コーヒー3

美味しいコーヒー豆を手に入れよう!(ちょっと上級編)

今回の記事は美味しいコーヒー豆を手に入れるためのコツ、ちょっと上級編です。


前回までの記事の内容を実践すると…少し足をのばして探せば、いつも買うお店の候補は、何店か残ると思います。

もちろん、お店ごとに個性がありますのでそのお店をぐるぐる回って買うのも良いと思います。

(レベルの高いお店が増えてきたのは喜ばしいことです!)

しかし、「いつも買うお店」にする前にもう少しフィルターをかけても良いと思います。


コーヒー豆は、焙煎の前後でとてもとても大切な作業があります。

それは「ハンドピック」です。

コーヒーの生豆には、

・欠点豆(欠け・虫食い・カビ・生育異常・死豆など…)

・不純物(豆ではないもの)

が入り込んでいます。

それを目で見て、手作業で取り除くのがハンドピックです。

これをしないと、風味が大きく損なわれます。


ちなみに…これ、何だと思いますか?

(右のコーヒー豆は、大きさの比較のために置いてみました)


答えは「コンクリート片」です。

実際にハンドピックの際に出てきたものです。

これ以外にも、石粒が混入していたり、金属片が入っていることさえあります。こんなものがミルに入り込んだら歯を傷めますし、これが入ったままのコーヒーというのはちょっと…。

これらの不純物は、収穫、精製や乾燥の際に混入することがあります。

精製度の低い豆ほど、このような欠点豆や不純物が出てくる可能性が高まります。

明らかな欠点豆だけでも、平均で5~10%くらいは混入しています。

さらに、欠点豆とまでは言わないものの、熟度の違い(豆の水分量が違うので、焙煎の際の色ムラ、味のムラにつながる)がある豆を取り除くと、物によっては3割近くがはじかれてしまいます。


大きな声では言えませんが、採算を考えればこのロスはとても大きいものです。そのため、ハンドピックをおろそかにして、「こういう味だ」と言ってそのまま販売してしまうコーヒー屋さんもあります…。

どこまでこだわるかについては、採算との関係もありますので難しいところですが、専門店ならせめて欠点豆と不純物は取り除いてほしいですよね。


実は、挽かずに(豆のまま)買ってくださいと言ったのは、家でも欠点豆はある程度見分けがつくからです。

挽くと、欠点豆を見分けることはほぼ不可能です。

欠点豆を見分ける際、最もわかりやすいのは「色」です。

ただ、色の違いは自然光ではわかりづらい(光が強すぎ、影ができやすい)ため、蛍光灯をお勧めします。

明らかに色が濃い・薄いというのは、欠点豆である可能性が高いです。

コーヒー屋さんを疑うようで少し気が引けますが、買った豆を平たいお皿にあけて、よく観察してみてください。

欠点豆の種類はたくさんありますが、見つけるにはなかなか骨が折れるものもあります。

そこで…

・色が極端に薄い豆

・真ん中が抜けて貝殻状になっている豆

がないか、の2点だけに着目してみましょう。

前者は「死豆」、後者は貝殻豆と呼ばれています。

もしいくつも「おや?」と思う豆を見かけたら、そのお店ではハンドピックをしっかりしていないと考えて良いでしょう。

(一見してわかる欠点豆を、プロがいくつも見逃すはずがありません…)


この「死豆」、実は耳のいい人ならお店でわかる可能性があります。

死豆は硬いため、ミルにかけると「ガリッ・ガリガリッ」という引っかかるような音がします。

焙煎度が均一で、欠点豆がない状態であれば「シャー・カリカリカリ」という流れるような音で挽かれていきます。

お店で使うような高性能のミルほど、この音の違いははっきり出ます。

ですので、お店で豆を挽いている様子があれば、ぜひその音に耳を傾けてください。


そしてもうひとつ。焙煎の腕前が大まかにわかる方法があります。

豆を一つ手に取り、指先で思い切りすりつぶしてみてください。

…いかがですか?


均一の細かい粉状になったらOK。

その豆は、中まで均一に、しっかり焙煎されている良い豆です。


もし、部分的に粉になり、硬い部分が残ったとすれば、中まで均一に火が通っていない証拠です。


ただこの方法、焙煎が浅いものは豆が硬いので、指先でつぶすのはちょっと大変です。というわけで、これらの検証をするなら、前回の記事でもふれたように、「中深煎りくらいを豆で」購入するのがベターなのです。


ここまでをまとめると

・基本的には「甘い香り」がする

・欠点豆がない

・色むらがない

・指でつぶして均一に細かくなる

これをクリアしていれば、美味しい豆である可能性が極めて高いです。


今回は、美味しいコーヒー豆を手に入れるためのちょっと上級テクニックを書いてみました。

次回は、いよいよ「淹れる」について書いていきます!


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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瀧波一誠
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