特な方ならお気づきでしょうが、私は刀剣乱舞のプレイヤー、通称「審神者」です。
ゲーム開始当初はガラスペンにカネを吸われまくる前だったので、リアル日本刀の展示を見に行ったり書籍を買ったり参宮橋にあった頃の刀剣博物館で観賞講座を受けたりしました。リアル虎徹やリアル安綱を手にして観賞したのってすごく貴重な体験だったよなぁ。
私的には参宮橋の方が行きやすかったので両国への移転は正直残念だったのですが、いざ新しい博物館に行ってみると手狭感がなくて売店も奇麗になってて素直に「良かったね」って気持ちです。
正宗以前
テーマは「正宗十哲」ですが、正宗より前に相州(相模、つまり現在の神奈川県の大部分と静岡の一部)に来た刀工や正宗本人の作品も展示されています。
正宗の先人たちの作品では国宝の国宗の太刀が個人的にいちばん好きです。
正宗の刀剣
一番の目的・京極正宗は残念ながら写真撮影不可でしたが、展示室入口のいちばん目立つところにありました。短刀としてもけっこう小ぶりですが、地金が目立って印象的でした。
その他の正宗で印象に残ったのは伏見正宗。とにかくキラキラ、すごいキラキラ。めっちゃキラキラでこちらを圧倒してきました。
正宗十哲の刀剣
さて展覧会のタイトルになっている正宗十哲ですが、人数も展示数も当然多いので、特に好きな展示品をピックアップします。
来国次の太刀はとにかく地金が明るいのが印象的でした。刀ってみんなギラギラしてるのでは? って思いがちなんですが、意外とそうでもないんですよね。
審神者的にはへし切長谷部で有名な長谷部国重の脇指は二振りありましたが、やはりインパクトあるのは皆焼のほう。帽子の部分をアップにすると地金にも白っぽい焼きが飛んでるのがよく判ります。日本刀をあまり観賞しない人だと一般的な刀のイメージとかけ離れてると思うのでは?
この則重の太刀は松皮肌だと解説にありました。日本刀の「○○肌」っていうのは超ざっくり言うと刀身全体に現れる特徴のことです。
松皮肌をなるべく専門用語使わないで説明すると、「目立つ線状の模様が木材の板目のように大きくうねっていて、ところどころ年輪みたいに巻いてるところもある」という感じ。これが肉眼ではっきり判るのですね。
○○肌って素人の私は未だに混乱するので、これぐらい判りやすいとちょっと感動します。
貞宗の刀剣
展示は正宗の正当後継者・貞宗の紹介で終わっています。展示の中でも気に入ったのは、朱判貞宗の物打の刃文です。
刀剣男士のモデルとなった刀剣
この展覧会には刀剣男士のモデルになった刀剣が数振り展示されています。
せんぱいこと稲葉江めちゃくちゃ良かった……。堂々としてて刃文も輝いてて……ああ無念の撮影不可。
江雪左文字はふくやま美術館で見たことがあります。男士の江雪は戦い嫌いですけど、実際の江雪左文字は「斬るぞ」って感じの迫力あるんですよね。
太閤左文字は刃文がきらきら目立って奇麗な短刀です。過去に小夜左文字を所有してる方が講演会で酸っぱいブドウしてたのを思い出します。
その他
古文書や押形、拵も多く展示されていました。拵は図録の該当する刀のページに載っていますが、古文書は載っていません。
図録
刀剣博物館ぶんの図録はかなり早い段階で売り切れてまして、ふくやま美術館ぶんを通販しました。
※現在はこちらも通販終了しています。
通販受付はふくやま美術館での展覧会開始日から、しかも電話かメールで在庫確認のうえ現金書留で代金支払い、というネット通販の普及した今ではめっちゃレガシーな方法です。
刀剣博物館とふくやま美術館では展示される刀が若干異なるのですが、図録ではすべて網羅されています。解説文も展示と一緒。押形と写真の両方が掲載され、拵がある場合はその写真もあります。論文も読み応えあるものばかりです。
図録にも巻末に用語解説はあるのですが、見開き2ページだけなので、下記サイトにずいぶん助けられました。刀剣観賞にご興味ある方は是非どうぞ。
刀の感想がある記事
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