名前以上に奥が深~い「木材保存」
お世話になっております
株式会社コシイプレザービングの池本です。
noteでは「暮らしを守る」をテーマに発信していきます。
今回はコシイプレザービングの中核の技術となる「木材保存」について説明します。
聞いたことない人が多いのではないでしょうか。
ですが、実は皆さんの生活を陰ながら守っている重要な技術なんです。
それでは本題に行きましょう。
木材保存とは
木材保存は簡単に言ってしまうと、「木材を守る」ことです。
では、何故守らないとならないのか。理由は簡単です。
実は木材って、腐るし、カビが生えるし、シロアリに食べられたりと劣化する要因が沢山あります。
防蟻の蟻はシロアリですね。シロアリは木材を好物としています。数万、数十万のコロニーを率いて木材をボロボロになるまで食べつくします。
腐る、カビは食べ物のイメージが強いかもしれませんが、木材にも起きます。
温度、水分、栄養、空気の4条件が揃うと木材は簡単に腐ってしまいます。
趣味のDIYもシロアリに食べられたり、腐る可能性があります。
こういった劣化要因から木材を保護するのが「木材保存」です。
木材保存に使われる薬剤を「木材保存剤」と言います。
木材保存剤・・・
木材を微生物や虫による被害から保護するために行われる、加圧注入処理・表面処理・接着剤混入処理などに用いられる防腐剤・防蟻剤(ぼうぎざい)・防虫剤・防カビ剤など。
歴史
歴史は意外と古く明治時代から続いています。
昔は線路の枕木や、電柱に使用されていました。
歴史としては長いですが、そこまで浸透していないのはやはりコンクリート等の技術が台頭したからでしょう。
活用事例
最初に言った通り、実は皆さんの生活を守っている「木材保存」。
最も身近なところで言えば、例えば「家」に使われています。
この画像では一階部分が緑色になっていますよね。
これは木材保存処理された木材を使用しているからなんです。
家の柱がシロアリ被害、腐れ被害に合うと家を支えることが出来ません。
そのために、木材保存処理された木材が使用されるんです。
一条工務店様や、積水ハウス様など有名なハウスメーカーも木材保存材処理された木材を利用して家を建てています。
日本は災害大国。最近で言えば大雨に地震と多く発生しています。
次の画像は平成に起きた有名な地震をピックアップしたものです。
すべて大きな被害をもたらしたものばかりです。
住宅業界も耐震性を謳う所が多いと思います。
メーカーも消費者もそれだけ耐震性には敏感ということです。
そして次は「公共事業」です。
公共事業の構造物といえば、何となくコンクリートをイメージしますが、木材の活用事例も多くあります。
例えば治山ダムです。
これは山中にあるので皆さんの目には触れにくいですが、かなり立派で迫力があります。景観も良いですね。
このダムに使用された木材も木材保存剤で処理されています。
治山ダム・・・
森林の持つ土砂災害の防止機能を発揮させることを目的としている。
ダムが周辺の森林と一体となり土砂の生産や流出を防止することで下流の土砂災害を防止する
家から公共事業まで幅広く利用されている木材保存ですが、ただ木材を意味も無く使いたいわけではありません。
木材保存には、実はちゃんとしたメッセージがあるんです。
環境貢献
木材保存は環境貢献に繋がるんです。
というよりも木材利用の推進が環境貢献になるのです。
CO₂がキーワードになってくる地球温暖化。日本には山や森林が多くて、沢山光合成して吸収するから大丈夫でしょ?と安易に考えていけません。
CO₂を取り除く能力が高い森林というのは、老齢木などを伐採し、適度に若齢木を含む森林なんです。
伐採がポイントです。
木材は生えっぱなしじゃ実はダメなんです。
役目を終えた木材は伐採して、若い木を育てることで健全な山が出来上がります。
そして、伐採された木材を木材保存剤で処理し、使用することが出来れば、山も、暮らしも、環境も守れることになります。
木材保存がもっと世の中に浸透し、木材利用が推進されれば、日本の木材自給率も上がりいいサイクルが出来るんです。
正直、この環境貢献の章に関しては簡単に書いてしまいましたが、書ききれないことばかりなので、ここは別の記事にします。
まとめ
今回は簡単に「木材保存」について説明しました。
木材は腐ったり、シロアリに食べられたりして耐久性が不安だからあまり使いたくないとい意見もまだまだ多くあると思います。
公共事業なんかは特に。
しかし、木材保存の技術によって、耐久性を維持し長期利用が可能になります。
木材保存が広まることは、木材利用を促進し、地球環境に貢献することになります。
これからもこのnoteでドンドン「木材保存」の凄さを広めていきますよ~
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今回はこれで以上になります。お疲れ様でした。失礼します。
余談
今回は木材保存学を知れば知るほど深くなるということで、氷山の一角をイメージしてサムネイルにしました。しかし、「木材」という山ものなのに、氷山という海の中のもので例えているのは、今思えばミスだったかもしれません。
個人的な課題として、「例え」の精度上げていきたいものです。