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12.22LIMIT BREAK〜とても美味しい「こういうのが良いんだよ」というカツ丼

みなさんはカツ丼が好きですか?肉が嫌いな人以外でカツ丼が嫌いという人はあまりいないでしょう。ちなみにぼくは大好きです。

美味しいカツ丼を作るために必要な素材は豚肉、卵、パン粉、米、玉ねぎ、タレ…。サイドは漬物に味噌汁といったところでしょうか?コース料理に比べればそれは決して多くありません。しかし、しっかりとした素材を集めれば?腕のある料理人が調理すれば?コース料理をも凌ぐカツ丼が完成する。

カツ丼の話が長くなりすぎましたが、この日の大会(いや今年始まったLIMIT BREAKそのものが)はまさにそうした「コース料理をも凌ぐカツ丼」でした。

第一試合の若手同士のバチバチとした戦い。第二試合の明るくそれでいて観客に「笑われる」のではなく。観客を「笑わせる」試合でリズムを変え。第三試合はベテランがしっかりと試合をコントロールする安定した6人タッグマッチ。

休憩明け直後の第四試合。ヘビー級が揃うタッグマッチが「THE プロレス」という内容を観客に見せつけて一気にスイッチを入れると。その対比となるセミファイナルは、ハイフライにもハードヒットにもテクニカルにもよらず、間を活かした実力者同士の白熱したシングルマッチ。

いよいよメインイベント。今年輝きを取り戻した。いや輝きを増した潮崎豪が世界ヘビー級王者として、挑戦者松永準也を迎え撃ちます。お互いに体をさらし、逃げずにぶつかり合う。アップテンポでもなければ切り返しの頻度が高いわけではない。ある種の原始的な戦い。そうであっても新木場という小さな。しかしどの席からでも臨場感をもって観戦できる箱の持つ引力も作用し。観客のボルテージがLIMIT BREAKしました。試合は潮崎が松永を豪腕ラリアットで下し王座防衛。試合後に観客から大松永コールが発生したように。この試合は松永の良さが最大限に発揮され。そして相手を光らせ自分が更に輝くという潮崎の力を見せつけた試合でもありました。フィニッシュの豪腕ラリアットはさしずめ究極の活人剣たるマッスル・スパークとも言えるでしょう。

メインイベントがどっしり分厚い肉として存在感を示し。しかし一方でメインイベントに至る試合も。玉ねぎはタレの味が染みつつも、シャッキリとした食感を残し。卵はふんわり全体をまとめ、それでいてタレともマッチし。箸休めの漬物や味噌汁は肉の脂を時折消し、もう一口を促す作用をする。まさに絶品のカツ丼がそこにはありました。

玉ねぎを取っ払ってエビフライを追加する。味噌汁を豚汁する。そうであったら単なるしつこい料理になり。この旨さは存在しなかったでしょう。たとえ素材が少なくとも。効果で派手な素材がなくとも。それぞれの素材が役割をしっかり活かし、そうしてバトンを引き継いだメインが期待通りの肉として存在感を出すことができれば?コース料理に負けないカツ丼が誕生します。

そうすると「こういうのが良いんだよ!」と観客が感じて、しっかりついてきます。ノアにおけるユニット興行がここまでしっかり継続できた理由。それはまさに興行全体のバランスの良さとエース潮崎豪の輝きによるものでしょう。来年もきっとLIMIT BREAKは面白そうです!「こういうのが良いんだよ!」と言いたい人は是非是非観戦or視聴してみてください!




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