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ベランダビオトープを楽しむ
自然豊かな田舎で、朝から晩まで外で虫採りや秘密基地作りをした幼少期。常に膝は擦り傷、真っ黒に日焼けし、木登りして素手でセミを捕まえるような、男子と間違われる程の外遊びオンリー女子だった。
都会に出て、大学生、社会人をおとなしく過ごし、結婚して母になった私は、再び山猿に戻った。子どもより早く虫を見つける五感、素手で捕まえる俊敏さ、それだけでママすごーい!とリスペクトされる快感。
大都会で育つ子ども達に、なるべく体を使い、自然の中で逞しく成長して欲しい。
緊急事態宣言の中で、昨年、小学生チームと近くの小川にタモ網を持ってガサガサをしに出かけた。
流れが緩い小川の中に、川エビがたくさん見え、小魚も泳いでいる。都会に大自然が残っていることが嬉しい。何回か通ううちに技を磨き、子ども達と川エビ、めだか、モツゴ、ドジョウ、フナの稚魚、シジミ等をゲット。
ただのガラスの水槽は味気ない。せっかくなので、ベランダにビオトープを作ってみようと検索すると、1冊の本に出会った。白泉社から出ている生き物エッセイマンガ「ベランダビオトープ」(馬場民雄 著)本体600円+税。
この本は、著者がベランダビオトープを試行錯誤で作り上げて行く過程を、漫画で分かりやすく詳細に綴った素晴らしいバイブルだ。たくさんの失敗を包み隠さず描写しているので、子どもにも響いた。参考書のように読み込み、まずはプラ舟を購入。建築現場などでセメント、モルタル等を混ぜる土木用の緑色のプラスチックの入れ物。結構大きいけど、2つ。
岩や砂利、水草も揃え、楽しみながらレイアウトした子ども達。外出制限された中で、ビオトープの前でピクニックするのが日課になった。
1年経ち、枯れた水草等を手入れする季節が巡って来た。生き物好きが高じて、次男はこの春、生物部が充実した中学校に進学する。将来は川魚の研究者になりたいそうで、今では母の方が教わることが多い。
好きこそ人生を豊かにする。好きなことをとことん追求し、いつまでもワクワクする人生を歩んで欲しい。