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プリキュア、あるいは食パンについて

小さいころ、1度だけプリキュアのDVDを観たことがある。青色のプリキュアの子が朝ごはんを食べるシーンだけなぜか鮮明に覚えていて、それは、ダイエット中だからと言って(「朝は多めに、昼夜は少なめに」)お母さんの分の食パンまで食べてしまうのだ(「ママの分は?」「ない」)。どうしてそのシーンばかり覚えているのかわからないが、おかしなことだが私にとってプリキュアといえばそれなのだった。

幼稚園でのプリキュアごっこでは、青色のクールなあの子に憧れながら(だってみんなが彼女をやりたがった)、いつもオレンジ色の子の役をやっていた。青色の子をやれたことは結局なかったけれど、たぶんそれほど、悔しくなかった。

あれからもう10年以上経つけれど、相変わらず食パンのシーンは忘れられなく、そして今は堂々とオレンジ色が好きだ。

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