ナギット・もこ

三度の飯も好きだし、ロマンスはもっと好き。 小説を書いたり、日常を綴ったりしています。 「砂糖の甘さは恋の甘さと同じ」ということで、恋愛ショートストーリーで食レポをする【乙女のグルメ】連載中。

ナギット・もこ

三度の飯も好きだし、ロマンスはもっと好き。 小説を書いたり、日常を綴ったりしています。 「砂糖の甘さは恋の甘さと同じ」ということで、恋愛ショートストーリーで食レポをする【乙女のグルメ】連載中。

最近の記事

【乙女のグルメ:No.1】ストロベリーショートケーキレポ【ホテルニューオータニSATSUKI】

〈記事の概要〉ホテルニューオータニのイチゴショートケーキの味を、恋愛ショートストーリーで表現する記事。 〈目次〉 ①本食レポについて ②ニューオータニパティスリーSATSUKIとケーキ基本情報 ③ショートストーリー ①本食レポについて 甘いものを食べている際、人の頭にはセロトニンという物質が脳内に分泌されると言う。それはまるで恋をしている時のように、幸せでぷかぷかと浮足立つ気持ちにさせる。つまり、「スイーツを食べる」という行為は「恋の物語が展開している」と言えるのだ。なら

    • 気分は石油王のハーレム??トルコの伝統菓子「ロクム」が美味しいという話。

         石油王――。 それは、中東付近で生活をしているめちゃくちゃお金を持った偉い人のことである。乙女が一度は夢見る恋物語のスパダリとして、真っ先に挙がる名前と言っても過言ではない。エキゾチックな美貌を持つ男と半ば強引な形で始まる恋は、砂漠の熱帯夜よりも熱く燃え上がる。その需要を証明しているのは、誰もが知るロマンス小説の有名レーベル「ハーレクイン」だろう。「シーク(石油王)」が、ヨーロッパ王族の「ロイヤル」やギリシャ系の「ラテン」と並ぶ定番ヒーローの一つとして扱われていることか

      • 母親の口紅を、背伸びしてつけていたあの頃の自分に。

         昔の話である。母が仕事で家を留守にしていたとき、私はきまってドレッサーの引き出しを開け、中身を眺めていた。きらきら輝く粉に、薄桃色の液体が入った香水瓶。ろくに使い方も知らないのに、取り出してはうっとりと眺めていた。母はいつも、私には決して化粧品を触らせなかったから、見ていることがばれたら怒られる。だから必ず元の位置を覚えておいて、庭先で車のエンジン音が聞こえると、そっと戻した。  その後少しして、母は家から出て行った。荷物は全て新しい男の家に運ばれた。ドレッサーを開けても、