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10代4人との毎日にくらくらしながら春休みに唯一読んだのは懐かしの「ホットロード」でした

新学期がようやく始まりました。長期休みはお手伝い表を作り、1回50円でバイトをしてもらうのが習わしの我が家。いつもの定額制に加えて出来高制も導入。働き手がたくさんいて助かりますが、荒稼ぎの輩も出るのできょうだいで目を光らせ、牽制し合って熱くなったりもします。毎回、末っ子が現場監督となり、シールを貼って、ちょっとしかやっていないよ、と口うるさく指示しています。

ガミガミ疲れの春休み真っ最中に、唯一読んだのは、あの懐かしの「ホットロード」でした。30数年前に流行った漫画です。数年前に映画化された時に出版したものを本屋で見つけて、手に取りました。

表紙は能年玲奈ちゃんと登坂広臣くんの雰囲気たっぷりな写真。玲奈ちゃん、そのまんま和希ですね。登坂くんは少し大人な感じがしないでもないですがイケメン感が春山でした。

舞台は横浜なんですね。木曜日さんのホームじゃないですか。当時は凄かったですか?

調べてみると、主題歌は尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」。もう最高!久しぶりに聴いて浸りましたよ。

中学卒業式の打ち上げで皆で歌った「卒業」が甦りました。あの頃は熱いエネルギーを発散する場が確かにそこにありました。今の子ども達は、自粛や制限で抑え込められて、どうせ無理だと諦めがちで、本当に可哀想です。生きるエネルギーまで抑え込められているような気がして、息が詰まるみたいです。

話は戻り、当時はヤンキー全盛期。秋田の田舎にも、リーゼントに剃り込み入れて、短ラン、ボンタンなお兄さんと、前髪工藤静香で引きずりそうな長いスカートのお姉さんグループがいました。カマキリハンドルにした自転車に乗り、近づきがたいオーラを出してつるむ姿はかっこ良かったです。

○○先輩少年院に行ったらしいよ、とか、昨日○○中学と対決したんだって、とかキャーキャー言っていたあの頃。ホットロードの尖っていて大人びた、刹那的な世界観に、尖りきれない田舎の娘は心底羨ましく、憧れていました。

ヤンキー、今は見かけなくなりましたね。数年前にドラマ「今日から俺は!!」が放送された時に、子ども達に「昔はヤンキーいたの?」と聞かれて「いたよ。」と中学の卒業アルバムを見せると、「リアル今日俺じゃん。」と大盛り上がり。今はいずこへ?

さて、子どもの頃とは違う目線で読む今、感じ方が大きく変わりました。お母さんは30代だなんて、若いっ。和希はまだ中学生なのにこんなに荒んでいたなんて。母親の愛情を求めて苦しむ姿に抱き締めたくなりました。

我が家の長女はヤンキーではありませんが、小学4年生頃からかれこれ8年間も反抗期が続いています。よくまあそんなことを言えるなあ、と思うくらい毒を吐き、正論、反論、暴言の数々に疲れ果てますけれど、彼女も自らのマグマを持て余し、葛藤し、親の愛情を渇望しているのだろうと推察しながら、こちらにぶつける気持ちを受けて立っています。

そんな活火山娘は私と趣味が似ているので、一緒に野菜スタンドを回ったり、食器屋さん巡りをしたり、料理をしたり、私の料理を一番誉めてくれたり、可愛いところもあります。もうだいぶ大きくなった娘を、時々抱き締めてあげないと、と思います。嫌がられるでしょうけど。

勉強で挫折し、不登校気味だった娘は、学校に戻りだした途端に表情が明るくなって来ました。担任の先生から後日、「友だちが支えてくれただけではなく、友だちも○○さんを必要としているのです。」と言われて嬉し泣きしてしまいました。ありがたいことです。

「ホットロード」の終盤に、母親の交際相手のこんな言葉があります。

自分が確かに大切にされているんだってことを本当に知っていたら、自分の命を粗末になんか決してできないはずだよ。親でも兄弟でも友達でも恋人でもいいから、そういう人が必ずいるんだってことを、だれがいつあの子たちにおしえてやることができるんだろう

生きている実感、誰かに愛されている実感。「ホットロード」を通して、誰かに必要とされ大切にされていることの重要性を改めて考えた春休みでした。おっと、ついつい後回しなパパさんも大切にしないから最近グレているな。今夜は1品、増やしてみます。皆さん、どうぞ素敵な週末を。





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