いきなり去られる事。
月曜日の娘の習い事場所に着いて
腰をおろしていつものように携帯でニュースをチェックしていた。
そしたらマスターシェフのジョックという
スコットランド出身のMCのシェフが急逝した、という
ニュースを見て、思わずえー?!と呟いた。
見間違ってる?と二度見したほどだ。
別にそこまで憧れていたシェフでも、
作る料理が素晴らしいから、とかは全くなかったものの、
まーTVによく出てるアデレードベースのシェフ。ぐらいな認知度は
あった気がする。
そこまで思い入れや、つながりはなかったものの、
それでもいきなり人がこの世からなくなる、という事実は
とてもショックな事だ。
3年ほど前に夫の従姉妹が急逝したことを思い出した。
私にとって唯一アウェイ感なく、気兼ねなく話せる親戚だったので、
訃報のニュースを聞いた時は、頭をひどく殴られたようなショックで、
しばらくその場から動けなかった。
その日の朝、オフィスに来なかった彼女を気にして、
同僚/友人が気になって彼女のアパートに行ってみたら、
事切れていたようだ。
彼女の両親の顔が思い浮かぶ。
娘に先だ立たれる。私だったら乗り越えられるだろうか。
気の毒でしょうがなかった。
寝ている間に旅立ったんだろうか。苦しまずに旅立っただろうか。
最期は一人で孤独だっただろうか。
従姉妹は亡くなる2年ほど前に癌を患っており、
治療もしていたけど、まさか癌が命を奪うまで進行しているとは
思ってもいなかった。
その頃、違う従姉妹の結婚式の時、ひどく泥酔していて
浴びるようにお酒を煽っていた彼女、
(彼女に何があったんだ?大丈夫なのか?)
そんな風にうっすら、もくもくとした吹き出しが
みんなの頭上に湧き始めた頃、
「今週、彼女は悪いニュースを聞いたんだ。」と
彼女のお父さんは言っていた。
皆、めでたい席だった事もあって
突っ込んで深くは聞かなかったけれど、今思えば
癌が他の内臓に転移していたりしていたのかもしれない。
でも抗がん剤等の治療などはしている素振りもなかったので、
ひどいニュース、という割りにはまさか彼女にそんな事が
あるわけない。完治したのだ。とバイアス感満載で
何故かそう思っていたし、
実際そこから数年はいつもの元気な彼女、といった塩梅で、
旅行にバンバン出かけていたので、まさかそんないきなり去られる日が
来るなんて思ってもみなかった。
自分がありがたいことにまだ大病を患った経験がないから、
そう安安と簡単に言えるのかもしれないけど、
上記の亡くなったシェフも大腸がんを2年ほど前に患っていたらしいけど、知っているのは家族や身内、親しい人達だけだったらしい。
番組収録の合間に治療をしていたらしい。大変な事だ。
従姉妹もそうだった。普段は親戚の集まり等では元気満載、
みんなを笑わせてくれるお笑い芸人のようなネタ話が
みんな大好きだった。そういう一面しか見せてなかったと思う。
そして多分癌の進捗状況等について、家族しか
知ってる人はいなかったと思う。
とてもパーソナルな事だし、私、癌です。と
公表するメリットとはあるのか?と思うし、
私だったら言えるのかな?と思うけど、
周りからすれば、もしかしたら・・・。という覚悟ができるのは
良いことなのかもしれない。
生があれば死は必ずある。
そして死を意識した瞬間から、生が一気に
色鮮やかに、時間というタイムリミットと共に
生きている事や生かされている事実を実感するという
☯関係のようなものだ。
自分勝手でワガママなのかもしれないけど、
いきなり去られる。というのは
とてもさみしいな、と思う。