突然の告知
『赤枝先生、これは肺癌ですね』
「えっ、僕のことですか?」
それは突然の出来事だった。
そのあとの行動はあまり記憶にないが動揺を隠そうと必死に取り繕っていただろう。結果を説明してくれているお医者さんも必死だ。何かを僕に語りかけているようだが何も聞こえてこない。
僕も医者の端くれとして、肺癌の予後が悪いことぐらいは知っている。
帰りの道中、iphoneを握りしめ勇気をもって”肺癌、予後” でググる自分。
そこにちらりと見えた文字列、、
「全体の5年生存率は20%未満です.....」
そうか、死はすぐそこまで迫っているのか...
「癌の告知について」、、なんて小論文は学生の頃何回も書いてきた。
これがリアルな告知、、
癌患者の気持ち、、
コロナ禍の中、半ば強引にドッグを受けたことをなぜか悔いた。
溢れそうになった涙がこぼれぬよう空を見上げると、そこには雲ひとつない晴天が広がっていた。