いつまでもハーゲンダッツを躊躇して買いたい
先日、友達からこんな問いを受けました。
「人生のしあわせってなんなんだろう?」
なるほど、なかなかむずかしい。
今回も、考えても答えが出ないシリーズ第2弾です。
ああでもないこうでもないって話が好きな方、ぜひお付き合いください。
人生の成功って?
お金、家庭、趣味、健康、名声、人脈…
人生の成功を測ろうとすると、いろいろな基準が出てきます。といってもそれはただの基準で、そもそも成功なんて測れないもの。
ところが、「社会的な成功」という言葉には、どうしても正解や不正解があるような気がしてしまう。不正解になりたくなくて、人の目を気にして生活するようになってしまったのはいつ頃からだろう。
実際には人生の教科書なんてないので、もちろん正解も不正解もない。その人にとっての「最適解」があるだけだと思います。
だから自分の正解を誰かの正解に当てはめて落ち込んだり、誰かに強要したりするのは意味のないこと。
人は人。自分は自分。その境界は守りつつ、干渉せず、「そういう考えもあるんだね~」と参考にし合っていくくらいの距離感が、心地良いんじゃないかと思います。まあそれが難しいんですけどね。
自分のしあわせはどこにある?
じゃあ、自分にとっての最適解はなんなんだろう。
もちろん、できることならお金は稼ぎたい。あって困るものではないし、無いと心の余裕まで奪われてしまうから。
でも、自分の幸せはそういう数値化されたものでは感じ取れない気がする。
年収1億円と言われたら、庶民の私には想像できないから、つい「うおっ」と謎の声を漏らしてしまいます。そのくらいお金には人を圧倒する力がある。
はっきりとお金という数値で示すことで、みんながその価値を認めて、裏にある努力をくみ取ってねぎらってくれるし、尊敬も集められるのでしょう。
そもそもお金の機能の中に、「価値尺度機能」ってものがあります。(なんか小学校の時にならった気がする)
ものの価値はお金というものさしで見える化できるってことみたいです。
そのものさしは日本の中ではだいたい同じですが(富士山の自販機のジュースとかは置いといて)、そのものさしで測った値(ものの値段)から受ける印象は、大人になるにつれ変わっていきます。
たとえば同じ2000円でも、高校生の時には大金に感じたけど、今は「2000円くらいなら出せる」金額にまで成長してしまった。
それは自分でお金を稼いで、自由にお金を使うことができるようになったからなので、たしかに大人に近づいているようで嬉しいけれど、一方でなんだか虚しい。
「お小遣いをもらったら買おう。」「テストで100点をとったら買おう。」
たとえ2000円でも、怠惰な自分から抜け出すための努力をかき立てるくらい、圧倒感があったはずなのに。いつの間になくなってしまったんだろう。
*
この変化がすすむと、いずれは何からも圧倒感を感じなくなっちゃうんじゃないか。そうしたら何を得ても満足しなくなって、人生のごほうびがなくなっちゃうんじゃないか。
うーん、考えるとおそろしいです。
じゃあ、人生のしあわせは、変わらないことにあるのかもしれない。
「夢はなんですか?」と聞かれて、「変化しないこと」と答えるのもありなんじゃないかと。許してほしいです。
人生のごほうび
突然ですが、みなさんはごほうびの日に何か決まって食べるものはありますか?私のごほうびはいつもハーゲンダッツです。
小さい頃はちょっと高めのハーゲンダッツを親にねだることが申し訳なくて、「今日お母さんよく頑張っててえらいねー。だからごほうびにハーゲンダッツ一個買って半分こしよー。」と親によく提案していました。親の頑張りをねぎらうフリをしてちゃっかり半分もらっています。なんたる食い意地の強さ。子供の頃の私、恐るべし。
大学でアルバイトをするようになり、自由にお金が使えるようになった今では、あえて、スーパーではなく、コンビニでハーゲンダッツを買う。150円くらいのアイスが並んでいる中、割高な300円のハーゲンダッツを手に取る、ちょっとした贅沢感。
買うたび躊躇して、若干足がすくむ。なにかとてつもなく悪いことをしているような気分になりながら、レジへと一歩、二歩…。
「ああ、やっぱりちょっと安めのMOWにしとこうかな…スーパーカップもあるし…」
「でも、私は頑張ったんだから、今日くらいごほうびをあげてもいいか。」
そんな葛藤に打ち勝って、やっと300円を出せます。ハードルが高い。
でもこのハーゲンダッツを買うときの緊張感やトキメキは、いくつになっても忘れたくない。ハーゲンダッツはいつまでも人生のごほうびのままがいい。
いつまでも買うときに躊躇していたい。変わりたくない。大袈裟かもしれませんが、やっぱりこれが私の夢であり、人生のしあわせなんだと思います。
*
これから大人の世界に吸い取られて、ものの価値が今とは全く違って感じるようになったとしても、ハーゲンダッツだけは最後の砦として守っていきたい。
いつまでも人生のごほうびのままで君臨していてほしい。そう、君はアイス界の王様なのだから。(?)
これからもずっと、ちょっとだけ高いままで、買う時に躊躇させてください。そして変わらずに美味しいままでいてください、王様。
ハーゲンダッツと打ちすぎて、もうハと打ったら変換候補の一番上にハーゲンダッツが出るようになってしまいました。そのくらい愛が深いです。
皆さんは人生のごほうびって何かありますか?また良ければ教えてください。みんなのごほうびを持ち合う「ごほうび会」開いたら楽しそう。私はハーゲンダッツのマカデミアナッツ味を持っていきます。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!