多変数微分積分学?を恋愛に応用している超クールな人がいた / Netflix『ラブ・イズ・ブラインド』シーズン5
Netflixの『LOVE IS BLIND』(ラブ・イズ・ブラインド)が好きでちょくちょく見ている。
結婚を希望する男女が壁で隔たれたポッドと呼ばれる個室で数日かけて会話をしてお互いを知っていく。外見を見ることなく中身だけで恋に落ちた2人の愛は本物か?を試すリアリティ実験番組。
たくさんの人と色んな会話をする中で、「この人しかいない!」と心が決まったら、顔を見ることなくプロポーズ。
婚約したら、ようやくご対面。
(顔を見て婚約破棄する人はほぼいない。破棄したカップルがカットされてるだけかもしれないけど)
その後ハネムーン、同棲、結婚式。
たったの1ヶ月でこれを全部やる。笑
(どうしても合わないと分かって途中で別れる場合もある)
結婚式の祭壇での「誓いますか?」が本当の本当のラストチャンスであり、実験のクライマックス。
お互いが「YES」であれば本当に結婚するし、どちらかだけでも「NO」を言ったら結婚はできない。
NOが出た場合、式にお互いの家族友人を呼んでるのでけっこう気まずい。笑
そんな番組なのだが、最近見たアメリカのシーズン5(2023)で、すごく知的でカッコいい返しをしていた人がいたのでここに記録しておく。
登場人物は、
①ミルトン(24歳)エンジニア
②ウチェ(33歳)弁護士
説明すると長くなるので詳細は省くが、
ミルトンはA子と婚約中。
ウチェは実験前の現実世界でのA子の元カレ。
未練なのか嫉妬なのかなんなのか、ウチェはA子にされた嫌なことの話をしたり、2人の関係を疑うようなことを色々と言ってくる。ミルトンは彼の話を静かに聴いていたが、あるタイミングでウチェを遮って淡々と話し出す。
そのときの2人の会話。
ミルトーーーン!!!!
惚れてまうやろーーー!!!
いや、視聴者全員、惚れたよね。
ミルトンの株爆上がり。
何だこのカッコいい知的な返しは!
カッコよすぎない!?
「ピタゴラスの定理じゃなくて多変数微分積分学だよ」って何!?どういうこと!?ウチェ、頷いてたけど絶対理解できてないよね!?
微分積分を恋愛に応用してる人初めて見たわ。
そもそも多変数微分積分学がなんなのか分からん。
数学って、こんな場面でも応用できるんだ。
勉強って、こういう時にこそ役立つんだ。
そして、こういうふうにサラッと出してくる感じがイケメン!やっぱり頭がいい人ってカッコいい!(単純)
このシーンを見て、私はとてもとても感動した。
特に、ミルトンは24歳で一番若いメンバーで、周りの人からも「24歳で結婚の何が分かるの?」と若干舐められていた。ガキンチョ扱い。
ちなみに婚約相手の女性も30歳でちょくちょくミルトンをガキ扱いしてイジっていた。ミルトンも年寄り扱いのジョークで返してたけどw
一方、ウチェは33歳で、弁護士。
冷静で穏やかな感じで、良い人そうに思えた。
弁護士だし、話も論理的に思えた。はじめは。
そのフリが余計に効いた。
見事に大逆転。
逆転勝ち!
思い込みって怖いなとこの番組を見るたびにつくづく思う。
誠実そうに見えた人が最後まで本当に誠実というケースももちろんあるけれど
誠実そうに見えて実は口だけだったり
軽そうに見えた人が意外とマジメだったり
嫌なやつに見えてやっぱり嫌なやつだったり
あらゆるパターンがあって、最初の自分の勘は全然当てにならなくて、おもしろい。
「このカップルはうまくいきそう」
「このカップルは別れそう」
「この人はNOって言いそう」
「この人はYESだ」
という予想も全然合ってなかったりする。
(意図的に、視聴者の予想を裏切るような編集をしてるんだろうけど)
そして、内面を知れば知るほど色んな顔が見えてきて、内面を好きになればなるほど、外見の第一印象が微妙だった人でも、どんどんカッコよく見えてくる。
反対に、どれだけルックスがイケメンでも、好きじゃないと思った人は全くカッコよく見えなくなってくる。
自分の見え方がどんどん変わっていく感じが
とてもおもしろい。
まさにLOVE IS BLIND.(恋は盲目)
客観的に見ている私でさえこうなら、当事者たちはそりゃあ盲目になるだろうと思う。
そしてたまに、ミルトンみたいな人間的に超クールな人も現れて、恋愛結婚だけじゃなく、人として勉強になる言動をたくさん見ることができる。
異文化や日本人にはあまりない価値観やコミュニケーションの仕方も知れて、とてもおもしろい。
そして何より、美男美女でも人間関係で苦戦するんだなって、人間の魅力ってやっぱり外見だけじゃないよなって、たくさんのことを学べる。
ミルトンは最後、本当に結婚した。
邪魔をしてくるやつの悪意ある言葉にも惑わされず、自分の心と相手を信じて、幸せになった。
1年半後の同窓会(振り返り)のエピソードも見たが、2人は変わらずラブラブで、司会者もミルトンのクールな返しを絶賛して拍手を送っていた。
「あなたが一番大人だったわね」と。
年齢や職業などの数字や肩書きは、人間としての成熟度には全く関係ない、ということを改めて思い知らせてくれた素晴らしい回だった。
ありがとうミルトン。
お幸せに。
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