"The opposite side of the world"をのぞいてみる|TED Talks 『変? それとも違うだけ?』より
こんにちは。
英語コーチ/翻訳者のMariです。
皆さんはTED Talksを視聴しますか?
ご存じの方も多いと思いますが、TED(Technology Entertainment Design)という団体が無料で公開している動画で、各分野の著名人や専門家の講演を視聴することができます。
興味深いスピーチが多く、英語でも日本語でも字幕が出せるので、英語学習に活用している方も多いですよね。
私にはそんなTED talksの中で特に共感できる動画があります。
それはDerek Siversによる"Weird, or just different?"(「変? それとも違うだけ?」)というスピーチです。
このスピーチには
「正しいと思っていることの逆も正しいかもしれない。その可能性も考えてみてほしい」
というメッセージが込められています。
スピーチの冒頭で、地域によって常識が変わることの例として、アメリカと日本での住所表記の違いが取り上げられています。ストーリー形式で語られるので、互いに困惑するアメリカ人と日本人のようすが想像できてクスッと笑えます。
そして、この後の言葉が印象的です。
自分の常識を覆すようなことがあると、つい「ありえない!」と拒否反応を示してしまったり、逆に「あれ、私がおかしいのかな?」と不安になって
しまったりすることがあります。
こういう反応は、自分を守る防御策のひとつとも考えられます。でも、何にでもすぐに反応するのではなく、一瞬立ち止まって考えることができたら、「正しいかどうか」ではなく「違い」として、面白がることができるかもしれません(もちろん状況や程度にもよりますが・・・)。
別に外国語を学んでいなくても、日本語でこういう情報を得ることはできますが、私の場合はやっぱり英語を学んだり、翻訳の仕事をしたりしているときにこういう「違い」を知る機会が多いように思います。
たとえば、海外の方とメールをやりとりすると、「仕事でもずいぶんカジュアルだなあ」と感じます。金曜日の仕事の依頼メールが”Happy Friday!"で始まっていたり、:)っていう顔文字が使われていたり。
ビジネス文書の翻訳でも「これ、英語のトーンのまま訳したら日本の会社ではびっくりしてしまうかも・・・」ということが多々あります。そういう翻訳は難しいですが、「違い」を認識している人間だからこそできる楽しいお仕事だなと感じます。
もちろん、必ずしも日本の会社だから堅い、アメリカだからカジュアルというわけではないので、決めつけてはいけないんですけどね。
英語を学ぶメリットとして、「英語を学ぶと世界が広がる」という言葉をよく聞きますよね。なんだか漠然としていますが、そのひとつが、今までは気にもしていなかった「違い」に気づいて、それを面白がることのできる「しなやかさ」が身につくことなんじゃないかなと思います。
私もただ言語を学んで使うだけではなくて、いつも"the opposite side of the world(地球の反対側)"をのぞく心の余裕を持っていたいなと思います。
ちなみに、英語と日本語のスクリプト(原稿)を見ながら聞きたい、英語学習に活用したい、という方は下記のTED公式Webサイトが便利です。
スクリプトが表示されていない場合は、タイトル下あたりの"Read Transcript"をクリックしてください。"Transcript"下のプルダウンメニューから言語を選択できます。
皆さんもおすすめのTED動画があったら、ぜひ教えてください!
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