フェルメール キューピッドの左手
・ヨハネス・フェルメール
・1670年−1672年頃
ナショナルギャラリー(ロンドン)に、よく観に行っていた絵画の1つです。
15世紀末から18世紀にかけてヨーロッパで演奏された小形の鍵盤楽器。
絵画の中では、清らかな恋愛の象徴として描かれる「ヴァージナル」。
弦楽器と管楽器では、それぞれまた意味が異なるようですね。
椅子は、「座っていてほしいひと」がいることを。
壁の絵画とヴァージナルに描かれた山の景色は、「そのひとは今遠い地にいる」ことを。
ピーテル・アントニス・ファン・フルーネヴェーヘン「山の風景1626年」がモデルのようです。
大きな絵画の中のキューピッドのポーズは、恋愛に対する貞節を。
掲げているトランプの柄は、ハートのエース。
「座っていてほしいひと」は、戻ってきます。
という暗示が込められた作品、と習いました。
女性の衣装と宝飾品、ヴァージナルの型から、裕福な女性がモデルのようです。
・ヨハネス・フェルメール
・1657-1659年頃
・ドレスデン国立古典絵画館
こちらは、フェルメールの没後、何者かによって、キューピッドの画中画が上塗りされ、隠されていた作品。
その上塗り層を除去する修復後、
2022年に来日。
所蔵館以外での世界初公開ということで、話題になりましたね。
航海で遠方へ行く男性の無事を知らせる役割りとしても重要だった「手紙」。
テーブルの上から転がり落ちそうな、性も象徴する「果物」。
キューピッドが手にしているものは、カーテンにより隠されていますが、仮面を踏んでいることにより、良い知らせという見方もあるようです。
世界でもいち早く郵便制度が整い、識字率の高かったオランダですが、配達の遅延や紛失も少なくなかったようで「悲しいすれ違い」も起きていたそうですね。
覚え書き。
今日もお付き合い頂きましてありがとうございました。