事情や立場が変わったら言うことやることが変わるのは当然なのよ / ドラマ『隣の家族は青く見える』
2018年のフジテレビドラマ
『隣の家族は青く見える』
リアルタイムで見ていて、大好きだった。
いろんな愛に溢れた素敵なドラマだった。
録画が消せなくて、まだテレビに残っている。
主演は、深田恭子と松山ケンイチ。
メインは不妊治療に励む夫婦だが、他にも事実婚、ゲイカップル、専業主婦と大企業サラリーマン(やりがいを求めて退職)の子育て夫婦、デキ婚など、いろんな形の「家族の在り方」が見られるドラマだった。
こんなに色々詰め込んでいるのに全然散らかっていなくて、綺麗に話がまとまっているからスゴイ。
特に印象に残っているのは、第8話。
大器(演・松山ケンイチ)の母親(演・高畑淳子)のセリフだ。
細かい説明は省くが、簡単にいうと
母親が意見をコロッと変えたシーン。
出産直後なのに子供を保育園に預けて働こうとする娘(演・伊藤沙莉)に対して「乳児を預けてまで働くなんて!」という意見だったのだが、嫁づて(嫁=深田恭子)に娘の本音を聞いた瞬間こう言う。
あっさり手のひら返しをする母。笑
これを聞いた大器は、「何だよそれ。こないだと言ってること全然真逆じゃん」とツッコむ。
すると、母親はこう返す。
もちろんケースバイケースだけど、こうやって状況が変わった途端に意見をコロッと変えられる人、私は結構好き。笑
「今までの意見と真逆になるからカッコ悪い、恥ずかしい」とか変なプライドがなくて、「だって事情が変わったんだから仕方ないじゃん〜」って開き直ってる感じで。
良く言えば…柔軟性、合理的?
悪く言えば…現金な人?
その後のお母さんのセリフ。
「多様性」がテーマのドラマなので、これが一番メッセージ性のあるセリフだったのではないかと思った。
実際、このドラマを見ている時、私はまだ妊娠出産も経験していなかったので、このドラマを通して不妊治療について色々学べたし、事実婚、ゲイカップルなどの悩みや苦労についても初めて興味を持った気がする。
とはいえ、フィクションとして綺麗に加工された状態でなんとなーく知れただけで、当事者のリアルな悩みや現状など、本当の意味で理解はできなかったし、今だって全然理解できていない。
本当に、この言葉に尽きる。
でも、分からないから諦めるんじゃなくて、その前の言葉のほうを大事にしたいなぁと思う。
違う立場の人のことも理解して思いやれる人(理想)に近づけるように、せめて意識や努力はしたい。
別の事情を知ったとたん、自分へのつまらんプライドはあっさり捨てて、状況に合わせてコロッと意見を変えられる、良い意味での手のひら返しができちゃう人になりたい。