でこぼこ発達~最後の学習支援を終えて~
息子小6、12歳。
4歳から通い始めた療育・学習支援が一昨日で最後となりました。
言葉の理解などの発達がゆっくりめで利用が決まってから8年。
相談員の先生をはじめ、支援員の先生方には本当にいろいろとお世話になった8年間でした。
当時の状況
発達検査を受けた結果療育を利用することになったわけですが、当時息子の下には1歳の双子がいました。
育児で手一杯だった頃に診断を受け、まずは病院の中のリハビリを月3回利用することになり、平行して週1回の療育の利用も決まりました。
当時は「とにかくこの子が困らないように」と、それしか頭になかったのが現実でした。
小学校に入学してからの授業や人間関係、コミュニケーション、
心配すればきりがないのですが第一子で私もわからない中、不安な気持ちを療育やリハビリに通うことで落ち着かせていたことを覚えています。
本人はなぜ自分がこんなところに通っているのか分かっていなかったと思います。
リハビリに行く前日は「明日は○○の病院の日だからね」と伝え、当日は双子を保育園に預けてから息子をつれてリハビリに行くというルーティンでした。
リハビリも療育も、またそのせいで幼稚園を遅刻して登園することも何一つ嫌がらなかったのが救いでした。
診断をもらってから
元々どちらかというとポジティヴ思考な私です。
が、発達検査を受けてから診断が下るまでは不安だったし心配もつきませんでした。
今思うと、診断が下ってすぐに療育探しを相談員の先生としていました。
勢いというのとも違うし、自分の気持ちに浸る時間もなかったのかもしれません。
幼児教育の知識と、現場での経験から「子どもにとっては少しでも早いほうが良い」と思っていた気持ちが自分を動かしていたように思います。
相談員の先生も忙しいと伺っていたので、予めどこの療育に通うのかというところも調べて、3つほど候補を出して
相談員の先生と会う日にそれをお伝えし、利用までの契約をスムーズにしようと動きました。
療育も事業所によってさまざまで、
①息子の特性に合ったところ
②小学校入学で困るであろう躓きを見据えた療育を行っているところ
この2つに当てはまるところ、もしくは近い環境の事業所を希望しました。
実際見学に行ってみなければ分からないところもありますが、
私は「学習支援」に重点を置いた事業所が良かったので自分の中で「ここかな」というのが決まっていました。
8年間で一番変わったのは私
○○でなければならない
と型にはまっていた8年前の私。
だから息子が発達検査を受けた方が良いんじゃないかと思い始めた頃からずっと「この子が困らないように」と思うあまり、
周りと比べて勝手に"できなければならないことのハードル”を上げて、自分で自分を苦しめていました。
ましてやそれを息子にも押しつけていた・・・
今振り返ってもゾッとするくらい、あの頃は必死だった私の気持ちがほとんど裏目に出ていました。
そんな私も下の双子が少しずつ大きくなってくると息子のことばかりではなくなり、それが逆に良かったというか、
自分の仕事もスタートして息子のことだけに使っていた時間が良い具合に減っていったんですよね。
少しくらいできなくてもそれまでは許せなかったことが、「まぁいっか!」と許せるようになったり、気にしていられなくなったのです。
それに息子も1年1年成長して、できなかったことが少しずつできるようになったり、ある部分では周りよりも得意だったり、
そういうところに私が気づき始めてからは「できないこと」より「得意なこと」に目を向けるようになりました。
小学生になった息子にいつも言っていたこと
特性を持っているので、小学校で躓くことは覚悟していました。
でもいざ入学してみると、私が思っていたほど息子は「できない子」ではありませんでした。
普通級でも十分やっていけたし、友達関係も、勉強も、全然できる方でした。
そんな息子に私がいつもいつも言っていたこと。
それは
「好きなことをたくさん見つけなさい」
ということ。
「何でも良いから、自分の好きなことをたくさん見つけなさい。
卒業するまでに、たくさんたくさん見つけるんだよ。」
息子は幼少から本をよく読んでいたのですが、小学校でも休み時間には図書室へ行ってたくさんの本を読んで、感想を私に聞かせてくれました。
ある学年の時には本好きの気の合う友達が数名いて、お昼休みにはいつもその子たちと図書室へ行っていると、当時の担任の先生から聞きました。
あのときたくさんの本と出会って、自分の世界を広げていったのでしょうか。
子どもがどんなことに夢中になっているか
息子は細部注目が得意で空間認知能力が高いのですが、それを思わせるような遊びをとにかく毎日ずっとやっていました。
特に指先を器用に使って細かいものを組み立てていくというのは大好きな分野の一つです。
男の子なので、車や電車などの乗り物も大好きで、新幹線や特急列車の名前もたくさん覚えていましたし恐竜も大好きでいろんな恐竜の話も聞かせてくれました。
息子の遊びや興味のあるものを傍らでずっと見てきて、4年生の終わりに「ロボットプログラミング」というものがある、と提案しました。
コミュニケーション能力が高くないので、
誰かと一緒に、というよりは自分のペースで、ということに注目したことと本人の一番得意な細部注目や組み立てを拾っていった時にロボットプログラミングが残ったわけです。
できないことに目を向けるより、好きなことを見つけて伸ばす
親からすると、ついできないことに目を向けがちです。
これは特性の有る無しに限らず、どこの親も同じかもしれません。
私の経験ですが、
できないことを知っておく、分かっておくのは大切なことですがそこに着目しすぎてどうにかしようとすると、必ず疲弊します。親も子も。
そうすると親は子どもを認めてあげることができなくなり、子どもは自己肯定感が下がります。
(コレ、昔のわたしw)
こうなると、出口の見えないトンネルを彷徨うことになるんですよねぇ~
ではなく、できないことや苦手はいったん置いておく。
そして得意なことや好きなことを見つけて伸ばしてあげたほうが子どもは「できた!」と自信に繋がるし、お母さんだって嬉しい。
そしてその「できた!」が積み重なると、苦手なことやできなかったことが少しずつできるようになってきます!
(コレ、本当!)
ティッシュペーパーをイメージしてみてください。
一番上を引っ張ったら次のペーパーが自然に出てくるでしょ?
あれです、あれ!
ただし、何回も何回も繰り返しやることが大切です。
たったの一度や二度の話ではありませんよ。
それがひとつできるようになると、後はそれの繰り返しです。
小学校卒業
負のスパイラルに陥っていた私も、視点を切り替え、またたくさんの方の支えで今日まで子育てをしてくることができました。
そんな息子は2週間後に小学校を卒業します。
先日、学習支援の迎えの際に8年前からお世話になった先生含め、皆さんでてきてくださって、お礼をお伝えするのにこれまでのことが走馬灯のように頭を駆け巡り、思わず涙をこぼしてしまいました。
あんなに悩んで、不安になって、たくさん心配して、気持ちに余裕の持てる日がくるなんてあのときは思いもしなかった。
息子が卒業前にひとつ頑張ったことがあります。
それは中学受験。
好きなことを見つけ、それを伸ばして活かし、もっとその勉強がしたいと言った。
そのような選択肢もあるよ、ということは4年生くらいに話をしていて、決めたのは6年生の夏が終わってからでした。
当然時間をかけて受験対策をしていたわけではないので、今回の受験は「経験・チャレンジ」というところに重きをおいた受験でした。
春からは学区外になるけれど、自分で選んだ中学校に行くことが決まっています。
小学校卒業や、中学受験がゴールだとはもちろん思っていなくて、これからも息子の特性に触れることは多分にあると思っているし、たくさんのことで悩むのだろうと思っています。
今日までの時間は無駄ではなかったこと、あのときのいろんな経験がなければ、今の私たちはなかったね、と
息子と話をしました。
今悩んでいるおかあさんへ
子どもの発達で悩んでいるおかあさん、おとうさん。
大丈夫です!
今、たくさん悩む時なのだと思います。
でも、一人で悩まずに周りの誰かに相談してください。
その子の得意が活かされる道が必ずあります。
ということを信じて進んでみませんか?
応援しています!