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過去・現在・未来〜宮原健斗に全部任せておけ!〜全日本プロレス王道トーナメント覇者

8月20日の準決勝決勝をもって全日本プロレス第9回王道トーナメントは幕を閉じました。王道トーナメントを制し9月18日の日本武道館大会で諏訪魔の持つ三冠に挑戦することになったのは宮原健斗となりました。今回の王道トーナメントを振り返ると初戦から最後まで話題を振りまき、またコントロールしたのは宮原だったのかもしれません。

一回戦の相手はTARU。VOODOO-MURDERS加入をTARUや諏訪魔から促された宮原。TARUに勝利後、リング上では同じNEXTREAMのライジングHAYATOを蹴り飛ばしVOODOO-MURDERS加入かと観客を驚かせるも。握手を求める諏訪魔をも蹴り飛ばし「ブードゥーに入るかばかー」「だまされたー」の発言。ファンも対戦相手も手のひらの上で転がしたのは宮原でした。


二回戦はサイラスが相手。7月から全日本に参戦した198cm164kgの超大型選手です。久しぶりのヘビー級外国人選手ということもあり王道トーナメントでは「サイラスをどうやって攻略するか」が一つの注目でした。数々のパワー殺法を跳ね返し、最後は鮮やかなジャックナイフで丸め込みで宮原が勝利。パワーを技で切り返す勝利でした。


準決勝では新日本から参戦した永田裕志と対戦。永田に優勝を許せば日本武道館のメインイベンターが新日本に奪われる。それは全日本としても絶対に防ぐ必要がありました。しかし永田もこのトーナメントに向けてコンディションは整えてきました。試合終盤で見せてナガタロック2は宮原あわやギブアップかと思わせる力強さがありました。それらをすべて受けきった宮原。最後は相手のお株を奪う敬礼ポーズから力づくで首固めに押さえて宮原が勝利。


そして迎えた決勝戦。相手は宮原のライバルとして成長した前三冠王者のジェイク・リー。セコンド乱入によって不本意な形でベルトを奪われたジェイクとしては、なんとしても諏訪魔に再挑戦を果たしたいところでした。そうしたジェイクをあざ笑うかの如く強さを見せた宮原。ジェイクが準決勝の大森隆男戦で痛めた足を気にする素振りはありましたが、宮原はそこへの攻めは行わず、あくまで自分の型で試合を進めます。エプロンでのパイルドライバーを始めとした頭部への攻撃でシャットダウンスープレックスに繋げようとする宮原。ジェイクもレフェリーをも騙す死んだふりからの攻撃で宮原を攻めて必殺のD4Cを繰り出しますが、これはカバーがわずかに遅れ3カウントを奪えず。ジェイクは攻撃を続けますが宮原がブラックアウト2連発で形勢逆転。ジェイクの背後をとる宮原。そしてリング中央でジェイクを発射台に捉え、シャットダウンスープレックスを発射。見事3カウントを奪い宮原が優勝しました。


思えば6月にジェイクに敗れて三冠を手放した宮原。ジェイクの防衛が続けば宮原の三冠への挑戦はもっと後になるはずでした。挑戦者の列としては後半に位置づけられたはずです。しかし王道トーナメント制覇をもって三冠への道を力づくで宮原は奪い取りました。また王道トーナメント自体でも話題を振りまき「全日本の中心は俺だ」と訴えるかのような活躍でした。そして宮原は決勝のリング上で諏訪魔を呼び込み堂々と三冠挑戦、そして日本武道館メインどりを宣言しました。

今回の全日本の日本武道館大会は創立50周年を祝うメモリアルな大会です。50年続いた歴史。今の戦い。そして未来に向けた光景。メモリアル大会だからこそ求められる要素は多いです。それだけにメインイベンターへの期待や要求もまた高いでしょう。しかしきっと大丈夫です。宮原は「全日本プロレスの過去も今も未来も全部俺が背負う」。そう力強く宣言しました。宮原健斗がいれば全日本プロレスは大丈夫。そうした気持ちをますます強くさせてくれました。

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