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レベル1の漫画制作者がWebtoonをいきなり作ることになった話② 連載を終えて思うこと

こんにちは、雲井蛍です。
ちょうど1年前くらいに①の記事を出してから、まったく更新ができず。
その間に連載が始まり、終わっていました……😢
とにかく余裕が無くてこんなことになってしまったのですが、連載を終えた今、思うことをまとめました。
漫画原作を作っている人、作りたいと思っている人に届いて、一緒に頑張れたり交流できるといいなという期待を込めて、この記事を公開します。

「描けるか不明」→「描ける」になった!!

文字にすると馬鹿みたいに当たり前なんですが、精神的に大きな一歩でした。これまで、監督や脚本家さんの書いたものにアドバイスをしたり一緒に下調べをするような「編集者」に近い仕事をしてきたので、「自分で作りきれるのか」という不安に悩まされていたのですが、やればできるということがわかってよかったです。
レベル1がレベル30くらいになった気がします。

一足先に原作を書き上げていた友人から
「一作品作ると(心持ちが)違いますよ」
というありがたいお言葉をもらっていたのですが、確かにそうかも。

「描ける」=「きちんと終わらせられる」
これがでかい。

制作スケジュールを振り返ると、前半話数はシナリオやネームだけでなく、全体のスタッフィングや各工程の調整を並行で進め、後半話数は1~1.5週間のうちにシナリオ+ネームを1本(+絵の上がりにFB)書かなければならない状況になっていました。(反省点があるが一旦置いておく)
下記は制作当時の心境。

1〜3話:セリフ・展開が頭に浮かばなくてつらい
4〜12話:四苦八苦して展開をつくる。お風呂や散歩中にセリフが浮かび、慌てて携帯にメモをするように
13〜16話:慣れてきて起承転結を綺麗につくれる話数が生まれるが、そろそろ畳み方を考えなくてはいけない…
17〜20話:目の前の取り組んでいる話数より、結末がちゃんと作れるかの不安がすごい
20〜25話:必死。シナリオを完結させたあとの数話分のネーム作業は「あとはやるだけ」状態で心が楽に

後半はどこにも出かける余裕なし。
出○館でゴッド会員になる。囚人のような生活

一作品作った後に振り返ると、何故そうなったかの原因が体感としてよく理解できるようになります。
例えば、前半話数は明らかに「キャラクターの理解不足」が原因。
自分自身がキャラクターの事をわかっていないから、リアクション(セリフ)も出てこないし、らしい行動がわからないから展開も思いつかない。教本的な話ですが、体感で答え合わせができると「原因不明の体調不良に病名がついて安心する」のと同じ効果が得られます。全てにおいて…準備が…足りなかった…。
逆に言えば、必要な準備ができてやり方を分かってさえいれば、迷わず作れるという自信がつきました。

小さな目標からスケールアップする

アニメのプロデュース業を経て、「自分で作品を作りたい」と決意し転職してから、目標を階段状に立てて実現させてきました。

2021年~2022年:(シナリオに自信が持てず)「企画原案」と「キャラデザ・イラスト」のみ担当し、ボイスドラマを制作&プロデュース
『吾輩は○○である!』
2022年〜2023年:原作ものwebtoon作品のシナリオ化・ネーム監修を担当
2023年〜2024年:オリジナル原作を制作。シナリオ、ネーム、キャラデザをはじめ全ての工程を監修

前職では未経験者はまず書かせてもらうことができなかった「シナリオ」に携わる機会を頂けている事がとてもありがたいです。チャンスを下さっているすべての皆様に御礼申し上げます。商業活動として売上に責任を持てるようになるべき事を重々承知しているので、これからも精進してまいります!

そして、2025年の目標
・コミティアに出る!
・1人で漫画を描き上げる!
の2本立てになっております……!言ってしまった……。
「今の自分にはギリ無理かな?」くらいのちょっと背伸びした目標を立てると、結果なぜかできるようになっているのでオススメ(笑)
本当はオリジナル漫画を描き上げてコミティアに参加したいけど、流石にハードルが高そうなので、まずはイラスト本やグッズ的なものでの参加を目指します。
業務で漫画を作りながら、趣味で1人で漫画を描けるのか──。個人的にはかなり高みの挑戦になりそうです。

仲間ができた

これまで「創作仲間」と呼べる友達が居なかった雲井ですが、最近作業通話をしたり目標を語り合う友達ができました!!わーーーい!!!
それぞれにやりたい事が違っていて、個人活動の軸があるメンバー。目標を立てて励ましあったり、日常の日記をDiscord上で披露しあっています📓
mixiってこんな感じだったのかなあ(mixi2始まりましたね)。これが作業のモチベを保つのにすごく効いてます。いつもありがとう。

Discordの皆の日記を読む時間がたのしい

それと(陰のオタクのため直接話しかけたりしていないけど)そっとフォローフォロワーの関係になってくださったりするクリエイターの皆さんがいて、とても嬉しい……💓
自分の活動が「漫画作品」という目に見える形になったことによって、創作活動を頑張っている人たちの仲間に入れてもらえたのかも、とソワソワしました。もっとがんばろう。コミティアで交流できるように……。

お客さんに直接見てもらえる喜びと恐怖

連載落ち着いて5ヶ月めくらいの今は全然大丈夫なのですが、始まった直後はコメント欄を開くのがとても怖かったです。ネガティブな感想が〜とかではなく、受け止める余裕がなくて自分の心が潰れそうになる不安…?🥺💦
でも、そもそもコメントを貰えること自体がありがたいですし、胸をはって「自分が作った」と言える純度100%のものが世の中に出せる、その幸せの方が何倍も大きいんだから……この幸せを噛み締めて、また次も頑張って漫画つくろうっと思っています。

プロデューサーより作者の方がマーケティングが上手くなる

反省:Webtoonっぽくない縦漫画になってしまった

自分にとって初めての、原作シナリオから完成まで手を入れた作品である『宗月くんのときめき』
デビューが遅めで経験値も足りない自分ですが「作品とキャラクターを愛をもって大事にする」事には自信があります。なので、力量不足な点があったとしても、この作品が『丁寧に作られていて、読者に楽しんでもらえる作品である』ということはお約束できます🤝✨
その前提での反省!なんですが、「こういう作品が好きな人」が多く集まる場所に、この作品を置けているだろうか?と……前回の記事で「好きなもの描こう!」と言ってた自分に嘘はないんですが、置き場所はやっぱり超大事。

今は、次の制作に向けて「宗月くん」を描く前の何倍もwebtoon作品を読んでいて、どんな人たちが何を読みたくて集まっているのかをよく観察しているところです。自分がそちら側出身のため切に思うのですが、複数並行して作品を担当するプロデューサーよりも、作者の方が1つの作品に本当に真剣に向き合ってるから、得られる情報量が全く違います。
いまどきはいくらでも自分で発信できるんだから、自分プロデュースで漫画を発行できる作家が最強ですよね。つよつよ漫画家に、俺はなる……!🏴‍☠️👒

おわりに

職業作家としてお仕事を頼んで下さっている企業さんや、一緒に作ってくれているスタッフの皆さんがいる、背負っている責任がある手前、現状の結果で喜んではいけない、もっと大きなヒットを出さなくてはいけないのですが…。
一人の作家としては、今回の連載で毎回最新話の更新日に読んでくれた方、いいねをつけてくれた方、その方の存在が本当に嬉しくてありがたいです。これからも活動で辛いことがある度に支えになると思います。
更新日にもちろん作者自らいいねを押すんですが(みんな押すよね…?)その時にすでに❤️がついていて、まじで泣きました。ありがとう……😭
もっと大きな存在になって恩返しができるようにがんばります💪

今年のうちに振り返れてよかったー!
少し早いですが、今年もお世話になりました!
みなさま、良いお年をお迎えください🍊



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