[3週間で11か国詰め込み女1人旅]ストライキからの置いてけぼり 魔の水曜日2回目
夜行バスに乗る前に、まさかの宣告
次の目的地はモロッコのマラケシュ。
モロッコにはその時友人が短期留学をしていたため、マラケシュ→フェズ→シャフシャウエンに行く予定だった。
フランスからモロッコに行くには、フランス南部にあるペルピニャンという場所からライアンエアーでマラケシュ行きのフライトがあったので、
一旦パリから夜行バスでまた10時間くらいかけて移動しなければならなかった。
しかし、ちょうどバスを待っている間、なんとライアンエアーから連絡が来たのだ。
「明日のフライトはストライキのためキャンセルになりました」
?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!
ストライキ….。
テレビで聞いたことがある言葉。
ニュースでしか聞いたことがなかった言葉が、実際に起こるなんて…。
でもまあ、なんとかなるよねと高を括る
明日飛行機飛びませんという連絡を
ちょうどタイムリーでモロッコにいる友人とLINEしていた私。
友人とはフェズで会う予定だったから、とりあえず明日マラケシュに行けなくなったことだけ伝えた。
マラケシュでの予定はとりあえずパリ同様日帰り観光しながらフェズまで少しずつ移動してフェズで合流という予定だったので、ちゃんとした予定を入れなかったのが幸運だった。
もし入れてたら、実行できない悲しみで落ち込んだだろう。
代わりの飛行機やその後の流れとか対応はペルピニャンの空港カウンターでスタッフに聞けばいいと思って、内心ちょっと焦りながらもとりあえずバスに乗った。
途中、サービスエリアに寄る。
ペルピニャンまでの道のりは、なんていうか綺麗な田舎、草原だな〜というところがあって。
こういう中でチーズ工房開いたら穏やかな日々を過ごせるのかなって妄想しつつ、
スーパーで買ったチーズを食べたりと、
今思えば「嵐の前の静けさ」とはこういうことかと実感する。
そんなことある?カウンターお休みの日だった!
ペルピニャンの空港までバスで移動。
とりあえず、ライアンエアーのカウンターに行こう!と張り切っていたが、探しても探してもない。
空港自体は小さく、小さい売店と他の航空会社のカウンターが2,3個あるくらいで人も全然いない。
こんな状況で見つからないなんてある?と思って別の航空会社のスタッフに聞いてみると…
「今日は休みよ」
「…休み?!」
「ええ、水曜日は休み」
聞けば、週何日かはカウンターはお休みで、今日はその日に当てはまっていたらしい。
(よくよく考えれば営業日だったとしてもストライキでいなかった可能性もあるが…)
私は全く「休み」という考えがなかったためパニックになった。
直接聞けばなんとかなるとか、そんなことはなかった。
とりあえずライアンエアーのチャット問い合わせでいろいろ質問せねばならないと
小さな売店でジュース一本買い(カフェがなかったため)4つくらいしかない椅子にこのまま何時間も居座ることになった。
空港のWi-Fiに繋ぎ、チャット開始。
けど何回も途中で途切れるというのを繰り返して話も進まないし、問題も解決しない時間だけがほとんどを占めた。
欠航になった場合を事前に知っておくべし
私は飛行機が欠航、もしくは遅延になったことが1度もなかったので、こういう時どうすれば良いのかわからなかった。
でも、航空会社がなんとか全てやってくれると思っていた。
が、この考えがNG。
私はとある縁でLCCのカスタマーセンターでこのチャットや電話対応をすることがあったのだが、この経験のおかげかお客さんの気持ちもスタッフの気持ちも両方わかるようになった。
当時、ライアンエアー側からは、2日後にパリからマラケシュ行きの振替便に乗るか、もしくはキャンセルして返金の2択を言い渡された。
しかし、私はどちらも納得できなかった。
例え振替便を選択したとしても、パリまでまた夜行バスで戻って1泊する宿を探して泊まって、やっとマラケシュに行くことになってもマラケシュを観光することなくフェズに行って、友人と少しだけ会って、また移動しなければならなくなるからだ。
(フェズから今度はミラノ行きの飛行機を予約してあり、その後の飛行機も変更不可のチケットだったため)
もう一つのキャンセルして返金のパターンを選択しても、すっごい田舎のペルピニャンからマラケシュ行き・フェズ行き、もしくはモロッコの別の土地行きを探してもなかったのだ。
いわゆる詰んだ状態だった。
2日後にわざわざパリまで戻らせて、何もせずモロッコを旅立つか
返金してさよならか。
焦りもあってか全然納得できなかったのだった。
どうにもならないなら別の手段!!!
私はこの焦りと対応に納得できず、この先どうすれば良いのか分からなくなっていた。
他の航空会社を探してもパリからフェズ行き、もしくは別のモロッコの場所に着くものはなく、パリの宿泊施設も前日だからか高いかないか納得できないものばかり。そもそもパリ行きの夜行バスもあるのかも分からないし、ペルピニャンでホテルがあるのかも謎だった(それほど田舎だった)
ライアンエアーとのチャットは途切れて、別の担当者に繋がって途切れての繰り返しで5時間以上は経っていたかな〜。
この日本人全然話通じないよって言われていたに違いない。
ジュースをもう一本買い、ずっと小さな売店に居座り続ける日本人。
迷惑だったに違いない。
結局このままだと埒が明かないと思い、フランスからではなく近くの別の国からモロッコ行きがないか探し始めた。
すると、隣の国のバルセロナからフェズ行きの飛行機が2日後にあることが判明!
しかしバルセロナまで行くバスや電車がない。
そんな時、カーシェアのアプリがあることを知った!
(サイトでいろいろ探して行ったらたどり着いた)
それは車の持ち主が目的地まで行くのに、一緒に行きませんか?というもの。
私たち便乗者は安い料金で目的地、もしくはその周辺まで行くことができ、
運転者は知らない人を乗せるけど、いくらかお金がもらえるというシステム。
早速登録したら、空港から少し離れた駅で今日夜、バルセロナ行きますという方を発見したのだ!
ラッキー!絶対この人に乗せてもらおうと思い、コンタクトをとると
待ち合わせ場所が記載されたメッセージが送られてきた。
移動する手段は決まった。
次は、バルセロナでの宿泊地。
これは案外すぐに決まった。
そしてバルセロナからフェズ行きの航空券も購入!
この流れだったら、予定通りフェズで合流してシャフシャウエンまで観光できる!(マラケシュの代わりにバルセロナでも良いか)
なんとかなりそうな気がしてきた!
そうとなったらすぐに集合場所まで移動しなくては!
私はライアンエアーとのチャットを止め、すぐに移動した。
トラブル時は、自分の主張だけを通そうと思ってはならない
この時、私は欠航に対しての保証を勘違いしたままライアンエアーとの会話をやめてしまっていた。
しかししょうがない、と思う。
私はバルセロナからフェズまでもライアンエアーで購入したが、それまでにかかった交通費や宿泊費、食費は払ってもらえると思っていた。
なぜなら、ライアンエアーでまたチケット取ったら同じじゃないかと思っていたからだ。
ここからは私理論。
振替便という言葉の認識を誤っていた私は、パリから乗りたい便がなければ
目的地に行くのに同じ航空会社のチケットを買えば、それが振替になるのではないかと思っていた。
しかし今回マラケシュ着とフェズ着では違うかもしれないが事情を話せば
振替便と同じ枠組みになるのではないかと…(もはやジャイアン理論)
だから振替便利用の場合、それに伴う宿泊費や食費は航空会社によるが
いくらかまでは支給される。
レシートは必ず保管!(後で写真撮って証明するため!)
なので私は、これは振替便に当たるのだから、バルセロナまでの移動費と宿泊費、食費が後日払われると思ってしまった。(しっかりレシートもらってました)
結局、これは振替便にならないことはモロッコで知り、返金処理もしていないため
ただお金が消えて行ったのだ。
たぶん、チャットで人が代わりすぎていたからか、私も焦って自分が納得するような答えが来るまで引き下がらないとか、融通が効かないとかいろいろあってか
お互い勘違いしたまま終えたストライキ事件だった。
チャットの人も振替保証に関していろいろ説明してくれたのに…
根本が違った。
こういう時は、まずは自分の考えと自分がうまく行くことだけを考えたら行けないということを知ったのであった。
またも上手くいかない!置いてかないでよ〜泣
で、カーシェアでなんとかバルセロナ行きまで予定を立てた私。
バスで移動してまあまあ大きな駅に到着。
しかしここで問題が。
気づくのが遅かった。
駅って、北口・南口ってあるじゃん。
その人何口とまでは書いてなかったから、出口一個しかない駅なんだなって勝手に想像してた!
集合場所は詳しくいうと、
駅から近い場所になんとかっていう看板があってそこで集合だった。
とりあえず、バスから降りた場所は車でピックアップするような雰囲気の場所じゃないけど、そのなんとかって看板がある…
でも一応もう一つの可能性があるかもしれないから
集合まで時間があるから反対側も見ようと移動。
反対側まで行くのにまあまあ時間がかかった。
反対側は表玄関でWi-Fiもあった。
そこからすぐになんとかって看板があった。
こっちも?と思って、Wi-Fi繋いでメッセージするも返信来ず。
でもこっちの方がピックアップするのに広い道路あるし、
ここだろうと思って、待った。
確か18時集合。
隣には若い男の人が同じように荷物を持って待っていた。
そういえば、他にも乗せるって言っていたからこの人かもしれないと勝手に意識し始めたのだ。
あたりはだんだん暗くなってくる。
18時。来ない。隣の男の人がいるからなぜかまだ安心。
けどその男の人は別の車で行ってしまった…。
30分過ぎていた。
寒い。不安でしかない。
もしかしたら反対側?かと思ったけど、ここ離れた瞬間に来たらとか
考えたら動けず、駅に戻ってWi-Fi繋いでメッセージを送る。
「ずっと待ってるんですが、集合場所はここであってますか?」
返信が来ない。時間だけが過ぎる。
返信が来てないか確認するために駅に行ったり、集合場所に戻ったりの往復を繰り返す。
指定された車があれかな、これかなと不安と期待が入り混じり、
もしここで万が一泊まることになったら宿あるのかなと辺りを見回す…。
本当になさそう…。
1時間半くらい経ってからやっとメッセージが来た!
「もう出発しちゃってるわよ!今高速道路だよ!」
行き当たりばったりでもなんとかつながるものだ
「え〜〜〜〜!なんでですか?ずっと私待ってたんですけど!」
「私が行った時は見つけれなかったのよ!他にも乗せる人いたから出発しちゃったよ!」
「でも、私本当にずっと待ってたんですけど!」
「でもこっちも分からなかったのよ!」
「私今日中にバルセロナ行かなきゃいけないんですけど」
「もう戻れないわよ。返金するから、ごめんね」
そう、お金は事前に払っていたのだ。
お金さえ払えば大丈夫なんて、先週の夜行バス乗り遅れ事件で学んだはずなのに…。
夜20時近く。辺りは真っ暗で寒い。
もう泣きそうだった。
せっかくなんとかなると思ってた人には置いてかれる始末…。
一旦ここで泊まれる宿を探して落ち着いて今後を考えようかと諦めムードになる。
けど、静かで灯りもそんなにない中で、ホテルなんてなさそう。
Airbnbで探したり、また別のサイトから探す気力もない…。
その日はもう、結構疲れてたんです。
疲れて諦めたい気持ちと、そうすると明日からの予定が振り出しになること。
一旦落ち着きたい、安心したいという欲求。
…でも。
私の中では、まだ捨てきれないものがあった。
とりあえず駅前に停まっているタクシーの運転手さんに聞いてみた。
(最初からタクシー乗れば良いじゃんって話だが、お金がなかったんです)
「ここから今日中にバルセロナまで行きたいんですが…」
「バルセロナ?う〜ん…」
「(やっぱり厳しいかな…)」
「この駅から出発すると何時間もかかるから、タクシーで国境付近の駅まで行ってそこから電車に乗ったら今日中に着くかもしれない」
「え、本当ですか?じゃあそれでお願いします!」
ほんと、なんとかなるもんなんですよ。
最後まで諦めず考えたり、行動したりすれば。
結局タクシー乗って、途中から電車に乗って、バルセロナに着いて。
夜遅いのでまたタクシーに乗って今日予約したゲストハウスへ。
すごい濃い1日だったけど、
私自分で言うのもあれですが、楽観的なので、
ほんと旅行運だけは強いな〜と思い、眠りました。
私の長い魔の水曜日2回目を読んでいただきありがとうございました。
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