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027 自分ごととしてのエネルギー①
私立大学の観光学部が、千葉県鴨川市から撤退します。
撤退あとは、どうなるんだろうか。
そこに、地域活性化に貢献する、こんな学校ができたらいいのにという妄想です。
引き続き、地域活性化を学ぶためのテーマを考えていきます。
漏れ出すお金
以前、地域からお金が漏れ出す原因としてエネルギー代金を取り上げました。
日本の家庭や産業で使用するエネルギーは、多くを石油や天然ガスなどの化石燃料に頼っています。
日本ではほとんど化石燃料を採掘することはできないので、海外からの輸入に頼っています。
輸入した石油を精製して、ガソリンや灯油などの製品にしているのは大企業です。
石油や天然ガスから発電して地域に送電しているのも大企業です。
そしてボクたちの家庭は、そうしたエネルギーを購入して利用しているのですが、そこで支払ったお金は、地域の外へと漏れ出していきます。
もしこのお金を少しでも減らすことができれば、地域の中で循環するお金を増やすことができます。
地域の外へ漏れ出すお金を減らすことが、地域の活性化の一助となるのです。
エネルギーの基本を理解する
普段なにげなく使っている『エネルギー』という言葉。
あらためて、「エネルギーとはなんですか」、と質問されたら、皆さんはどう答えますか。
一般には、「仕事を生みだす能力」をエネルギーと呼んでいます。
モーターで物を動かすことが出来る電気エネルギー。
水を沸騰させ水蒸気で風車を回すことができる熱エネルギー。
光電池にあてると電気を発生してモータを動かすことのできる光エネルギー。
油やガスのように燃焼という化学変化を起こすことで熱を発生する化学エネルギー。
これらすべては、仕事を生みだすことができるエネルギーなのです。
ただ人によって、場面によって、エネルギーという言葉で伝えようとする意味は違ってきます。
そのことを理解するために、エネルギーチェーンを見てみます。
出典:資源エネルギー庁『エネルギー白書2013』
エネルギー源を指すときは、石油、天然ガス、石炭、ウランを意味しています。
これらのエネルギー源を燃やしたり、蒸留したり、反応させたりすることで、ボクたちが使うエネルギーに変換しています。
それは、電気やガス、あるいはガソリンや灯油などの石油製品であったりします。
エネルギー源として、どのような構成になっているかを見てみます。
出典:資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』
石炭、石油、液化天然ガス(LNG)が化石燃料になりますが、85%の依存度になっています。
東日本大震災のあと原子力発電が大幅に減ったため、化石燃料と再生可能エネルギーでカバーしているのです。
いっぽうでエネルギーを消費する側で見てみると、どうでしょうか。
出典:資源エネルギー庁『エネルギー白書2021』
右側の最終消費エネルギーというところを見ます。
ボクたちの家庭では、ほぼ半分が電力です。残りの半分を都市ガスと石油製品で賄っています。
運輸というのは、自動車や船、飛行機などで消費されるエネルギーです。石油製品がなければ成り立たない世界です。
今後、電気自動車が普及していくと、たしかに最終消費の段階ではガソリンなどの石油製品から電力へとシフトするでしょう。
しかし、おおもとのエネルギー源では85%を化石燃料に依存しているのです。つまり最終消費で電力に切り替わったとしても、エネルギー源で再生可能エネルギーや原子力の割合が増えない限り、化石燃料を消費する割合は変わらないのです。この点は、誤解しないようにしたいところです。
エンジンとモーターを併用するハイブリッド自動車より、電気自動車のほうが二酸化炭素排出量としては良いのだという短絡的な意見があります。
おおもとのエネルギー源の85%を化石燃料に依存している日本では、必ずしもそうは言いきれないのです。
さらにおおもとのエネルギー源を、最終エネルギー消費に変える変換効率で考えた場合、ハイブリッド自動車の変換効率は火力発電の変換効率に匹敵すると言われます。その場合には、ハイブリッド自動車を電気自動車に変えたから、二酸化炭素排出量が本当に減るのかということは、もっと丁寧に議論されるべきだと思います。
エネルギー源から最終消費エネルギーまでの全体バランスを考えるということが、「エネルギーの基本」です。
再生可能エネルギー
最近、いろいろなニュースで目にする『再生可能エネルギー』。
そもそも、再生可能とはどういう意味なのでしょうか。
いったん消費したエネルギーが、復活する(再生する)という意味ではありません。
地球の歴史の中で非常に長い年月をかけて蓄積された化石燃料は、いったん利用されてしまえば、自然界で補充されることはありません。
いっぽうで太陽光は、太陽光で発電したとしても、太陽が消滅しない限り、毎日毎日、朝を迎えれば再び発電することできます。
このように、利用する以上の速度で、自然界によって補充されるという意味で、再生可能と呼ばれています。
再生可能エネルギーを考える上で、まずは電気を生み出す発電について考えていきます。
電気をつくる仕組みは大きく2種類です。
一つは発電機です。
ものすごく簡単に言ってしまえば、電気のエネルギーを回転する力に変えているのがモーターであれば、回転する力を電気のエネルギーに変えているのが発電機です。
どちらも同じ電磁誘導という原理を使っています。
回転する力をどのように生み出すかによって、さまざまな発電システムがあります。
火力発電では、ボイラーで高圧の蒸気を発生させて、その力でタービン(羽根車)を回して発電しています。最近では、天然ガスなどの燃料を燃やして温度の高い燃焼ガスをつくり、その力を使ってガスタービンを回し、そのあとに高温の燃焼ガスの熱を利用して蒸気を発生させてタービンを回すコンバインドサイクル発電という方式が採用されています。
原子力発電でも基本的には同じで、核燃料が分裂する際の熱を利用して蒸気を発生させて、その力でタービンを回して発電しています。
水力発電では、水が高いところから低いところへ落ちるときの力を使って水車を回して発電しています。
風力発電では、風の力で風車を回して発電しています。
これらはどれも、回転する力から電気を生み出しています。
もう一つは半導体です。
金属などのように電気をよく通す「導体」と、電気を全く通さない「絶縁体」の中間の性質をもつ物質が「半導体」です。
その半導体の特徴を利用して、太陽光のエネルギーから電気のエネルギーに変えているのが太陽光発電です。
こうした発電方法のうち、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電などは、再生可能エネルギーとして扱われます。
大型ダムによる水力発電は、それだけでもエネルギー構成の3~4%を占めるので、再生可能エネルギーの集計からは切り出されることが多く、比較的規模の小さな水力発電(小水力発電)のみを含めることが多いです。
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