日本で一番と言われ慣れている
みなさんご存知『日本で一番高い山』のフレーズでお馴染みの、富士山。
『日本で一番高い山』というと、『山の中で一番高い』という意味でしょ?「じゃあ日本で一番高い場所って別にあったりするの?」と疑問に思うのは、小さい時のわたしぐらいだろうか。
『神様作の山が人間作の建造物より高いに決まってる』
この常識が地球が存続する限りの常識であってほしい。
わたし的には、『富士山の山頂が日本で一番高い場所』というのを聞くと、ありがたさが一気に増す。
公園で一番高い場所、ジャングルジムの上からの眺めのように、
日本で一番高い場所、富士山頂からの眺めだ。
富士山に登ったことがないので、富士山頂からの眺めは知らない。
平地に住む動物だから、が理由だと思っているのだけど、基本的に平地が落ち着く。積極的に山に登りたいと思わない。
平地からみる富士山に惹かれる。
新幹線、フルネイムでいうと東海道・山陽新幹線に乗るときは必ず、窓際へばりつきのかぶりつきで富士山を観ることにしている。
山頂をみながら、あれが日本で一番高いところかぁっておもう。
これは新幹線車窓からみた、2020年3月1日の朝日をうける富士山だ。
富士山の下のマグマの恵みで湧いた温泉があるのだろうか。
煙突からの煙が雲を作っているみたいになってていい。
そして山頂。iPhoneの地図正確に、真東からバシッと朝日を受けている。
液状の雪を山頂にバァーとかけたみたいに山肌にきれいに垂れている。
描いたみたいに均等な垂れ方だ。
山肌が凸凹しているから、円の垂れ方ではなくギザギザした垂れ方になっているんだなぁ。
あぁ素敵。
裾野。
これを見て、「裾野」って頭で言ってみた。
犬と散歩していると、通りすがりの赤ちゃんがついつい言ってしまう、指差し「ワンワンっ」。
見たものを発音してみたくなる衝動は久しぶりだ。
本当のことを言うと、『すそのお』と浮かんだ。裾の尾のイメージでいた。態々書かなくてもいい、恥ずかしいことかもしれない。
とにかくこの時初めて『これが、すその(お)だ』と物体と名前を一致させた。山頂に見惚れていたら、裾野の長さに気付いて釘付けになったのだ。
富士山が大きいって感じるのは、この裾野の長さが影響しているのかもしれない。
これが自然物の為せる技だ。
スカイツリーに高さを感じても、雄大さを感じないのは、裾野がないからかもしれない。
こうしてマジマジと眺めても富士山は照れない。
日本一と言われ慣れているし、自信もありげだ。
モテ慣れしている先輩に、気兼ねなく憧れられるのが富士山のいいところかもしれない。