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九月の俳句など

みなこちら向いてアルパカ秋愁

アルパカの首伸びてくる草霞

地元喫茶店

あげは蝶譜めくりびとに消えにけり

二階からお向かいさんの

夜ふかしは二階へ鬼火むかへに来

葛饅頭
地元お菓子屋さんの

葛まんぢゆう闇に喘ぐを疵痕に

ライフの見切り4割に魔が差し

王痩せて道化となれば秋刀魚呑む

最寄り駅前喫茶店。
パンケーキモーニング。
約50年の営業も今月半ばで終わり。

パンケーキ花野になるを待たずして

↑同じくの。
コレがこのお店でのラストモーニングになる。

名月の朝をたまごの煮抜かれし

満月の日は小豆を

あんぱんのはらわた漏るる十六夜

東大阪は菓匠庵白穂
東大阪夕景菓
「ええとこ」

十七夜ミルク饅頭平らかに

獺祭忌すべてはジヤンボプリンパフエ

立待ちを椅子は机に座りをり

職場の前
朝5時過ぎ

明くるより灯すが早き賢治の忌

賢治忌の朝を工場明かりかな

緋の裡に働くひとや賢治の忌

素振りとは凩打ち返す仕事

秋分
地元お餅屋さんのおはぎ

秋分の雨は実験ペンギンの

秋分の雨をゆくなら巡礼路

猫の子の足踏みしげき秋彼岸

地元喫茶店にて

食パンは二度焼かれたり彼岸花

梅な三大喫茶店のひとつにて

名物は虹より厚きたまごサンド

飲み干してカツプの底に白夜光

銀器より注がるるものに秋の蛇

飴色の珈琲店に秋の駒

地元喫茶店モーニング
コレで380円

トーストに染み込むまでに秋日影

かわゆい人魚
画像検索では引っかからず

窓際の礁となりし律の調べ

姉よりの
岡山県産newピオーネ

宇宙はいびつに膨らむ黒ぶだう

黒葡萄闇は王墓の埋葬品

マスカツト湖ひとつ浮かびたる

静脈を持たず葡萄は凪いでをり

黒葡萄噛めば現る水族館

七粒のマスカツトゆく海賊船

マイ喫茶店
空洞

邯鄲の路地に珈琲店空洞

コッパーの黒みに呑まる虫の声

トーストの断崖の如秋深し


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