008 毎年1%が
地域の「今」が分かったら、次は「推移」を調べてみます。
過去の推移を理解することで、未来に向かっての示唆を得ることができるから。
人口の推移を調べる前に、まず人口動態というものを調べてみます。
人口動態とは、ある一定期間での人口の変動を示したものです。通常は1年の増減を示しています。
人口動態には、出生や死亡などによる自然動態と、自治体への転入や自治体からの転出による社会動態があります。
再び鴨川市の令和2年版の統計資料を開いてみましょう。
http://www.city.kamogawa.lg.jp/gyoseijoho/tokei_johokokai_kojinjohohogo/tokeijoho/1617244750778.html
鴨川市での令和2年の出生数は189人。いっぽうの死亡数は532人。自然動態は、▲343人の自然減になっています。
鴨川市への転入数は1,392人で、転出数は1,432人。社会動態は、▲40人の社会減になっています。
鴨川市の令和2年の人口動態は▲383人で、全人口の1.2%である400人弱の人口が毎年減っているということです。その大きな要因は、出生数と死亡数の差である自然動態によるものです。
そうした背景を理解した上で、過去の人口推移をグラフで表してみましょう。
1970年代には43,000人だった人口は、この50年間でほぼ1万人減ってしまいました。
1990年代前半までは40,000人ほどでなんとかこらえていましたが、1995年以降は右肩下がりで人口が減っていることが分かります。
日本全体では、1970年に65歳以上の高齢者の割合が7%を超えて「高齢化社会」に突入しました。その後、1994年に高齢者の割合が14%を超えて「高齢社会」となりました。そして2007年には高齢者の割合が21%を超えて「超高齢社会」となっています。
鴨川市の人口の減少割合が1995年以降に大きくなっているのは、日本が「高齢社会」になったのと同じころだったのです。
前回で示した人口ピラミッドを見ても分かるように、平成27年時点で65から69歳であった団塊の世代が、令和の時代になって75歳以上の後期高齢者になってきています。
出生数と死亡数の差が縮まることはなく、移住してくる人が突然増えでもしない限り、今後も人口減は続いていくこととなります。
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