築30年の物件を解体してみた結果、、、
お世話になっております。
株式会社コシイプレザービングの池本です。
noteでは「暮らしを守る」をテーマに発信していきます。
今回は弊社で行っている取り組みの一つ、「解体調査」について紹介していきます。
解体調査とは・・・
木造住宅を実際に解体し、被害データを蓄積。
そして長期に渡って安心に住むことが出来る木造住宅の仕様を創り出そうという狙いのもとに10年以上続く取り組み。
さて、解体された木造住宅の中はどうなっているのでしょうか?
物件情報
まずは今回解体した物件情報と外観を説明しておきます。
2016年に発生した熊本地震の震源地からも比較的近かった物件となります。
大工の協力のもと1階から解体していきます。果たしてどんな被害があるのでしょうか?
解体開始:1F
まずは1階部分から調査開始。
1階の和室にある、点検口から床下に侵入。
すると早速、、、
早速蟻道が見つかりました!これはシロアリが侵入している証拠です。
シロアリは数十万のコロニーを形成して、家に侵入します。
ここまでしっかりとした蟻道があるということは、大量に侵入した可能性がありますね。
そしてさらに床下を這って、前に体を進めるとなんと、
床束が見事にボロボロに崩壊していました!
シロアリが食い漁ったことで見事にボロボロになってますね。シロアリは木材が大好物です。
シロアリ予防がしっかりとなされてないと、太い木材でも関係なくボロボロになってしまいます。
シロアリの基本的な侵入経路は床下からです。こちらの物件も床下から侵入を許していました。
更に、シロアリの侵入は床下だけには留まりませんでした!
居住スペースにまで侵入は進んでおり、なんと1階の寝室にも侵入しています。
寝室押入れを開けると蟻道とシロアリによる被害が確認出来ました。
普通に人が寝ているスグそこの押し入れにシロアリがいると考えるとゾッとしますね。
解体開始:2F
1階の調査を終え2階に上がろうと階段を昇ろとした時です。
なんとシロアリが階段を食べ、穴が開いています。
シロアリに食い破られた階段を上り、2階洋室にて調査を続行。
その洋室の床を剥がすと何と更なる衝撃が、、、
黄色の点線で囲った部分は全て蟻道です。これだけの大量の土をシロアリが運んだわけです。
床下、1階に留まらず、2階にも大量のシロアリが上がっていたようです。
家中全てにシロアリの魔の手が及んでいたのです。
そしてこの土に、いや蟻道にまみれた梁を足で押すと、
崩壊してしまいました!
足で触れるだけで崩壊する木材が床を支えていたと考えると、中々危険な状況ですね。
本来、梁に使われる木材は柱と比べて太くて丈夫です。そんな梁でもシロアリ被害にあうと、ここまで脆くなってしまうんです。
被害まとめ
今回の物件は被害が多数発生しており、すべてを説明する訳にもいかないので、簡単に紹介すると、
写真が被害部分を表しています。
1階、2階の図面に被害を照らし合わせると、こんなにも被害が発生していました。
家中にシロアリが何十万匹も巡り、家を蝕んでいたということが分かりました。
最後に
今回は解体調査を通して、シロアリ被害についてピックアップしました。
シロアリが家に侵入してしまうと、これだけの被害が発生する可能性がすべての家にあるということです。
今回の物件のように侵入されてから駆除では遅いのです。
ここまでボロボロになった木材が家を支えていると考えると耐震性も疑われてきます。
さらには資産価値の低下も免れません。
侵入される前に予防を行うことが重要です。そして定期的なメンテナンスで予防効果を維持することが大事なんです。
適切なシロアリ予防は安全に快適に暮らすためには必須の要素の1つです。
新築、既築問わず。
今回はこれで以上になります。お疲れ様です。失礼します。
余談
解体調査を一緒に実施している先輩は、解体物件のことを「宝箱」と呼んでいます。
どんな被害があるかワクワクするそうです。