【後編】川崎市役所通りにパークレット「かわパク」がオープン!
2024年10月19日、川崎駅の川崎市役所通りの歩道の一部に誕生したパークレット、通称「かわパク」。
16個の展示物のうち、前回のnoteでは1〜6番を紹介しましたが、ご覧いただいたでしょうか? 今回は、残りの10個をまとめてご紹介します。
7:四阿(あずまや)のようにゆったりくつろげる「軒かさね」
アービア設計さんが設計・デザインを担当した「軒かさね」は、国産杉の柱を四方に組み、柱だけで作られた小屋のような作品。
大きな公園や庭園などに休憩所として設けられる「四阿(あずまや)」のように、中に入ってベンチでくつろぐことができます。
ベンチに腰掛けて一息ついたら、屋外だけど屋内ではないような、不思議な感覚。中央にプランターが設置されているので、木と緑のハーモニーを楽しむことができます。
よく見ると、床の一部に異なる風合いの木材が使用されているのもポイントです。まるで誰かのお家に玄関口からお邪魔するような、自宅に一歩足を踏み入れるような……ほっとした気分を味わうことができます。
8:薪を備蓄できる、アイデアが光るベンチ!
国産木材の可能性を探究し、薪を「使いまくる」ことをコンセプトに作成されたこちらのブース。(株)e2mさんによる設計・デザインで、長ベンチと複数の丸ベンチが展示されています。
実はこの長ベンチ、あっと驚く仕掛けが。中を開けてみると、災害用の薪が備蓄されているのです!
ガスや電気が使えない非常時でも、暖をとったり調理したり、明かりや火を確保できるように備えておきたい薪。
普段は便利なベンチとして街並みに溶け込みつつ、薪をそっと備えておけるなんて、すばらしいアイデアです。スタイリッシュな見た目だけでなく、災害時にも頼りになるような、機能性も兼ね備えているのですね。
製作・施工を担当した(有)創林さんによると、このアイデアは神奈川県庁との話し合いの中で生まれたそうですよ。
また、こちらの丸いベンチもぜひ注目していただきたい作品。
丸くかわいらしい見た目のこちらは、小田原産の間伐スギヒノキの薪や、宮崎県産飫肥スギの薪など、様々な自治体から提供された薪を束ねて作られたもの。
それぞれ天板に、各自治体の取り組みなどの説明がされています。ぜひこちらにも腰をかけてみて、産地による薪の違いを見て・触れて感じてみてください。
9:ナラ枯れしたカシの木をベンチに。桟積みにも注目!
小田原市で育ったカシの木を、そのままくり抜いて製作されたベンチ。その名も、「いろいろな木 みんなの木」です。
実はこの大きなベンチは、「ナラ枯れ」という病気にかかってしまった木を、災害になる前に伐採して使用したもの。ゴツゴツとした木肌がそのまま活かされていて、存在感が抜群ですよね。
設置されているQRコードを読み込むと、実際にどのように大木が伐採され、ベンチとして加工されたのか、工程の一部を動画で学ぶことができます。
また、ベンチの後方と前方に展示してある桟積み(乾燥のために、間隔を空けて桟木の上に何段か重ねること)された木材にも注目。
この展示の意図について、設計・デザイン担当のアカイワデザインさんは「木材がどのように乾燥され、角材として作られているのか、都会で生活している方々にもお伝えしたかったから」とお話しされていました。確かに、普段の生活の中では、なかなかこのような光景を見ることはありませんよね。
実際に見て触って、動画で見て……木についてたくさん学ぶことができる展示です。
10:ブレーメンに仲見世通商店街…市内のシンボルが描かれたベンチ
こちらはほかの展示とは少し雰囲気が異なり、イラストが印象的なかわいらしいベンチ。
中原区・元住吉駅にある「モトスミ・ブレーメン通り商店街」のシンボルであるブレーメンの音楽隊のイラストや、川崎駅前 仲見世通商店街のイラストが描かれています。
それぞれの面でデザインが異なるので、自分のお気に入りを見つけてみるのも楽しそう。
ベンチでほっと一息つきながら記念写真を撮れば、かわいらしい写真になること間違いなしです。
11:不思議な形をしたベンチの正体は…?
11番から13番は、川崎市立川崎総合科学高等学校さんによる展示。建設工学科の生徒たちが設計デザイン・製作をしたそうですよ。
こちらにある長~いイスは、どこに座るか思わず悩んでしまうような、不思議な形をしています。
「一体なんの形?」と思いきや、上から見ると川崎市立川崎総合科学高等学校さんのシンボルになっているそう。パッと見ではわからない、隠れた小技がポイントです。
12:ハリウッドならぬ、カワサキサイン?映えスポットが出現
まさに“映えスポット”と呼ぶにふさわしい、インパクトのある展示。中心に緑化フェアのロゴマーク、そして後方には「KAWASAKI」の文字が装飾されています。
設置されている説明書きによると、「川崎=映画の街」ということにちなんで、ロサンゼルスのハリウッドにある「ハリウッドサイン」を模して製作されたとのこと。
たしかに、手前のベンチに座って記念写真を撮影すれば、本家・ハリウッドに負けないような素敵な写真が撮れそうですね!
13:全国都市緑化かわさきフェアのロゴマークも発見。コミュニティスペース
続くこちらは、木の温もり感じられるコミュニティスペース。
11番の展示では「川崎総合科学高等学校」の略称である「KST」がベンチの形で表現されていましたが、こちらには柱にその文字が装飾されています。
中に一歩足を踏み入れてみると、こんな感じ。
それぞれ形や高さの異なる椅子やテーブルに加えて、全国都市緑化かわさきフェアのロゴマークを模した装飾まで。細かいところまで芸が細かく、見ていて飽きないようなスペースでした。
4~5名であれば中央のテーブルをぐるっと囲めるので、ちょっとお茶やコーヒーを片手に談笑するのにぴったりのスペース。
ショッピングの合間に少しだけ休んで、「次にどこにいく?」と話し合う声が聞こえてきそうな、明るい空間です。
14:トラックのようなかわいらしい見た目の、移動式プランター
前回のnoteで紹介した(3番の)展示と同じく、VUILDさんの設計・デザインによる移動式プランター。
一番大きなワゴン型のプランターには黄色いタイヤが取り付けられ、まるでトラックのようなかわいらしいビジュアルです。
3番のブースで展示してある移動式プランターと比較して、植えられているお花の種類や、プランターの形や配置の違いを見比べてみるのも面白そう。
プランターの配置は日によって異なるそうなので、頻繁にチェックしてみると何か新しい発見があるかもしれませんね。
15:シンプルだからこそ、素材と職人の技が光る
高さの異なる六角形の角柱が11個設置された、印象的なブース。
こちらは(同)春紫建築設計事務所さんによる設計・デザインで、シンプルなデザインだからこそ、材料そのものの美しさと施工業者さんの高いスキルが光る作品です。
シンプルなものだからこそ、細かいディテールがよく表れる。一つ一つの角が美しく、寸分の狂いも無いようなカットが印象的です。
ひざ下くらいの背が低いものから、ちょっと腰を掛けるのには一苦労する(?)ような背が高いものまで……。
さまざまな高さのものがあるので、自分にぴったりなものを選べるのもありがたいポイントです!
16:ラストでもあり始まりでもある「座って休める パークレット」
いよいよパークレットの終点、16番のタイトルは「座って休める パークレット」。
前回のnoteで紹介した、2番の「パークレットってなんだろう 」と似たような形の、揺れるテーブルとイスが設置されており、カフェテラスのような雰囲気です。
ただ、1番の展示のテーブルは白く塗装がされていましたが、こちらは木材の風合いをそのまま生かしているのが特徴。
テーブルの天面にさらに小さいテーブルのような、装飾のようなものが取り付けられていたり、ゆったりと腰をかけるのにちょうど良い高さのものがあったり……。
いろいろなサイズのものが集合しているので、何人かで休憩するのにもちょうどいいスポットです。実際に、みんなで座ってみるとこんな感じ。
川崎駅方面から歩いてきた方にとっては1番の展示が開始点になりますが、その逆方向から歩いてきた方にとっては、この16番が一番最初に目につくもの。
そのため、1番と同様に「かわパク」のコンセプトや全体像の説明を、こちらのテーブルにも記載しているとのことです。
16個の展示から、お気に入りを見つけて
全国都市緑化かわさきフェアの会期は、「2024年10月19日(土)~11月17日(日)」と「2025年3月22日(土)~4月13日(日)」の2回。
パークレットはその期間中にしか展開されないため、ぜひお早めに足を運んでみてくださいね。
また、夜遅い時間帯には安全のために展示物にネットをかけるとのことなので、なるべく早い時間帯にチェックしにいくことがおすすめです!
市役所で用事を済ませた帰りに、ショッピングのついでに……16個の展示から、あなたのお気に入りを見つけてみてください。
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