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#29 本屋さんでの本の見つけ方知ってますか

はーい。

1週間サボってしまいました。

ごめんなちい。


ところで本屋さんで働いていてなんとなく思っていたのですが、けっこう自分の欲しい本を見つけるのって難しかったりしませんか。このnoteを読んでくださってる方々はきっと多かれ少なかれ本や本屋さんに興味がある方がほとんどかと思うのですが、欲しい本がどこにあるのかいつも迷わず行けるって人いますでしょうか。

それってけっこう少数なんじゃないかと日々本屋で働いている中で思うのです。

一度でも本屋さんに行ったことがある人ならわかると思うんだけど、本屋さんってめちゃくちゃ本があるんですよ!(キッパリ)

で、その中から好みの一冊を探し出すのは時として至難の技。宝探しのようにワクワクする人もいれば時間に追われイライラする人もいるというところでしょう。

でもきっとここを読んでくれている人たちは前者がほとんどかと信じております。

時間がたくさんあって、今日は本屋を堪能するぞーっていうとき(ああ至福の時間…)、どんな風に棚を見て回るかそれはきっと人それぞれ違うと思うのですが、その時のわたしの場合はどうかという話は次回ちょっと詳しく書いてみたいと思います。

今日は、あまり時間がない時に、自分が探している本をパッと見つけるために知っておきたいこと、ちょっとした技を現役書店員でもある自分が知ってることをお教えしたいと思います。

書店関係者、出版関係者の方々は知ってることがほとんどだと思うのでごめんなさいね。


まず1番簡単な方法ですが、検索機での検索方法です。

大きめの本屋さんに行くと、大体お客さんが直接触れる検索機が置いてあるところが多いです。

なので行く本屋さんが中規模か少し大きめだなという場合には、まず検索機を探してみましょう。

大体その本屋の入り口近辺、レジ近辺、売れ筋が置いてある棚や新刊台などメインの棚の近くなどに置かれている場合が多いです。

検索機を見つけたらさっそく検索。

タイトルを入力します。

えっタイトル入れても出てこない?

ちょっと待ってください。よく確認して。漢字間違ってませんか?小さい "っ“ が入ってたり、一部だけカタカナだったりしませんか? ハイフンが大文字だったり小文字だったりしませんか?

そうです。

現代のGoogle検索に慣れてしまっている身としては信じられないかと思いますが、本屋の検索機は大抵の場合かなり性能がワルイです!!(再度キッパリ)

そんな時は全部カタカナで入れてみましょう。

カタカナは得意らしくなぜかよく反応してくれます。ぜひやってみてください。

それからこれは検索機に限らず、店員さんへの問い合わせやネット検索の際にもぜひ使ってみてほしいのですが、書籍にはすべて13ケタの番号がふられています。

ISBNコードと言います。

(雑誌は5ケタの雑誌コードになります)

手元にある本を裏返してみてください。

バーコードのところ、または値段が書いてあるところに978からはじまる数字がありますね。

その数字がISBNコードです。

これがあると超便利で一発で目当ての本に辿り着くことができます。

店員さんに聞く時にもISBNコードわかりますと言ってくださると、もうあなたは神客です。

パパッと在庫の検索、注文ができるかどうかがパソコン前で瞬時にわかるでしょう。

ネット検索をする場合にもその数字を入れれば一発でその本に辿り着けます。

覚えておくと便利です。


次です。

もちろん検索機のない本屋さんもたくさんあります。そういう本屋さんでどう探したらよいのか。こちらはちょっと経験と勘が必要になります。

同じ本屋に通えば通うほど、その本屋ではどこに置かれる本なのかがわかるようになるので探しやすくなります。

まずは本屋というのはジャンルで置く場所がわかれています。

ジャンルというのは大まかに

雑誌か書籍かにわかれていて、それぞれさらに細かく趣味実用、ビジネス、文芸、文庫、児童、学参、コミック、専門書(芸術、理工、医学、人文)と分かれております。

なのでまずは自分が求める本がどのジャンルに属しているのかを考えておきます。

雑誌は大体わかりますね。月刊か週刊か季刊で定期的に刊行されているものです。雑誌コードがついているものと言ってしまいたくなりますが、そこは落とし穴でムック本というものは書籍扱いのISBNがついているのであてになりません。

まぁなんとなく雑誌か書籍かくらいはわかるかと思います。でもそのあとの分類。ここからしてわからない本というのもたしかにたくさん存在しております。

わかりやすいのは学参とかコミック、文庫、新書ですね。あまり他のジャンルと混ざることはないです。

でもたとえばエッセイやノンフィクション系はどういう内容かによって置かれる場所が変わってくる場合もありますし、一括してエッセイ、ノンフィクションという棚に置かれている場合もあるんです。

そこは書店によって違うので、1番微妙なジャンルかもしれません。

なので難しい本もありますが、なんとなく自分が探している本がどういう内容なのか、どういうジャンルに置かれそうなのかは検討をつけておくと探しやすいです。

例えを探してみましょう。

Amazonで今ランキング上位のものでやってみます。

こちらの本がどこにあるのか考えてみましょう。

わたしも初めて見た本です。
と思ったらまだ発売前のものでした。すごいなアマゾンランキング2位ですよ。全く知らなかったのですが、人気がある著者であることがわかります。

これはパッと見た瞬間はエッセイかなという印象でしたが、よくよく情報を見てみると著者がYouTuberであるとのこと、フォトグラファーであること、旅によく出ているらしいことなどがわかります。

この本はきっと本屋によって置く場所が分かれるタイプの本だと思うのですが、まずエッセイもしくはライトエッセイという棚。

それかタレント本の棚におかれることがほとんどじゃないかと思います。

写真の棚に置かれる可能性もなくはないですが、この本自体が写真集というわけではなさそうなのと写真家というよりもYouTuberという肩書きの方が目立っていたのでそうではないかなと予想しました。

あとはもしもこの本が旅エッセイのようなものでしたら、旅行ガイドの本のコーナーに置かれる可能性もあります。

もう一冊いきます。

この本はね〜、落とし穴です。
いい例えがきました。

この本は日経プレミア新書というシリーズの中の1冊です。

「新書」と「新刊」を混同されている方がたくさんいるかと思うのでそこから話します(無理ないです。本当にややこしい呼び名だと思います)。

「新刊」というのは1ヶ月以内くらいに新しく刊行された書物のことをさしていいます。

「新書」は本の形態の呼び名で、例えば「文庫」「単行本」(こちらも混同されている方多いかと思いますが小さい持ち運びに便利な本が文庫本で四六版サイズ、通常本と言われて思い浮かぶサイズのものがソフトカバー、ハードカバー問わず単行本と言われています)。

「新書」は文庫よりも縦長で内容がほとんど教養や雑学によったものです。価格も千円前後の手ごろなものが多いかと思います。

同じ出版社の新書であれば大抵同じような表紙で、色が違うとか帯が違うとかで区別されます(もちろんタイトルはみんな違いますが)。そして〇〇新書と書かれています。

この新書は新書のコーナーに並べられていて、番号で管理されていることが多いです。

だから新書売り場が広大な書店で、著者順に並んでないし、一体どうやって目当ての本を探せばいいんだと絶望するとき、どうかあきらめないでください。

どこかに出版社別の小さな冊子がぶら下がっていたりしませんか。

その冊子を見るのです。

その冊子はいわゆる新書の一覧です。
タイトルからも著者名からも大体引けるようになっているので、それで目当ての一冊を探してみてください。
その1冊のタイトルの上か下かに番号がふられているかと思います。時々数字とアルファベットの組み合わせだったりもします。

それを見つければこっちのもんです。その番号順に棚に並んでいるので、あとは探すのが容易だったりします。

もし冊子がない場合は……もう店員さんに聞きましょう。

ネットで調べる場合は
e-honという本屋さんのサイトで調べると、新書も文庫も番号がわかります。あ、ちなみに文庫も大体番号順ですが、文庫は著者名ごとになっているので新書よりもずっと探しやすいかと思います。

この新書の番号順はもっとわかりやすくしないと、本当に知らない人に不親切だよなと常々思ってるんだけどみなさんどう思いますか。
書店で働いてると新書の問合せって多くないですか。

話が長くなってしまいましたが、くだんの新書です。

”日経プレミアシリーズ” という新書ですがこれが落とし穴でして、どういうわけかこればかりは新書のコーナーに置かれないのです。
どこに置かれるかというとビジネスのコーナーなのです。
わたしも訳は知らないのですが、小さい本屋さんはもしかしたら新書のコーナーに置かれているところもあるかと思いますが、大きめのところはけっこうビジネスコーナーに置かれていることが多いように思います。

こういうことがけっこうあるんですよね。

本の分類は例外だらけです。

だから迷ってしまうわけですね。

ということで ”日経プレミア” はまずビジネスコーナーへと覚えておきましょう(新書にある場合もあると思うので、もしあなたが行った書店でそうだったらその時は怒らないでくださいね)。


まだまだ世の中にはいろんなタイプの本があるので説明しきれないですが最後に少しつけたすとしたら

新刊台と話題書のコーナーを見るのも忘れないでください。
もしあなたが探している本が、刊行1ヶ月以内の本だった場合、新刊台にある可能性もあります。

それから書評に載った本だった場合、書評コーナーは見ましたでしょうか。

テレビで紹介されていた本だった場合、話題書のコーナーも覗いてみてください(でもテレビに出たその日に行っても、本屋さんは大体働いている時間テレビは見ていないので準備できていることはないですから、そこはご容赦ください)。


そしてこれが1番大事なことなのですが、本を探すことをぜひ楽しんでみてください。

目当ての本を探している間に出会う本があります。

それが本屋さんに行く本当の醍醐味だと思っています。

目当ての本よりも、出会った本の方が後々記憶に残っていたりすることもたくさんあります。

そんな1冊との出会いを大切に、また本屋さんに足を運んでもらえたらいいなと思います。


次回は時間がたっぷりあるときのわたしなりの本屋さんの回り方をご紹介したいなと思います。
興味ないって言わないでー。

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もくめ書店〈酒井七海〉
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