続ステップファミリー・ステップ
一年前の夏に「ステップファミリー・ステップ」という文章を書いた。自然が多い土地に一泊旅した時のことで、その時に刻まれた充実した記憶の再生のため、どこかに旅したかったのだ。
週末、四国の川沿いにいた。私の希望を起点と軸に、彼が三者三様の希望と制約を織り交ぜて、ひとつの旅行プランとして落とし込み、諸々の手配を済ませてくれた。
相変わらずステップな家族の在りようは、難しい。良い癖も悪い癖も、身体と記憶にしっかり刻まれてしまっていているが、見たいのは自分にとって新しい世界。難しいけど、だいたいのほころびは、対話の不足からきている気がする。新しい世界は、事勿れのうわべの会話では見えない、ボロボロにぶつかりあった先に見える。
薪で焚かれた薬草の香りが充満するサウナで温めた体を、10月末の冷たい川に脳天ごと冷やして浮かんだ