ビュフェ展に行って、自分の夢を見直した話。
ベルナール・ビュフェ回顧展に行ってきました。
ビュフェはかれこれ10年以上前に初めて見て「クセが強い!」と思った。あと「ピエロの顔」という作品(自画像とも言われている)が、これまたインパクトが強くて、「ビュフェはビュフェだね」って感じの画家です。
ビュフェ:ピエロの顔
そんなわけでBunkamuraでビュフェ展やるって聞いたときも、あんまり興味なかったんだけど、母に誘われたので行ってきました。
ビュフェ:小さいミミズク
ちなみにビュフェはこの通り、一度見たら忘れられない画風(大きく描いた縦長フォントに、漆黒でグリグリ描いた輪郭線)なので、ひと目見てビュフェってわかる。初めてビュフェを見た時から今までの人生で何度か作品を見つけることがあって、例えばレストランの壁に飾られていたり面接に行った会社にあったりする。最近ではチョコプラの「いわくなしスポットを巡る」で藤森慎吾の寝室に飾られていた。
(一瞬しか映らないけど見てみてね。ちなみに動画は全部通してめっちゃ面白いよ。)
私の勝手な所感ですが、あえてビュフェを飾る人は「芸術わかってますよ」を主張したいんだろうなと思っている。
モネとかルノワールとかだと柔らかすぎるし有名すぎる。あとビュフェは多作だからリトグラフとか手に入れやすいんだろうな。個人的には、藤森慎吾がなんでビュフェを飾ってるのかすごく気になる。本人が好きなんじゃなくて、インテリアコーディネーターが選んできたんじゃないのかなーと思ったり。この記事が本人に届いて回答が聞けたらいいのに。
話を戻してビュフェのことなんですが、彼は山あり谷ありの人生なんですけど基本的には成功者だと思うんですよ。
おとーさんが厳しかったり、17歳の時におかーさんが亡くなったりするものの、若くして画壇で注目を集め、45歳くらいでビュフェ回顧展を開かれちゃったりして。まだ存命中なのに、回顧展開かれるってすごくないですか?マンネリだ!とか批判も浴びつつ、絵で食べていける人生を切り開いていくわけです。しかも奥さんも美人。
最初の頃は、戦争の影響で暗い絵が多いし戦争経験者ってだけで人生だいぶ大変だったんだろうって思うけど、成功者は成功者ですよ。ちなみに1928年生まれで、私の祖母と同い年でした。(生きてたら)
そんなビュフェですが、自殺してしまうんですね。71歳のときに。パーキンソン病を患っていたりアルコール中毒だったりしたそうです。最晩年の画風は命削って死神描いてる、みたいなのも展示されてました。
ビュフェ:死 No.16
もともとの画風だって陰影濃いかんじなのにネ。同じ白黒灰色で暗い絵を描くハマスホイと比べても、ビュフェはちょっと病的だと思う。
ハマスホイ:ピアノを弾く妻イーダのいる室内
ビュフェ展を見終わって思ったのは「成功者だけど羨ましくないな。」でした。いや、成功できない人のほうが世の中たくさんいるんだから、成功したのすごいのよ。めちゃくちゃすごい。お金持ちだったのだろう。
でもね、あんまりこの人幸せじゃなかったんじゃないかね、と思った。こんな陰鬱な絵ばっかり描いちゃって。
有名な話だけど、病んでる画家は多い。ゴッホが有名どころですが、ユトリロも精神疾患、ムンクも精神疾患、モディリアーニはヤク中。ちょっと話は変わるけど文豪も自殺した人多い。有島武郎も芥川龍之介も金子みすゞも太宰治も三島由紀夫も川端康成も自殺!!!
彼らは後世に名を轟かせてるわけだけど、結局最後は自殺なのか~と思ったらね、全然羨ましくない。
3年くらい前に結構野心満々で色々夢を膨らませてた時があって、大言壮語してたのよ。テレビに出たいとか、直木賞取りたいとか色々。文筆家になりたいっていう夢は夢で今も変わらない。けど、大成功には光と影があるんだなーって思ってしまった。あと、死んでから売れるのかわいそすぎるよね。ゴッホ、まじどんまいだよ。
今年改めて夢を書こうとしたら、本当に3年前に比べてシュリンクしてて小さくなっててね、いいのかコレで、って思ったんだよね。野心ないし「平穏でお友達を大事にして、花をいける丁寧な暮らし、生きてる限り働いてお金に困らない。」くらいの。直木賞どこいった。
この夢でいいなぁ~って思った。そりゃ成功したいけど、成功の代償が孤独や自殺なら、成功しなくていいやw もし成功するなら、孤独や自殺がない方向で成功したい!
人生の過程も終点も幸せでありたい。そんなことをビュフェから学びましたとさ。おしまい。
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