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『ダンジョン飯』雑考(イヅツミさんのデザインの話)
『ダンジョン飯』のイヅツミさん、獣人好きの私としてもかなりのツボなんですが、さすが細部までこだわる久井先生だけあって、いわゆる「漫画アニメの猫系獣人の耳としっぽだけついてる女子」にとどまらずにかなり猫寄りにしてるのはやっぱり素晴らしいよね。いやそういうベタな猫耳キャラも嫌いじゃないけど。
ただちょっと気になるのは、なんで体毛がある部分を肌色にしたんだろうなぁって部分。あれ普通に考えると白だよね。
でも漫画の表紙などでも肌色に塗られてるので、久井先生はあえてそうしてるのは間違いない。
7巻の表紙を見るとわかるように、モノクロだと白い部分は白っぽい肌色で、顔を含めたそれらの部分は全部毛並みが描かれてる。要は顔もネコチャンのように毛むくじゃらなのだ。
だとしたらやっぱり肌色の毛が生えてるってのは猫っぽくないし、ふんどし姿の時に乳首は見えてないけどへそは描かれてるといろいろツッコミどころがある。
でもやっぱり久井先生はそれらもわかっててあえてやってるんだろうな。
そう思う根拠は『デイドリームアワー』90ページに描かれたセンシのふんどし姿の絵にそえられた「センシにはもっと体毛があるかと思うのですが省略させてもらっています。」の一文。これ見て「やっぱりそうか」と思ったんですよ。
あれだけのひげや髪の持ちぬしがあそこまで体毛がないのも変だよな~とは思ってたんですが、やっぱり絵面を考えてあえて省略してるんだなって。
おそらくイヅツミに関しても、普通に考えれば白黒の猫ベース(ディフォルメ時の感じだとおそらくハチワレ猫)デザインのところ、そこまで徹底すると読者側に引っかかりが出って、他の部分を表現したいのにそれ自体がノイズになる(重要でない部分が目立ってしまって、本当に伝えたいものの表現の邪魔になってしまう)って部分も考えての事なんでしょうね。
センシの場合もがっつり体毛を描いてしまうとそういう部分で受け入れられない人も出てきそうですし。
先ほどの7巻表紙でも、肌色部分は肌色の毛のようにも見えるけど、肌に白い毛が乗ってるようにも見える感じで描かれてるし、『デイドリームアワー』47ページのラフに描かれたイヅツミなんかも、鼻とお腹・膝・足にほんのり赤みを挿してるので、この部分は毛が薄い(短い)のかな~、ネコチャンの鼻がピンクの様に、とか思ったりもします。(へそは出てるのに乳首は?の説明もつく…かな?)
いや、イヅツミさんのデザインでここまで考えてる私もかなりキモいですが、おそらく久井先生はその何倍もこういうこと考えてるんだろうなぁって。ほんとライオスタイプなんだろうなあの方。
上記はデザイン面だけど、仕草とか行動様式も猫っぽいので、その辺も含めて猫獣人の一つの完成形だよなぁって惚れ惚れします。
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タデぬこコンビもいいよね…。
(この絵のイヅツミの尻尾の先が白いのは、これ描いてる当時は私自身がいまいちデザインをとらえきれてない頃だったからです)